𣜿葉
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私が初めてL、と出会った夏からーー5年。初めは私の方が高かった身長も、今は彼の方が高い。
冬は苦手だ、寒さのせいか、体調が思わしくない。そして、この状況も大変不本意だ。
「私シキさんの事が好きです。隠し事をされると悲しいです」
背後霊の様に、ピタリと後ろに陣取り、背が高くなった分開いた目線を、合わせるかの様に屈んだ彼が、後ろから覗き込んでくる。
まるで自分の部屋の様に、隣室である私の部屋に入り浸るL。
「何のこと?」
「私、分かっちゃいました。名探偵Lの正体」
「そう? どんな人なの?」
「シラをきりますか、シキさん、貴女です。
どこかおかしいと思ったんですよ。今度の放火事件。半年前の美術品窃盗事件。こんなに面白そうな事件なのに、何故名探偵Lは、興味を示さないのでしょう?
私でさえ、犯人の目星と、潜伏場所、どうすれば炙り出す事が出来るかなど、推理出来たのです。事件を追うのはどんな謎を解くより面白い。名探偵Lが、推理出来ていない筈はない」
蕩々と語りだすLに、少し反論をする。
「分からないよ? 興味無いだけかもしれないし、まだ推理出来ていないのかもしれないでしょう? それに、名探偵Lはもう歳で引退したのかも知れないしね」
「歳なんですか? シキさん。 済みません私と同じ歳なのは知ってます、怒らないでください」
L、例え十代でも、女性に歳の話はダメだよ。
「貴女は、頭が良くて優しい。そして、意外と行動力も有る。この5年ずっと見ていました。貴女の事と、名探偵Lの事を追いかけるのが、私の歩んできた道です」
とりあえず、L。座って話そうか。整えてあるベッドに腰掛けて、隣を叩くと素直に腰掛けるL。
それにしても、私の事と、名探偵Lを追いかけるのが、Lの歩んできた道って、もう少し別の道は無かったのだろうか。懐いてくれているのは、よく分かるけれど…
「Lの1番最初の事件、それは貴女と仲の良い近所の子供達が、二人犠牲になってますね。
それから、貴女が、約束の日にハウスに来なかったあの冬に解決した、通り魔事件。やはり貴女の家のメイドが被害に遭っています。
サンタマリア図書館の事件も、貴女と関係が有りますね。ローレンス家が、かなりの額を寄付して建てた図書館です。こうやって、細い糸を辿ると、どうしてもシキさん、貴女に辿り着くんです」
答え合わせを待つ様な、楽しげな視線に、ついに折れた。
「正解」
「何故匿名にしたんです? “L” はやはり、家門のローレンス家のLですか?」
矢継ぎ早に、尋ねるLに苦笑する。
「匿名にしたのは、当時5歳の子供の言うことを、世間が信用すると思わなかったから。匿名にしてしまえば、年齢や性別はわからないでしょ?
Lの字はね、ローレンス家のLでもあるの。あの字はローレンス家の公式文書に必ず押される印。
そしてね……当時まだ生きていた、私の家族はね、私の事をいつもこう呼んでいたの。little lady シキって」
今でも鮮明に思い出せる、優しげな呼び声。
「そうだ、L。貴方の名前の事。ワイミーさんから聞いたよ。
生まれてすぐ、親を亡くした貴方に。例え仮の名前として付けられた字であったとしても、貴方のお母様からの贈り物を、ワイミーさんは変える気にはなれなかったみたい。
L一字のファーストネームは、珍しいと言えば珍しいけどね。
多分、生まれたての貴方に贈られた、お母様からの最初で最後の贈り物。“ちっちゃな私の子”のLなんだと思うよ。だからエルは、Lの名前大切にしてあげてね」
「それより、良いんですか。名探偵シキさん。今度の放火事件。犯人捕まえなくて。犯行はまだまだ続きますよ。彼の復讐が達成されるまで」
全く、Lは、情緒が無い。
「うーん、今のところは、どうこうするつもりはないよ? というか、そこまで推理出来ているならLが捕まえて見たら? 名探偵さん」
わざとらしく挑発すると、少し考える様にして
「私なんかの言うことを、警察が聞いてくれる訳ないでしょう」
そう言って、あ!っと声を上げる。
「なるほど、匿名。それも身分等を一切明かさない徹底ぶり。……たしかに必要ですね。今警察は名探偵Lの言うことなら、100%信用していますもんね。実績も大事ですね」
ぶつぶつ呟きながら、何やらシュミレーションして居るLはなんだかおかしい。
「Lも、名探偵Lになって、この事件を解決してみたら?」
運良く? 彼の名前はLだ、Lの名前を使って警察を動かしても、そこに嘘は無い。警察が、そして世間が勘違いするだけだ。名探偵L=little ladyと、名探偵L=L・Lawlietを。
冬は苦手だ、寒さのせいか、体調が思わしくない。そして、この状況も大変不本意だ。
「私シキさんの事が好きです。隠し事をされると悲しいです」
背後霊の様に、ピタリと後ろに陣取り、背が高くなった分開いた目線を、合わせるかの様に屈んだ彼が、後ろから覗き込んでくる。
まるで自分の部屋の様に、隣室である私の部屋に入り浸るL。
「何のこと?」
「私、分かっちゃいました。名探偵Lの正体」
「そう? どんな人なの?」
「シラをきりますか、シキさん、貴女です。
どこかおかしいと思ったんですよ。今度の放火事件。半年前の美術品窃盗事件。こんなに面白そうな事件なのに、何故名探偵Lは、興味を示さないのでしょう?
私でさえ、犯人の目星と、潜伏場所、どうすれば炙り出す事が出来るかなど、推理出来たのです。事件を追うのはどんな謎を解くより面白い。名探偵Lが、推理出来ていない筈はない」
蕩々と語りだすLに、少し反論をする。
「分からないよ? 興味無いだけかもしれないし、まだ推理出来ていないのかもしれないでしょう? それに、名探偵Lはもう歳で引退したのかも知れないしね」
「歳なんですか? シキさん。 済みません私と同じ歳なのは知ってます、怒らないでください」
L、例え十代でも、女性に歳の話はダメだよ。
「貴女は、頭が良くて優しい。そして、意外と行動力も有る。この5年ずっと見ていました。貴女の事と、名探偵Lの事を追いかけるのが、私の歩んできた道です」
とりあえず、L。座って話そうか。整えてあるベッドに腰掛けて、隣を叩くと素直に腰掛けるL。
それにしても、私の事と、名探偵Lを追いかけるのが、Lの歩んできた道って、もう少し別の道は無かったのだろうか。懐いてくれているのは、よく分かるけれど…
「Lの1番最初の事件、それは貴女と仲の良い近所の子供達が、二人犠牲になってますね。
それから、貴女が、約束の日にハウスに来なかったあの冬に解決した、通り魔事件。やはり貴女の家のメイドが被害に遭っています。
サンタマリア図書館の事件も、貴女と関係が有りますね。ローレンス家が、かなりの額を寄付して建てた図書館です。こうやって、細い糸を辿ると、どうしてもシキさん、貴女に辿り着くんです」
答え合わせを待つ様な、楽しげな視線に、ついに折れた。
「正解」
「何故匿名にしたんです? “L” はやはり、家門のローレンス家のLですか?」
矢継ぎ早に、尋ねるLに苦笑する。
「匿名にしたのは、当時5歳の子供の言うことを、世間が信用すると思わなかったから。匿名にしてしまえば、年齢や性別はわからないでしょ?
Lの字はね、ローレンス家のLでもあるの。あの字はローレンス家の公式文書に必ず押される印。
そしてね……当時まだ生きていた、私の家族はね、私の事をいつもこう呼んでいたの。little lady シキって」
今でも鮮明に思い出せる、優しげな呼び声。
「そうだ、L。貴方の名前の事。ワイミーさんから聞いたよ。
生まれてすぐ、親を亡くした貴方に。例え仮の名前として付けられた字であったとしても、貴方のお母様からの贈り物を、ワイミーさんは変える気にはなれなかったみたい。
L一字のファーストネームは、珍しいと言えば珍しいけどね。
多分、生まれたての貴方に贈られた、お母様からの最初で最後の贈り物。“ちっちゃな私の子”のLなんだと思うよ。だからエルは、Lの名前大切にしてあげてね」
「それより、良いんですか。名探偵シキさん。今度の放火事件。犯人捕まえなくて。犯行はまだまだ続きますよ。彼の復讐が達成されるまで」
全く、Lは、情緒が無い。
「うーん、今のところは、どうこうするつもりはないよ? というか、そこまで推理出来ているならLが捕まえて見たら? 名探偵さん」
わざとらしく挑発すると、少し考える様にして
「私なんかの言うことを、警察が聞いてくれる訳ないでしょう」
そう言って、あ!っと声を上げる。
「なるほど、匿名。それも身分等を一切明かさない徹底ぶり。……たしかに必要ですね。今警察は名探偵Lの言うことなら、100%信用していますもんね。実績も大事ですね」
ぶつぶつ呟きながら、何やらシュミレーションして居るLはなんだかおかしい。
「Lも、名探偵Lになって、この事件を解決してみたら?」
運良く? 彼の名前はLだ、Lの名前を使って警察を動かしても、そこに嘘は無い。警察が、そして世間が勘違いするだけだ。名探偵L=little ladyと、名探偵L=L・Lawlietを。