鬼灯
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さくらTVのキラ特番に松田さんを出演させる。
TV画面は磨りガラスの向こうに人影が二つ見えている。
夜神月が、Lのフリをして南奈川に連絡を入れた。後は事態が転がるのを待つだけだ。
さくらTVの映像と同時に火口の家など至る所に設置した監視カメラの映像を見る。
南奈川からの電話を受けた火口はテレビを付けたのだろう。海砂の携帯に着信が入る。
直ぐ隣で聞こえる着信音は、やがてじれたかの様にふつりと止んだ。
やがて、模木さんの所にも電話が入り、模木さんからも情報を得られなかった火口は、吉田プロダクションの社長にまで電話をかけはじめた。
火口は、余裕がなくなってきている。
「全く筋書き通りで怖いぐらいだな」
夜神月の独り言に、エルが返す。
「怖がらず喜びましょう」
家を飛び出した火口をウェディが追う。
車の中でもテレビを見ていた火口が話しはじめた。
「レム……どう思う」
無線か独り言かと訝しがる夜神月に無線は無いと説明するエル。
まるで見えないものとの会話の様な火口の話ぶり。
「やはり、独り言とは思えない。レムって誰だ? 誰と話している?」
もしあそこで会話をしているのなら。
「「死神……ですかね」」
エルと言葉が被る。目線だけの会話で頷き合う。そう、死神は隠語や殺しの能力の事では無く、実際に居ると仮定した方が筋道は通るのだ。
何せ死神はりんごを食べるらしい。
吉田プロダクションに入り松田さんの偽の履歴書を見た火口はノートにメモを取って、履歴書を戻し車へと向かった。案外冷静なのか……
もう少し焦らせた方が良かっただろうか。
模木さんから、いつでも確保できると連絡が入るが、私とエルはもう少し待つ様に伝えた。
車内に戻った火口は再びテレビを確認して、死なない! と声を上げている。つまり、彼が履歴書を見てから今までの間にキラの殺しの方法が有った……そう考えて良いだろう。
「竜崎、少し離れます」
エルの返事を待たずに、自室へとつながるエレベーターに駆け込む。彼らはこの後ヘリを使い火口に接近するだろう。ワタリと南空ナオミに用意してもらった物を手に取るとまたエレベーターに乗り屋上へ出る。
夜神月には内密にヘリの中に仕掛けてある監視カメラ。エルも私も、夜神月がキラに戻るのは現在のキラ、火口を捕らえる時だと考えている。
何故ならば、火口キラを追い捕らえる瞬間が1番エルの意識を逸らしやすいからだ。
ヘリの中に仕掛けたカメラの位置を調整して、彼らがヘリに乗り込んだ時手元が映る様にする。
そして、ポケットの中のワタリ特製品を確かめる様に触り、エレベーターへと駆け戻った。
僅かに走っただけなのに、肺は悲鳴を上げて息が苦しい。捜査本部の扉を開く前に一呼吸して、身体を落ち着かせる。
「皆さん、火口をこれ以上動かせるのは危険と考え『殺し方』はまだはっきりと判明できていませんが、証拠は持っていると判断し、火口の確保に移ります。しかし火口は第二のキラ同様顔だけで殺せるキラになったその考えの元での確保です」
本部の扉を開けた瞬間にエルが高々と宣言する。
各方面に指示を出しながら弥海砂に手錠をかけ、椅子に雁字搦めにするエルに近づいて、その腕をとる。
「竜崎と月君の手錠もワイヤー製のものに変えましょう。ヘリの操縦に邪魔になると良く無いし」
ポケットに入れてあったワタリ特製の手錠を取り出して、エルと月君に付け替える。
「シキ、私の方手錠の鍵が付いたままです」
器用に左手で鍵を閉め直して差し出すエルに、月君が笑う。
「シキさんだって、緊張しているんだろ。これからキラが捕まるんだし。
それにしても、さっきはこれを取りに駆け出して行ったのか……でも、ありがとう。鎖のものより負担も少ないし助かる」
にっこりと笑って礼を言う月君を引っ張る様にしてエルが出口に向かう。
「ではシキ、後は頼みました」
TV画面は磨りガラスの向こうに人影が二つ見えている。
夜神月が、Lのフリをして南奈川に連絡を入れた。後は事態が転がるのを待つだけだ。
さくらTVの映像と同時に火口の家など至る所に設置した監視カメラの映像を見る。
南奈川からの電話を受けた火口はテレビを付けたのだろう。海砂の携帯に着信が入る。
直ぐ隣で聞こえる着信音は、やがてじれたかの様にふつりと止んだ。
やがて、模木さんの所にも電話が入り、模木さんからも情報を得られなかった火口は、吉田プロダクションの社長にまで電話をかけはじめた。
火口は、余裕がなくなってきている。
「全く筋書き通りで怖いぐらいだな」
夜神月の独り言に、エルが返す。
「怖がらず喜びましょう」
家を飛び出した火口をウェディが追う。
車の中でもテレビを見ていた火口が話しはじめた。
「レム……どう思う」
無線か独り言かと訝しがる夜神月に無線は無いと説明するエル。
まるで見えないものとの会話の様な火口の話ぶり。
「やはり、独り言とは思えない。レムって誰だ? 誰と話している?」
もしあそこで会話をしているのなら。
「「死神……ですかね」」
エルと言葉が被る。目線だけの会話で頷き合う。そう、死神は隠語や殺しの能力の事では無く、実際に居ると仮定した方が筋道は通るのだ。
何せ死神はりんごを食べるらしい。
吉田プロダクションに入り松田さんの偽の履歴書を見た火口はノートにメモを取って、履歴書を戻し車へと向かった。案外冷静なのか……
もう少し焦らせた方が良かっただろうか。
模木さんから、いつでも確保できると連絡が入るが、私とエルはもう少し待つ様に伝えた。
車内に戻った火口は再びテレビを確認して、死なない! と声を上げている。つまり、彼が履歴書を見てから今までの間にキラの殺しの方法が有った……そう考えて良いだろう。
「竜崎、少し離れます」
エルの返事を待たずに、自室へとつながるエレベーターに駆け込む。彼らはこの後ヘリを使い火口に接近するだろう。ワタリと南空ナオミに用意してもらった物を手に取るとまたエレベーターに乗り屋上へ出る。
夜神月には内密にヘリの中に仕掛けてある監視カメラ。エルも私も、夜神月がキラに戻るのは現在のキラ、火口を捕らえる時だと考えている。
何故ならば、火口キラを追い捕らえる瞬間が1番エルの意識を逸らしやすいからだ。
ヘリの中に仕掛けたカメラの位置を調整して、彼らがヘリに乗り込んだ時手元が映る様にする。
そして、ポケットの中のワタリ特製品を確かめる様に触り、エレベーターへと駆け戻った。
僅かに走っただけなのに、肺は悲鳴を上げて息が苦しい。捜査本部の扉を開く前に一呼吸して、身体を落ち着かせる。
「皆さん、火口をこれ以上動かせるのは危険と考え『殺し方』はまだはっきりと判明できていませんが、証拠は持っていると判断し、火口の確保に移ります。しかし火口は第二のキラ同様顔だけで殺せるキラになったその考えの元での確保です」
本部の扉を開けた瞬間にエルが高々と宣言する。
各方面に指示を出しながら弥海砂に手錠をかけ、椅子に雁字搦めにするエルに近づいて、その腕をとる。
「竜崎と月君の手錠もワイヤー製のものに変えましょう。ヘリの操縦に邪魔になると良く無いし」
ポケットに入れてあったワタリ特製の手錠を取り出して、エルと月君に付け替える。
「シキ、私の方手錠の鍵が付いたままです」
器用に左手で鍵を閉め直して差し出すエルに、月君が笑う。
「シキさんだって、緊張しているんだろ。これからキラが捕まるんだし。
それにしても、さっきはこれを取りに駆け出して行ったのか……でも、ありがとう。鎖のものより負担も少ないし助かる」
にっこりと笑って礼を言う月君を引っ張る様にしてエルが出口に向かう。
「ではシキ、後は頼みました」