桜
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11月4日午前9時
3冊のDEATHNOTE と、黒い死神を連れてエルと共に捜査本部の扉を開けた。
さあ、最後の一勝負だ。
「竜崎! また新たなキラが現れた」
口々に言う捜査員を宥めて、エルはケロリとフェイクニュースだと告げる。
「残念ですが、月君。海砂さんは第二のキラに戻っていません。皆さんこれに触って下さい」
リュークが憑いている方のDEATHNOTEを差し出すエル。
触った捜査員達が、レムを初めて見た時の様に悲鳴を上げる。
「これは2冊目のノートです。キラが使い火口へ渡った1冊目のノート、そして、こちらが第二のキラが使用し、キラによって隠されていたノート。キラは月君。第二のキラは弥海砂」
淡々とつげるエルに、呆然としたままの捜査員。
「僕はキラじゃない。13日ルールが、僕と海砂の無実を証明してくれている。竜崎だってそう言っただろ!」
私は手袋をはめて、手元に持っていた黒いビニール袋の中から、証拠の品を取り出して、テーブルに並べて行く。
「まだ、鑑識に回していないので素手で触れない様にお願いします。
まず、都内の山中で発見された2冊目のDEATHNOTEと一緒に入っていた手紙。筆跡は鑑定にかけなくとも夜神月のもので間違いなさそう。内容はご覧の通り」
「ちがう、僕はこんなもの知らない。嵌められたんだ!」
テーブルの上の証拠品に手を出そうとした夜神月を相沢さんが止めた。
「「二つ目の証拠です」」
エルと私の声が重なる。エルは相沢さんに押さえられた夜神月の腕から腕時計を外して掲げた。
同時に、火口逮捕時の監視カメラの映像をモニターに流す。
時計をいじっていたエルが、腕時計の中から小さな紙片と針を取り出してテーブル落とす。
「まさか、月くん……本当に?」
松田さんが、モニターに映る夜神月を見て震える声で問う。
夜神月は答えない。
「まだ有りますよ」
「間木さん。こちらへ来れますか?」
南空さんの携帯へ連絡を入れると、すぐに姿を見せてくれた。
「こちら、間木照子さん。殺されたFBI捜査官のレイ・ペンバー氏の恋人です。
間木さん証言して貰っても?」
夜神月は未だに表情を変えず沈黙している。
「レイはバスジャックに会った時、FBIのIDを見せたそうですーーそれも、尾行対象者に。そして今年の1月1日。キラは、警察庁に居た私に声をかけてきた。これがその時の録音です」
ピッと音を立てて再生される会話。周りの雑音により聞き取り難いところもあるが、夜神月が「キラだから」と言っている部分はハッキリと聞こえた。
「どうですか? 月君。まだキラでないと、言い張りますか?」
「そうだ、僕がキラだ。確実に殺せたと思ったんだが、二重に偽名を用意してたとは流石だなL。間木照子も偽名なんだろう?」
顔を上げて話し出した夜神月は、薄く微笑みながら南空ナオミを見つめる。
「残念ながら、それは間木さんの機転かな?」
南空ナオミに笑いかけると、彼女も艶やかに笑った。
「流石です。間木さん、FBIを退職したと聞きましたが、まだまだいけますね……」
便乗してエルも褒め称える。南空ナオミはまた艶やかに微笑んだ。
「そんな……Lの指示じゃない?」
夜神月の小さな呟きを拾った南空ナオミは、ツカツカと夜神月に近寄ると、その顔を覗き込んでさらに艶然と笑って見せた。
「たかが、元FBIの策にハマったのが信じられないようね。キラと崇められて奢って居たのでは無くって?」
「ーーそうかも知れない。
だか僕は間違って居ない。
現にキラが現れてから犯罪率は低下し世間は平和になった。ここでキラが消えればまた世の中は犯罪が蔓延り、善良な人々が涙を流す事になる。いいか、よく考えるんだ。キラを、僕を捕らえるという事がどういう事なのか。キラは既に世界の希望なんだ!」
政治家もこう有りたいと言うような、自信に満ちた宣言に、捜査員達はなんとも言えない顔をした。
エルが静かに答える。
「そんな事は有りません。キラは唯の人殺しです」
「まだそんな事を言っているのか? それとも、今度はお前が僕に代わって犯罪者を裁くか?」
苛立つように叫ぶ夜神月に、相沢さんが手錠をかけた。
3冊のDEATHNOTE と、黒い死神を連れてエルと共に捜査本部の扉を開けた。
さあ、最後の一勝負だ。
「竜崎! また新たなキラが現れた」
口々に言う捜査員を宥めて、エルはケロリとフェイクニュースだと告げる。
「残念ですが、月君。海砂さんは第二のキラに戻っていません。皆さんこれに触って下さい」
リュークが憑いている方のDEATHNOTEを差し出すエル。
触った捜査員達が、レムを初めて見た時の様に悲鳴を上げる。
「これは2冊目のノートです。キラが使い火口へ渡った1冊目のノート、そして、こちらが第二のキラが使用し、キラによって隠されていたノート。キラは月君。第二のキラは弥海砂」
淡々とつげるエルに、呆然としたままの捜査員。
「僕はキラじゃない。13日ルールが、僕と海砂の無実を証明してくれている。竜崎だってそう言っただろ!」
私は手袋をはめて、手元に持っていた黒いビニール袋の中から、証拠の品を取り出して、テーブルに並べて行く。
「まだ、鑑識に回していないので素手で触れない様にお願いします。
まず、都内の山中で発見された2冊目のDEATHNOTEと一緒に入っていた手紙。筆跡は鑑定にかけなくとも夜神月のもので間違いなさそう。内容はご覧の通り」
「ちがう、僕はこんなもの知らない。嵌められたんだ!」
テーブルの上の証拠品に手を出そうとした夜神月を相沢さんが止めた。
「「二つ目の証拠です」」
エルと私の声が重なる。エルは相沢さんに押さえられた夜神月の腕から腕時計を外して掲げた。
同時に、火口逮捕時の監視カメラの映像をモニターに流す。
時計をいじっていたエルが、腕時計の中から小さな紙片と針を取り出してテーブル落とす。
「まさか、月くん……本当に?」
松田さんが、モニターに映る夜神月を見て震える声で問う。
夜神月は答えない。
「まだ有りますよ」
「間木さん。こちらへ来れますか?」
南空さんの携帯へ連絡を入れると、すぐに姿を見せてくれた。
「こちら、間木照子さん。殺されたFBI捜査官のレイ・ペンバー氏の恋人です。
間木さん証言して貰っても?」
夜神月は未だに表情を変えず沈黙している。
「レイはバスジャックに会った時、FBIのIDを見せたそうですーーそれも、尾行対象者に。そして今年の1月1日。キラは、警察庁に居た私に声をかけてきた。これがその時の録音です」
ピッと音を立てて再生される会話。周りの雑音により聞き取り難いところもあるが、夜神月が「キラだから」と言っている部分はハッキリと聞こえた。
「どうですか? 月君。まだキラでないと、言い張りますか?」
「そうだ、僕がキラだ。確実に殺せたと思ったんだが、二重に偽名を用意してたとは流石だなL。間木照子も偽名なんだろう?」
顔を上げて話し出した夜神月は、薄く微笑みながら南空ナオミを見つめる。
「残念ながら、それは間木さんの機転かな?」
南空ナオミに笑いかけると、彼女も艶やかに笑った。
「流石です。間木さん、FBIを退職したと聞きましたが、まだまだいけますね……」
便乗してエルも褒め称える。南空ナオミはまた艶やかに微笑んだ。
「そんな……Lの指示じゃない?」
夜神月の小さな呟きを拾った南空ナオミは、ツカツカと夜神月に近寄ると、その顔を覗き込んでさらに艶然と笑って見せた。
「たかが、元FBIの策にハマったのが信じられないようね。キラと崇められて奢って居たのでは無くって?」
「ーーそうかも知れない。
だか僕は間違って居ない。
現にキラが現れてから犯罪率は低下し世間は平和になった。ここでキラが消えればまた世の中は犯罪が蔓延り、善良な人々が涙を流す事になる。いいか、よく考えるんだ。キラを、僕を捕らえるという事がどういう事なのか。キラは既に世界の希望なんだ!」
政治家もこう有りたいと言うような、自信に満ちた宣言に、捜査員達はなんとも言えない顔をした。
エルが静かに答える。
「そんな事は有りません。キラは唯の人殺しです」
「まだそんな事を言っているのか? それとも、今度はお前が僕に代わって犯罪者を裁くか?」
苛立つように叫ぶ夜神月に、相沢さんが手錠をかけた。