鬼灯
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「シキ、怪我はありませんでしたか」
「シキさん、巻き込んでごめん! 大丈夫?」
怪我の手当を海砂と始めると、エルと月君が同時に聞いてくる。
案外気の合う2人である。
「竜崎が守ってくれたから大丈夫だよ」
殴り合った拳や殴られた後の顔面の傷よりも、引っ張られて擦れた手錠による擦過傷の方が酷かった。簡単に手当を終えて、エルの服の袖を元に戻す。
「あまり引っ張らない様にね。跡になるから」
そう告げると同時に頷く2人。やっぱりなんだかんだ言って息は合う様だ。彼がキラであるのが残念で仕方がない。
キラの記憶を失っている今の彼は、好ましく感じる。きっとエルの良い理解者になっただろう。
9月に入った頃から、日常的に目眩に襲われる様になった。熱を出す日も多い。
エルは気がついているけれど、月君と手錠で繋がっている以上何も言えないでいる。ただ、たまに不意打ちで釘を刺しには来るけれど……
「竜崎、月君の手錠しばらく預かるから」
ジャラリと音を立てて、エルの手から手錠を外す。
「いつもの部屋に用意してあるから」
手錠生活になって、困ったのが一緒に子供達との通信ができない事だ。
頷いたエルは、月君に休憩を促して捜査本部を出てゆく。向かうのはワタリの部屋だ。ワタリの部屋は捜査員にも明かしていない。
私のプライベートルームと言うか、あてがわれている階からワタリのいる階への直通の階段か、普段みんなが使うのとは別口の入り口からしか向かう事は出来ない。
なのでエルはまず私のプライベートルームの方へと向かう。
暫くして少しだけ表情の柔らかいエルが戻ってくる。時計を確認すると45分も経っていた。
「シキ、貴女とも話したがっていましたよ。そのままにしてあるので行ってください」
エルに手錠を渡すと、そう告げてくる。
「前にもあったよな、何の連絡なんだ?」
コーヒーを飲みながら何気なく聞く月君。
「あ、いや、言えない事なら良いんだ」
「最重要機密なので言えませんが、シキは人気者なので彼方此方から話がしたいと声がかかるのですよ」
何の自慢だ? などと苦笑いで言う月君が、待たせると悪いなと言って送り出してくれる。
自室へ戻り、ワタリの階までの階段を登るも、今の体調では中々にキツい。
「シキ」
ワタリが困った様に手を貸してくれる。
「連絡は明日の同じ時間に入ります。今日は私と一日デートに出かけましょう」
とてもデートなどと言う気分にはなれない。
けれどもにこやかに笑うワタリは既に用意を済ませて、出口の前で佇んでいる。
仕方なくワタリについて外へと出る。
「多少移動に時間がかかりますから」
車に乗り込むと手渡された酔い止め。普段は全く使わないけれど、今日はありがたくもらう。
「ところでどこに行くの?」
「着くまでは秘密だそうです。エルが手配して居ましたので私も詳しくは」
困った様に言うワタリにそれ以上の追求は出来ない。
薬が効いて来たのだろうすぐに眠くなってくる。
「着いたら起こしてね」
「シキさん、巻き込んでごめん! 大丈夫?」
怪我の手当を海砂と始めると、エルと月君が同時に聞いてくる。
案外気の合う2人である。
「竜崎が守ってくれたから大丈夫だよ」
殴り合った拳や殴られた後の顔面の傷よりも、引っ張られて擦れた手錠による擦過傷の方が酷かった。簡単に手当を終えて、エルの服の袖を元に戻す。
「あまり引っ張らない様にね。跡になるから」
そう告げると同時に頷く2人。やっぱりなんだかんだ言って息は合う様だ。彼がキラであるのが残念で仕方がない。
キラの記憶を失っている今の彼は、好ましく感じる。きっとエルの良い理解者になっただろう。
9月に入った頃から、日常的に目眩に襲われる様になった。熱を出す日も多い。
エルは気がついているけれど、月君と手錠で繋がっている以上何も言えないでいる。ただ、たまに不意打ちで釘を刺しには来るけれど……
「竜崎、月君の手錠しばらく預かるから」
ジャラリと音を立てて、エルの手から手錠を外す。
「いつもの部屋に用意してあるから」
手錠生活になって、困ったのが一緒に子供達との通信ができない事だ。
頷いたエルは、月君に休憩を促して捜査本部を出てゆく。向かうのはワタリの部屋だ。ワタリの部屋は捜査員にも明かしていない。
私のプライベートルームと言うか、あてがわれている階からワタリのいる階への直通の階段か、普段みんなが使うのとは別口の入り口からしか向かう事は出来ない。
なのでエルはまず私のプライベートルームの方へと向かう。
暫くして少しだけ表情の柔らかいエルが戻ってくる。時計を確認すると45分も経っていた。
「シキ、貴女とも話したがっていましたよ。そのままにしてあるので行ってください」
エルに手錠を渡すと、そう告げてくる。
「前にもあったよな、何の連絡なんだ?」
コーヒーを飲みながら何気なく聞く月君。
「あ、いや、言えない事なら良いんだ」
「最重要機密なので言えませんが、シキは人気者なので彼方此方から話がしたいと声がかかるのですよ」
何の自慢だ? などと苦笑いで言う月君が、待たせると悪いなと言って送り出してくれる。
自室へ戻り、ワタリの階までの階段を登るも、今の体調では中々にキツい。
「シキ」
ワタリが困った様に手を貸してくれる。
「連絡は明日の同じ時間に入ります。今日は私と一日デートに出かけましょう」
とてもデートなどと言う気分にはなれない。
けれどもにこやかに笑うワタリは既に用意を済ませて、出口の前で佇んでいる。
仕方なくワタリについて外へと出る。
「多少移動に時間がかかりますから」
車に乗り込むと手渡された酔い止め。普段は全く使わないけれど、今日はありがたくもらう。
「ところでどこに行くの?」
「着くまでは秘密だそうです。エルが手配して居ましたので私も詳しくは」
困った様に言うワタリにそれ以上の追求は出来ない。
薬が効いて来たのだろうすぐに眠くなってくる。
「着いたら起こしてね」