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一晩、家族水入らずで過ごした私たちは、再び日本のキラ対策本部として建てたビルへと戻ってきていた。
すでに退院していたワタリが手を回したのだろう。復旧したセキュリティチェックを終えて、エレベーターに乗る。
歩きながら周りを見渡しても、ここに侵入者が入った形跡などは全く見受けられなかった。荒らされたはずのワタリの執務室もいつも通り片付けられている。
2人掛けのソファーにローテーブル。綺麗に盛り付けられた甘味。
「おかえりなさい」
穏やかなワタリの声が私たちを出迎えてくれる。
「「ただいま戻りました」」
ソファーに落ち着いた私たちに、コーヒーを淹れながらワタリが言う。
「おかげで、ゆっくり九条と話ができました。罪を償った後は、貧困地域の医療従事及び、砂漠の緑化活動に力を入れたいと言っていました」
「ワタリ、きちんと九条に伝えた?」
「ええ、どうあっても、まだ若い九条よりも私の方が先に死ぬでしょうから」
ワタリの不穏な言葉に何を言ったのかと続きを促す。
「九条は優しい子です。私がいずれは九条よりも先に死ぬことを恐れてくれている。あの子は、『私(ワタリ)がいない世界など……』そう言ってくれました。
でも、私はその世界を愛しています。九条の言う様に、人は時に傲慢で未熟で、どうしようも無い存在かもしれません。
ですが、この年寄りにはこれからの世界を生きる人が何よりの希望なのだと、そう告げて参りました」
これで宜しかったでしょうかシキ。
そう尋ねるワタリに頷いてシキはコーヒーに口を付けた。
「九条としっかりと話せたのならばそれで良いよ。ワイミーズのこどもたちは、ワイミーさんの事が何よりも好きなのを、ワタリも忘れずにね」
「ええ、ワイミーズの子どもたちは、手のかかる子どもたちばかりですからね。私もまだまだ頑張らなくてはなりませんね」
ニッコリと笑うワタリの皮肉もものともせずにシキは話題を変えた。
「頼んだものは出来上がりそう?」
「レムさんの残した砂で作った砂時計でしたら、先程弥海砂の元に届く様に手配して参りました。日本の警察からも幾つか報告が上がっております」
ワタリの報告によると、
夜神月は記憶を失っている間に、もし自分がキラだったら自らその能力を手放した上でLを利用して、再びキラの能力を手中に収める為の策を弄するとでは無いかと。
そう、考えた事があったと供述したようだ。
その時は、自らの疑いを強めることを言っても捜査が混乱するだけだと思って言わなかったとも。
また、死神やノートのルールなどに触れて、弥海砂がリュークの持つノートの持ち主となる事で、再び死神の目の取引をする事(もちろん弥海砂が私の名前を覚えていない事は織り込み済み)。
海砂の寿命が少ない事や、私たちが再び海砂を捕らえようと動き出すことを見たレムが、自らの命と引き換えに私たちを始末してくれる事を目論んでいたのでは無いかと考えられると、彼なりにキラだった自分を分析している様だ。
「随分、危険な綱渡りをしてましたね、私たち。シキの決断が無ければ、今頃私たちはみんな死んでいたのかも知れませんね」
「ビヨンドに感謝しないとね」
「絶対に嫌です。ビヨンドに感謝するぐらいならキャロライナ・リーパー(世界一辛い唐辛子)を食べる方がマシです」
言い合う私たちに、ワタリがケーキを出してきた。ケーキを口に頬張ると暫く喋れない。その一瞬の隙を突いてワタリが次の話題を振る。
「夜神月の処遇ですが、やはり監視をこちらに頼みたいと日本警察からの依頼です。どうやら扱いかねている様ですよ」
「今の月君なら心配無いと思いますが……」
ケーキは後、一口分。おかわりが欲しいところです。
「将来は刑事になりたかったんだよね……もうその夢は叶わないかもしれないね」
「そうですね。しかし、どうしましょうか」
「うーん、能力は高いからいずれは手足として働いて貰えたら助かるけど、……とりあえず農業でもさせてみる?」
すでに退院していたワタリが手を回したのだろう。復旧したセキュリティチェックを終えて、エレベーターに乗る。
歩きながら周りを見渡しても、ここに侵入者が入った形跡などは全く見受けられなかった。荒らされたはずのワタリの執務室もいつも通り片付けられている。
2人掛けのソファーにローテーブル。綺麗に盛り付けられた甘味。
「おかえりなさい」
穏やかなワタリの声が私たちを出迎えてくれる。
「「ただいま戻りました」」
ソファーに落ち着いた私たちに、コーヒーを淹れながらワタリが言う。
「おかげで、ゆっくり九条と話ができました。罪を償った後は、貧困地域の医療従事及び、砂漠の緑化活動に力を入れたいと言っていました」
「ワタリ、きちんと九条に伝えた?」
「ええ、どうあっても、まだ若い九条よりも私の方が先に死ぬでしょうから」
ワタリの不穏な言葉に何を言ったのかと続きを促す。
「九条は優しい子です。私がいずれは九条よりも先に死ぬことを恐れてくれている。あの子は、『私(ワタリ)がいない世界など……』そう言ってくれました。
でも、私はその世界を愛しています。九条の言う様に、人は時に傲慢で未熟で、どうしようも無い存在かもしれません。
ですが、この年寄りにはこれからの世界を生きる人が何よりの希望なのだと、そう告げて参りました」
これで宜しかったでしょうかシキ。
そう尋ねるワタリに頷いてシキはコーヒーに口を付けた。
「九条としっかりと話せたのならばそれで良いよ。ワイミーズのこどもたちは、ワイミーさんの事が何よりも好きなのを、ワタリも忘れずにね」
「ええ、ワイミーズの子どもたちは、手のかかる子どもたちばかりですからね。私もまだまだ頑張らなくてはなりませんね」
ニッコリと笑うワタリの皮肉もものともせずにシキは話題を変えた。
「頼んだものは出来上がりそう?」
「レムさんの残した砂で作った砂時計でしたら、先程弥海砂の元に届く様に手配して参りました。日本の警察からも幾つか報告が上がっております」
ワタリの報告によると、
夜神月は記憶を失っている間に、もし自分がキラだったら自らその能力を手放した上でLを利用して、再びキラの能力を手中に収める為の策を弄するとでは無いかと。
そう、考えた事があったと供述したようだ。
その時は、自らの疑いを強めることを言っても捜査が混乱するだけだと思って言わなかったとも。
また、死神やノートのルールなどに触れて、弥海砂がリュークの持つノートの持ち主となる事で、再び死神の目の取引をする事(もちろん弥海砂が私の名前を覚えていない事は織り込み済み)。
海砂の寿命が少ない事や、私たちが再び海砂を捕らえようと動き出すことを見たレムが、自らの命と引き換えに私たちを始末してくれる事を目論んでいたのでは無いかと考えられると、彼なりにキラだった自分を分析している様だ。
「随分、危険な綱渡りをしてましたね、私たち。シキの決断が無ければ、今頃私たちはみんな死んでいたのかも知れませんね」
「ビヨンドに感謝しないとね」
「絶対に嫌です。ビヨンドに感謝するぐらいならキャロライナ・リーパー(世界一辛い唐辛子)を食べる方がマシです」
言い合う私たちに、ワタリがケーキを出してきた。ケーキを口に頬張ると暫く喋れない。その一瞬の隙を突いてワタリが次の話題を振る。
「夜神月の処遇ですが、やはり監視をこちらに頼みたいと日本警察からの依頼です。どうやら扱いかねている様ですよ」
「今の月君なら心配無いと思いますが……」
ケーキは後、一口分。おかわりが欲しいところです。
「将来は刑事になりたかったんだよね……もうその夢は叶わないかもしれないね」
「そうですね。しかし、どうしましょうか」
「うーん、能力は高いからいずれは手足として働いて貰えたら助かるけど、……とりあえず農業でもさせてみる?」