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「農業……ですか?」
なんとも畑違いな。
「エル、畑違いだって思ったでしょ」
「ええ、思いました」
「多分、彼に足りないのは自らの血肉になる物に触れる事だと思う」
シキがケーキの上のイチゴを私の口に入れてくれる。
「自然が相手の仕事でもあるし、自らの無力さを知る事もできる。案外重労働だし、色々考え込む暇も無くなるでしょ?」
そんなものですか? そう問いかける私にワタリが、何箇所か知り合いの農園に掛け合って見ましょうと声をかける。
どうやら、彼の行き先は決まった様だ。
「たまには様子を見てあげて、エルなら彼の変化に気が付けるだろうから」
「そうですね、もうキラに戻る事は無いと思いますが、心に留めておきましょう。彼の犯罪を見破れるのは、今は私たちぐらいですしね」
弥海砂の方は警察が引き続き監視して行く様だ。まあ、問題なければその監視も数年で切れるでしょう。
「そう言えば、南空ナオミさんから連絡が有りました。FBI捜査官に復帰するそうです。口添えを申し出ましたが断られました」
強い方ですね。そう言ってワタリは微笑んだ。
「あ、FBIと言えば、ワタリ。貴方の手足を1人用意したよ。元FBI捜査官の駿河さん。今度ケリーがローレンス家の執事に就任する様だから、ケリーの仕事を引き継いでもらいつつ、ワタリの仕事も少し減らせたらと思って」
結局駿河さんは、私たちのサポート役を仕事にする事にした様だ。酔狂な人もいたものだと、本気で思う。
「おや、お気遣いありがとうございます。後でお礼を言わねばなりませんね、私がいない間、あなた方をサポートして下さった方ですね」
ワタリが嬉しそうに言う。
すっかり冷め切ったコーヒーの底に澱む砂糖をかき混ぜる。話題が全て出尽くした後の一瞬の沈黙。
「エル、いつでもLを辞めて良いからね」
「そうですね。ずっとLとして生きて行く必要は無いでしょう」
シキと、ワタリの言葉に私はゆっくりと首を振った。
「当分辞めるつもりはありませんよ。キラがいなくなった途端に、また大きな犯罪が増えていますしね」
ワタリがパソコンを操作して、いくつかのファイルを表示する。
「L、コイル、ドヌーヴの下に、すでに新たな依頼が入っておりますが……急を要するものは一件も有りませんよ。少しお休みになってはいかがです?」
「休息なら飛行機の中で取りましたから」
ワタリのパソコンを覗き込んで、舞い込んできた依頼を見るも、いまいち琴線に触れるものはない。
ふと、一通のメールが舞い込んできた。
ワタリが早速それを開く。それは駿河さんからのもので、イギリスのある土地の売買契約が無事済んだと知らせるものだった。
「おやおや、早速働いてくださっているのですね」
そう言いながらワタリがメールを読み上げる。
見覚えのあるその地番はワイミーズハウスと私たちの家を繋ぐ丘の番地だ。
なんとも畑違いな。
「エル、畑違いだって思ったでしょ」
「ええ、思いました」
「多分、彼に足りないのは自らの血肉になる物に触れる事だと思う」
シキがケーキの上のイチゴを私の口に入れてくれる。
「自然が相手の仕事でもあるし、自らの無力さを知る事もできる。案外重労働だし、色々考え込む暇も無くなるでしょ?」
そんなものですか? そう問いかける私にワタリが、何箇所か知り合いの農園に掛け合って見ましょうと声をかける。
どうやら、彼の行き先は決まった様だ。
「たまには様子を見てあげて、エルなら彼の変化に気が付けるだろうから」
「そうですね、もうキラに戻る事は無いと思いますが、心に留めておきましょう。彼の犯罪を見破れるのは、今は私たちぐらいですしね」
弥海砂の方は警察が引き続き監視して行く様だ。まあ、問題なければその監視も数年で切れるでしょう。
「そう言えば、南空ナオミさんから連絡が有りました。FBI捜査官に復帰するそうです。口添えを申し出ましたが断られました」
強い方ですね。そう言ってワタリは微笑んだ。
「あ、FBIと言えば、ワタリ。貴方の手足を1人用意したよ。元FBI捜査官の駿河さん。今度ケリーがローレンス家の執事に就任する様だから、ケリーの仕事を引き継いでもらいつつ、ワタリの仕事も少し減らせたらと思って」
結局駿河さんは、私たちのサポート役を仕事にする事にした様だ。酔狂な人もいたものだと、本気で思う。
「おや、お気遣いありがとうございます。後でお礼を言わねばなりませんね、私がいない間、あなた方をサポートして下さった方ですね」
ワタリが嬉しそうに言う。
すっかり冷め切ったコーヒーの底に澱む砂糖をかき混ぜる。話題が全て出尽くした後の一瞬の沈黙。
「エル、いつでもLを辞めて良いからね」
「そうですね。ずっとLとして生きて行く必要は無いでしょう」
シキと、ワタリの言葉に私はゆっくりと首を振った。
「当分辞めるつもりはありませんよ。キラがいなくなった途端に、また大きな犯罪が増えていますしね」
ワタリがパソコンを操作して、いくつかのファイルを表示する。
「L、コイル、ドヌーヴの下に、すでに新たな依頼が入っておりますが……急を要するものは一件も有りませんよ。少しお休みになってはいかがです?」
「休息なら飛行機の中で取りましたから」
ワタリのパソコンを覗き込んで、舞い込んできた依頼を見るも、いまいち琴線に触れるものはない。
ふと、一通のメールが舞い込んできた。
ワタリが早速それを開く。それは駿河さんからのもので、イギリスのある土地の売買契約が無事済んだと知らせるものだった。
「おやおや、早速働いてくださっているのですね」
そう言いながらワタリがメールを読み上げる。
見覚えのあるその地番はワイミーズハウスと私たちの家を繋ぐ丘の番地だ。