節黒仙翁
あなたのお名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜神月とテニスをする予定のエルにラケットを持たせて送り出してから随分経つ。救急搬送されていく夜神さんを見つつ、散らばった資料を拾い上げた。
「ワタリ、竜崎に連絡を。捜査員の皆さんはこちらに1人、警察の方の本部に1人を残せば、好きにしてもらって構いません」
「嫌に冷静だな」
相沢さんが睨むように言う。
「夜神さんは多分助かります。キラによる殺人の可能性は低いですから。この所顔色も悪かったので、精神的にも疲労が激しいようですし」
「はーシキさん、まるで竜崎みたいですよ」
惚けたように言う松田さん。
「私の事雑用係が何かと勘違いされてませんか? 一応わたしもLのスタッフですよ?」
「え、あっ」
慌てる松田さんと相沢さん。気まずそうな顔をする模木さん。
キラが警戒すべき人が、エルに集中しない為にも、捜査本部の雑用係と思われているのは訂正した方が良いだろう。エルの思惑としては、私を雑用係程度で留めて置きたいのだろうけど。
「……病院行かなくて良いんですか? 夜神さんのご家族にも連絡をして差し上げなければならないのでは?」
「シキさん?」
訝しげな捜査員達の視線を振り切り、いつもエルが座っている椅子に悠然と座り、散乱していた資料をまとめ直した。
「どうしました? 動いて下さい」
遠ざかる救急車の音が段々消えていく。ようやく背後でバタバタと動く音が聞こえる。
モニターをLのスクリーンセイバーに変えて、思考に耽る。夜神月は捜査に協力するだろう。最も、夜神さんの復帰に合わせて……にはなるだろうけど。
揺さぶりを掛けるのに有効な手は無いか思案する。
しばらくしてエルが帰ってきた。エルの椅子に座ったまま動かない私をジーッと見つめているのが見なくてもわかる。
「おかえりなさい、竜崎。お茶を淹れようか? ケーキもあるけど」
椅子に座ったまま声をかけると、ペタペタと歩いてきて、背後から顔を覗かせる。
「何を考えていました? シキ」
「うん? やっとこれで噂の月君に会えるなーと」
「……そうですか、別件ですが話があります。プライベートルームで待っていて下さい。あ、お茶とケーキの用意もお願いします」
椅子から立ち上がり、エルの言う通りお茶とケーキの用意をして捜査室から出る。
エルは今日は早々に、捜査員を帰宅させるようだ。
捜査員の健康チェックまで、していかなければならない事実に今頃溜息をついているだろう。
「今日の夕方、夜神さんの病院からの帰宅途中にハウスから連絡がありました。子供達は益々やりたい放題やっているそうです。楽しそうでしたよ」
角砂糖をざらざらと入れた紅茶を飲みながら、表情を緩めるエル。
「貴女と桜の花見をしたのだと告げたら、自分たちも見たいと騒いでいました」
「じゃあ、エルが言っていたようにあの丘を買い取って、桜の木でも植えようか。桜だけじゃ無くて、椎とか色々植えればハウスの子供達も喜ぶよ」
どんぐりや松ぼっくり。どんなに天才的な教育を受けていてもまだ子供。そう言った物で喜ぶものだ。
「良いですね。あの家の書斎から、花見ができますね」
笑ったエルに同じように微笑む。
「既に伝えたと思いますが、夜神月をここに呼びます。捜査の協力という名目で」
「はい」
「分かっていても、それしか道は残されていないとしても、気持ちの良いものでは有りません」
早くキラを捕まえて、こんな捜査本部解散させたいです。
息を吐くように言うエルに、同意する。
でもね、エル。きっとこれはエルにとっては良い経験になると思うから……
だから私はエルを止めない。
思うままに、やって見るのがいいと思う。
「ワタリ、竜崎に連絡を。捜査員の皆さんはこちらに1人、警察の方の本部に1人を残せば、好きにしてもらって構いません」
「嫌に冷静だな」
相沢さんが睨むように言う。
「夜神さんは多分助かります。キラによる殺人の可能性は低いですから。この所顔色も悪かったので、精神的にも疲労が激しいようですし」
「はーシキさん、まるで竜崎みたいですよ」
惚けたように言う松田さん。
「私の事雑用係が何かと勘違いされてませんか? 一応わたしもLのスタッフですよ?」
「え、あっ」
慌てる松田さんと相沢さん。気まずそうな顔をする模木さん。
キラが警戒すべき人が、エルに集中しない為にも、捜査本部の雑用係と思われているのは訂正した方が良いだろう。エルの思惑としては、私を雑用係程度で留めて置きたいのだろうけど。
「……病院行かなくて良いんですか? 夜神さんのご家族にも連絡をして差し上げなければならないのでは?」
「シキさん?」
訝しげな捜査員達の視線を振り切り、いつもエルが座っている椅子に悠然と座り、散乱していた資料をまとめ直した。
「どうしました? 動いて下さい」
遠ざかる救急車の音が段々消えていく。ようやく背後でバタバタと動く音が聞こえる。
モニターをLのスクリーンセイバーに変えて、思考に耽る。夜神月は捜査に協力するだろう。最も、夜神さんの復帰に合わせて……にはなるだろうけど。
揺さぶりを掛けるのに有効な手は無いか思案する。
しばらくしてエルが帰ってきた。エルの椅子に座ったまま動かない私をジーッと見つめているのが見なくてもわかる。
「おかえりなさい、竜崎。お茶を淹れようか? ケーキもあるけど」
椅子に座ったまま声をかけると、ペタペタと歩いてきて、背後から顔を覗かせる。
「何を考えていました? シキ」
「うん? やっとこれで噂の月君に会えるなーと」
「……そうですか、別件ですが話があります。プライベートルームで待っていて下さい。あ、お茶とケーキの用意もお願いします」
椅子から立ち上がり、エルの言う通りお茶とケーキの用意をして捜査室から出る。
エルは今日は早々に、捜査員を帰宅させるようだ。
捜査員の健康チェックまで、していかなければならない事実に今頃溜息をついているだろう。
「今日の夕方、夜神さんの病院からの帰宅途中にハウスから連絡がありました。子供達は益々やりたい放題やっているそうです。楽しそうでしたよ」
角砂糖をざらざらと入れた紅茶を飲みながら、表情を緩めるエル。
「貴女と桜の花見をしたのだと告げたら、自分たちも見たいと騒いでいました」
「じゃあ、エルが言っていたようにあの丘を買い取って、桜の木でも植えようか。桜だけじゃ無くて、椎とか色々植えればハウスの子供達も喜ぶよ」
どんぐりや松ぼっくり。どんなに天才的な教育を受けていてもまだ子供。そう言った物で喜ぶものだ。
「良いですね。あの家の書斎から、花見ができますね」
笑ったエルに同じように微笑む。
「既に伝えたと思いますが、夜神月をここに呼びます。捜査の協力という名目で」
「はい」
「分かっていても、それしか道は残されていないとしても、気持ちの良いものでは有りません」
早くキラを捕まえて、こんな捜査本部解散させたいです。
息を吐くように言うエルに、同意する。
でもね、エル。きっとこれはエルにとっては良い経験になると思うから……
だから私はエルを止めない。
思うままに、やって見るのがいいと思う。