桜
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三冊のノートは捜査本部を解体している最中にエルがアッサリと蝋燭に火を灯し燃やしてしまった。
大理石のテーブルに残る焦げ跡だけが唯一の痕跡だった。
夜神月は再びキラとしての記憶を失った。しかしながら、自らの自白の映像を見て、これからどう償うか、夜神さんと共に考えていくつもりだと、案外素直に認めた様だ。
夜神さんは警察を辞める心積りの様だった。
相沢さんと模木さんが中心となって事件の始末に当たるそうだ。松田さんは涙ながらに捜査本部を去って行った。手を握られ、Lと捜査出来て光栄でしたと、鼻水を流しながら告げる松田さんにエルが若干引いて居たのが可笑しかった。
11月25日
「ようやく、落ち着いた時間が取れました」
「そうだね。なんだかんだと最期まで、忙しかったけれど……」
久しぶりのワタリの紅茶を飲みながら、エルと甘いものを食べる。
「私たちらしくて、良かったと思ってる……
エル、私は幸せでしたよ……」
隣に座るエルに寄りかかりながら告げる。首を巡らせたエルの瞳が優しい眼差しを注ぐ。
「はい、私も」
優しい時間が流れる。そしてーー静かに別れを告げる音が響いた。
「ワタリ紅茶のおかわりをちょうだい」
「はい、エルも如何ですか?」
「では、わたしも…… シキ?」
それは本当に一瞬でした。シキの言葉にワタリも私も一瞬、ほんの一瞬だけシキから意識を逸らした。その瞬間に貴女は逝ってしまいました。
春の花の様に、美しいままに。一瞬で……
after 5 years
一冊の黒いノートがイギリスのとある孤児院の木陰に、音を立てて落ちてきた。
5年の歳月を経ても全く姿の変わらないエルがそれを拾い上げる。
「また暇つぶしですか? リュークさん」
黒い死神はニヤリと笑って青空に飛ぶ。
孤児院から続く緩やかな丘の上では満開の桜の花が咲いている。
その桜の花の下にある墓標に、桜の花びらが静かに降り積もっていた。
大理石のテーブルに残る焦げ跡だけが唯一の痕跡だった。
夜神月は再びキラとしての記憶を失った。しかしながら、自らの自白の映像を見て、これからどう償うか、夜神さんと共に考えていくつもりだと、案外素直に認めた様だ。
夜神さんは警察を辞める心積りの様だった。
相沢さんと模木さんが中心となって事件の始末に当たるそうだ。松田さんは涙ながらに捜査本部を去って行った。手を握られ、Lと捜査出来て光栄でしたと、鼻水を流しながら告げる松田さんにエルが若干引いて居たのが可笑しかった。
11月25日
「ようやく、落ち着いた時間が取れました」
「そうだね。なんだかんだと最期まで、忙しかったけれど……」
久しぶりのワタリの紅茶を飲みながら、エルと甘いものを食べる。
「私たちらしくて、良かったと思ってる……
エル、私は幸せでしたよ……」
隣に座るエルに寄りかかりながら告げる。首を巡らせたエルの瞳が優しい眼差しを注ぐ。
「はい、私も」
優しい時間が流れる。そしてーー静かに別れを告げる音が響いた。
「ワタリ紅茶のおかわりをちょうだい」
「はい、エルも如何ですか?」
「では、わたしも…… シキ?」
それは本当に一瞬でした。シキの言葉にワタリも私も一瞬、ほんの一瞬だけシキから意識を逸らした。その瞬間に貴女は逝ってしまいました。
春の花の様に、美しいままに。一瞬で……
after 5 years
一冊の黒いノートがイギリスのとある孤児院の木陰に、音を立てて落ちてきた。
5年の歳月を経ても全く姿の変わらないエルがそれを拾い上げる。
「また暇つぶしですか? リュークさん」
黒い死神はニヤリと笑って青空に飛ぶ。
孤児院から続く緩やかな丘の上では満開の桜の花が咲いている。
その桜の花の下にある墓標に、桜の花びらが静かに降り積もっていた。