運ばれて行く人々を見送って、最後に飛行機から降りた。
　全ての乗客乗務員は一旦病院へと運ばれる様だ。九条や的場も警察の手で病院へ向かうそうだ。真希さんや、真希さんの近くに居た九条、的場達はワタリが入院している病院へ向かうとの事。
　今度は揺らがない階段をシキと2人でゆっくりと降りた。boyを連れた松戸氏と駿河さんが待っている。
　3人が3人とも親指を突き出した拳を軽く掲げて見せる。私とシキはつい、顔を見合わせて笑った。
　boyがシキの方へ駆け寄って来た。優しく抱きとめたシキがboyの頭をゆっくりと撫でる。
「伝説のＬの指揮の元任務に当たれたことを、心からうれしくおもう」
駿河さんのその言葉にまたシキと顔を見合わせて笑った。
「今回は指揮なんてして無いですよ」
「指揮などしていません」
　私たちの声が同時に響く
「「ですが、駿河さん。貴方のことを信頼して良かった」」
　駿河さんは照れた様に笑った。
「駿河さん、もし良ければＬのスタッフとして働いて見ませんか？　FBIは首でしょう？」
シキの問いに、バレていたかと笑った駿河さん。
「ワタリもそろそ、楽をさせてあげないといけない年齢だから、駿河さんさえ良ければ」
「そうだな。とりあえず君たちを次の目的地まで連れて行くのは俺の仕事だな」
クレープ車の鍵をポケットから取り出して彼はそう答えた。
子供も乗るのに無免許運転などさせられないと、言いながら運転席へ向かう。

その後を追いかける様に、 boyと手を繋ぎ歩き出したシキが振り返って、静かに言った。

「あと、３日あるね」