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機内はすでにウイルスが蔓延している様だった。
念のためにと先に抗ウイルス薬を注射したのはシキだった。
真希さんの乗る飛行機を特定しながら自らに注射したシキは暫くしてから駿河さんと私にも抗ウイルス薬を注射した。
抗ウイルス薬の効果は絶大だった。九条や初音もすでにウイルスに侵されていて、呼吸は荒い。
「K、貴女のしようとしていることは間違っている。人類の数を減らして正しい生態系にしようなどと……それはテロと何ら変わりはない、ただの犯罪者のする事」
「いいえ、正義よ。唯一この世界を救える方法。それはもう、繁殖しすぎた人類を滅ぼすしか無いのよ!」
自らウイルスに侵されているKの表情はどこか恍惚としている。
「いいえ、誰にも人の命を奪う権利など有りません」
「ふふっ、もう遅いわ。この飛行機は飛んでウイルスは拡散する」
「いいえ」
私はポケットから抗ウイルス薬を取り出して掲げた。
「抗ウイルス薬です。これで全員助かります」
Kは必死になって叫ぶ
「させないわ!!!」
「それに……たとえ飛行機が飛んだとしても、この発信機の電磁波だけでこの機を墜落させる事が出来ます。
……そしてウイルスは海に落ち、自然の力で浄化される」
これ以上悪足掻きはさせません。
「チェックメイトです」
「ねえ、K。どんな人間でも生きていれば必ずやり直すチャンスが訪れる。それを奪う権利は私にも、貴女にも無い」
シキが崩れ落ちそうなKを支えて、抗ウイルス薬を腕に注射している。
すぐ隣の真希さんに同じく抗ウイルス薬を打ちながら、乗務員に残りを渡して、コックピットへ急いだ。
後ろからシキの声が聞こえる。
こんな状況でも、シキの声を聞き逃さない自分に僅かに苦笑する。
「ねえ、K。私は後3日で死ぬ、死神との契約でね。だからどうか、貴女は生きて。生きてワタリやエルの助けになってあげて。
失う事を恐れるのは、人として当然のこと。でもね、まだ失っていないのに恐怖に怯えて全てを台無しにしてしまうのは、聡明ない貴女らしく無いよ」
操縦席のブレーキを思いっきり踏み込む。焦ったいほどゆっくりと減速した機体が空港の2階のガラスにひび割れを作って止まった。
機内のざわめきに安堵の声が混じり始める。シキの元に戻ると、気を失った真希さんと九条をそれぞれ両腕に抱えていた。
念のためにと先に抗ウイルス薬を注射したのはシキだった。
真希さんの乗る飛行機を特定しながら自らに注射したシキは暫くしてから駿河さんと私にも抗ウイルス薬を注射した。
抗ウイルス薬の効果は絶大だった。九条や初音もすでにウイルスに侵されていて、呼吸は荒い。
「K、貴女のしようとしていることは間違っている。人類の数を減らして正しい生態系にしようなどと……それはテロと何ら変わりはない、ただの犯罪者のする事」
「いいえ、正義よ。唯一この世界を救える方法。それはもう、繁殖しすぎた人類を滅ぼすしか無いのよ!」
自らウイルスに侵されているKの表情はどこか恍惚としている。
「いいえ、誰にも人の命を奪う権利など有りません」
「ふふっ、もう遅いわ。この飛行機は飛んでウイルスは拡散する」
「いいえ」
私はポケットから抗ウイルス薬を取り出して掲げた。
「抗ウイルス薬です。これで全員助かります」
Kは必死になって叫ぶ
「させないわ!!!」
「それに……たとえ飛行機が飛んだとしても、この発信機の電磁波だけでこの機を墜落させる事が出来ます。
……そしてウイルスは海に落ち、自然の力で浄化される」
これ以上悪足掻きはさせません。
「チェックメイトです」
「ねえ、K。どんな人間でも生きていれば必ずやり直すチャンスが訪れる。それを奪う権利は私にも、貴女にも無い」
シキが崩れ落ちそうなKを支えて、抗ウイルス薬を腕に注射している。
すぐ隣の真希さんに同じく抗ウイルス薬を打ちながら、乗務員に残りを渡して、コックピットへ急いだ。
後ろからシキの声が聞こえる。
こんな状況でも、シキの声を聞き逃さない自分に僅かに苦笑する。
「ねえ、K。私は後3日で死ぬ、死神との契約でね。だからどうか、貴女は生きて。生きてワタリやエルの助けになってあげて。
失う事を恐れるのは、人として当然のこと。でもね、まだ失っていないのに恐怖に怯えて全てを台無しにしてしまうのは、聡明ない貴女らしく無いよ」
操縦席のブレーキを思いっきり踏み込む。焦ったいほどゆっくりと減速した機体が空港の2階のガラスにひび割れを作って止まった。
機内のざわめきに安堵の声が混じり始める。シキの元に戻ると、気を失った真希さんと九条をそれぞれ両腕に抱えていた。