マリーゴールド
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「あのゴミ回収出来ないかなあ」
「残念ながら手遅れでしょうね」
まあ、権力使えば不可能では無いけれど、夜神さん達とまた揉めるだろうし諦めるか……
「初めからゴミも回収したいと申し出ておくべきでしたね」
淡々とエルが言う。また少し目の下の隈が濃くなった様だ。
「キラは監視に気がついて、その上でこちらに気がつかない様に犯罪者を殺し続けて居る」
「中々やりますね」
となれば監視はもうあまり意味がないかもしれない……
夜、と言ってももう日付は変わろうかと言う時間。
「竜崎、夜神家の皆さんはもう就寝したので、貴方も休んでください。竜崎が休まないと、夜神さんも休めないでしょうから」
夜間の監視を代わると申出るも、エルは乗り気では無い様だ。
それでも夜神さんの体調もそろそろ限界だろう。
視線で夜神さんを指し示すと、溜息をついたエルが椅子から飛び降りる。
「何かあったら起こして下さい。夜神さんも休んでください。このままの状態で捜査を続けても見落としを生むだけです」
ペタペタと足音を立てて、モニタールームを出て行くエルを見ていた夜神さんは、大きく息を吐く
「済まないが頼んで良いかな。竜崎の言う通り、動きがあれば叩き起こしてくれて構わないから」
そう言って微笑むと、仮眠室へと去って行く。
持ってきたノートパソコンをエルが座っていた椅子におき、モニターを見る。
寝静まって静かなモニターの向こうでは、夜神家の皆さんが穏やかな顔で眠っている。
それを横目に見つつ、エルが床に落とした資料や、空っぽになったお皿を片付ける。
紅茶を淹れて、スイーツ皿を満たす。
「ありがとうございます」
今度は音もなく部屋に入ってきたエルが、早速チョコレートの銀紙を剥がしている。
チョコレートを口に咥えたと思ったらズルズルと数人がけのソファーを引きずって来る。
成人男性なので当然のことかもしれないが、見た目に反し案外力持ちだ。同じ様にテーブルも引き寄せると、椅子の上のパソコンを取り上げた。
「今のうちに、別件を片付けましょう」
「エル、少し寝てきた方が良くない?」
問いかけるも、既にエルは新しい依頼のファイルを開いている。
「疲れたら眠ります。シキ、隣へ」
人差し指だけで打ち込まれるキーを眺めながら隣から目を通す。
「パーティー、ね。場所はヴェネツィア」
「土曜日、現地時間11時ですね。連絡しておきましょう」
次々に依頼をこなしたが、明け方になってエルの動きが止まった。器用に座りながら寝ている。
「ごめんね」
声に出すとエルは気が付いてしまうから、音を飲み込んで、唇だけで告げる。
いつか、エルは一人でソファーに座ることになる。ワタリと二人だけで、理不尽な量の依頼をこなして行かねばならなくなる。
ビヨンドの目が確かなものならば……別れの日はそう遠くない。
子供ができた時、エルに残せるものが出来たと、思う気持ちの方が強かった。もちろん、可愛い子供達をのこして、先に逝くのは不本意で、そう簡単に死ぬつもりも無いけれど……
4歳の子供と比べても、エルの生き方は不器用だと思う。もっと好きに生きても良いのに、そう言ったら「コレが私の生き方です。私の事は、シキとワタリが理解していてくれれば十分です」なんて、欲のないことを言うエル。
せめて、キラだけはーー何としても、生きているうちに捕らえたい。
エルと二人で。
「残念ながら手遅れでしょうね」
まあ、権力使えば不可能では無いけれど、夜神さん達とまた揉めるだろうし諦めるか……
「初めからゴミも回収したいと申し出ておくべきでしたね」
淡々とエルが言う。また少し目の下の隈が濃くなった様だ。
「キラは監視に気がついて、その上でこちらに気がつかない様に犯罪者を殺し続けて居る」
「中々やりますね」
となれば監視はもうあまり意味がないかもしれない……
夜、と言ってももう日付は変わろうかと言う時間。
「竜崎、夜神家の皆さんはもう就寝したので、貴方も休んでください。竜崎が休まないと、夜神さんも休めないでしょうから」
夜間の監視を代わると申出るも、エルは乗り気では無い様だ。
それでも夜神さんの体調もそろそろ限界だろう。
視線で夜神さんを指し示すと、溜息をついたエルが椅子から飛び降りる。
「何かあったら起こして下さい。夜神さんも休んでください。このままの状態で捜査を続けても見落としを生むだけです」
ペタペタと足音を立てて、モニタールームを出て行くエルを見ていた夜神さんは、大きく息を吐く
「済まないが頼んで良いかな。竜崎の言う通り、動きがあれば叩き起こしてくれて構わないから」
そう言って微笑むと、仮眠室へと去って行く。
持ってきたノートパソコンをエルが座っていた椅子におき、モニターを見る。
寝静まって静かなモニターの向こうでは、夜神家の皆さんが穏やかな顔で眠っている。
それを横目に見つつ、エルが床に落とした資料や、空っぽになったお皿を片付ける。
紅茶を淹れて、スイーツ皿を満たす。
「ありがとうございます」
今度は音もなく部屋に入ってきたエルが、早速チョコレートの銀紙を剥がしている。
チョコレートを口に咥えたと思ったらズルズルと数人がけのソファーを引きずって来る。
成人男性なので当然のことかもしれないが、見た目に反し案外力持ちだ。同じ様にテーブルも引き寄せると、椅子の上のパソコンを取り上げた。
「今のうちに、別件を片付けましょう」
「エル、少し寝てきた方が良くない?」
問いかけるも、既にエルは新しい依頼のファイルを開いている。
「疲れたら眠ります。シキ、隣へ」
人差し指だけで打ち込まれるキーを眺めながら隣から目を通す。
「パーティー、ね。場所はヴェネツィア」
「土曜日、現地時間11時ですね。連絡しておきましょう」
次々に依頼をこなしたが、明け方になってエルの動きが止まった。器用に座りながら寝ている。
「ごめんね」
声に出すとエルは気が付いてしまうから、音を飲み込んで、唇だけで告げる。
いつか、エルは一人でソファーに座ることになる。ワタリと二人だけで、理不尽な量の依頼をこなして行かねばならなくなる。
ビヨンドの目が確かなものならば……別れの日はそう遠くない。
子供ができた時、エルに残せるものが出来たと、思う気持ちの方が強かった。もちろん、可愛い子供達をのこして、先に逝くのは不本意で、そう簡単に死ぬつもりも無いけれど……
4歳の子供と比べても、エルの生き方は不器用だと思う。もっと好きに生きても良いのに、そう言ったら「コレが私の生き方です。私の事は、シキとワタリが理解していてくれれば十分です」なんて、欲のないことを言うエル。
せめて、キラだけはーー何としても、生きているうちに捕らえたい。
エルと二人で。