マリーゴールド
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「改めて、お帰りなさい。シキ」
今日の捜査本部は荒れた様だった。私が帰ってくる前に、北村家と夜神家に監視カメラと盗聴器をつける、つけないで捜査員達と揉めた様なのだ。
結局は、夜神さんの鶴の一声で、実施が決まったらしいが……
エルも中々上手く事が進まない状況に苛立っている様子で、噛み続けた親指の爪はボロボロだ。
「やっぱり、私はシキと2人で捜査する方が良いです」
エルの言うことも分からないでも無いけれど……
「でも、皆さんちゃんとした大人ですね。シキが帰ってきた時、私と争った後にも関わらず、何の禍根も感じさせず接していた」
私には到底出来ません。なんて、真顔で言っている。
仕事上ぶつかっても、エルだって捜査員の人達の人柄を認め始めて居る。それは、とっても大きな一歩だと思う。
「残念ながらビヨンドからの情報は、今のところ役に立つとは思えないものばかりだったよ」
それでも、一通り内容を伝える。
エル専用のお土産のバームクーヘンを串刺しにしながら静かに聞いていたエルは、
「名前と顔……この辺り、何かしらの関係が有るとは思うのですが……」
そう言いながら、串刺しのバームクーヘンをこちらへ差し出してくれる。マシュマロ、バームクーヘン、ドーナツ、そしてカステラ。
ありがたく受け取って、マシュマロを摘む。
「うん、でもキラは間違った名前で報道されていた犯罪者は殺さなかった。殺せなかった。」
暫く思考のための沈黙が続く。キラはビヨンドの様に顔を見ただけでその人の本名が分かるわけでは無い。
……今のところは、では有るが。
「監視カメラを取り付けて、思う様に捜査が進まない場合、直に接触してみようかと思います」
一応北村家にも監視カメラを付けて、動向のチェック入れるが、あくまで可能性を潰すため。対象を一つ一つ潰して行かなくてはならない。
そちらの調査は捜査員に任せて、本命は夜神家。
「南空ナオミの音声データでは、夜神月に逃げられます」
「うん、『キラだから……なんてね。冗談です。この後予定があるだけです』って言おうと思っていたとか、いくらでも言い逃れは出来る状況の様だし」
「はい、捜査員を騙ったのも、自分の力を試してみたかっただけだと言えば、大目に見られてしまいます。日本は、未成年には優しい国ですからね」
私たちの感覚からしたら夜神月はもう、自分に責任の持てる大人であるのだけれど……
例えば、松田さんなんかは笑って許しそうだし、なんだかんだ言いつつ、相沢さんや、夜神さんも、叱りつつも許すだろう。
「現行犯か、決定的な証拠をあげなければなりませんね」
エルの言葉に頷いていると、急にずいっと顔を寄せてくるエル。
「ところで、Bには、何もされませんでしたか? まさかと思いますが口説かれたりはしていませんよね?」
南空さんといい、エルといい、どうして皆んなその方向に持って行くのだろう。
「鈍いです。ーーいえ、そこも可愛いのですが、流石に鈍すぎますよシキ」
今日の捜査本部は荒れた様だった。私が帰ってくる前に、北村家と夜神家に監視カメラと盗聴器をつける、つけないで捜査員達と揉めた様なのだ。
結局は、夜神さんの鶴の一声で、実施が決まったらしいが……
エルも中々上手く事が進まない状況に苛立っている様子で、噛み続けた親指の爪はボロボロだ。
「やっぱり、私はシキと2人で捜査する方が良いです」
エルの言うことも分からないでも無いけれど……
「でも、皆さんちゃんとした大人ですね。シキが帰ってきた時、私と争った後にも関わらず、何の禍根も感じさせず接していた」
私には到底出来ません。なんて、真顔で言っている。
仕事上ぶつかっても、エルだって捜査員の人達の人柄を認め始めて居る。それは、とっても大きな一歩だと思う。
「残念ながらビヨンドからの情報は、今のところ役に立つとは思えないものばかりだったよ」
それでも、一通り内容を伝える。
エル専用のお土産のバームクーヘンを串刺しにしながら静かに聞いていたエルは、
「名前と顔……この辺り、何かしらの関係が有るとは思うのですが……」
そう言いながら、串刺しのバームクーヘンをこちらへ差し出してくれる。マシュマロ、バームクーヘン、ドーナツ、そしてカステラ。
ありがたく受け取って、マシュマロを摘む。
「うん、でもキラは間違った名前で報道されていた犯罪者は殺さなかった。殺せなかった。」
暫く思考のための沈黙が続く。キラはビヨンドの様に顔を見ただけでその人の本名が分かるわけでは無い。
……今のところは、では有るが。
「監視カメラを取り付けて、思う様に捜査が進まない場合、直に接触してみようかと思います」
一応北村家にも監視カメラを付けて、動向のチェック入れるが、あくまで可能性を潰すため。対象を一つ一つ潰して行かなくてはならない。
そちらの調査は捜査員に任せて、本命は夜神家。
「南空ナオミの音声データでは、夜神月に逃げられます」
「うん、『キラだから……なんてね。冗談です。この後予定があるだけです』って言おうと思っていたとか、いくらでも言い逃れは出来る状況の様だし」
「はい、捜査員を騙ったのも、自分の力を試してみたかっただけだと言えば、大目に見られてしまいます。日本は、未成年には優しい国ですからね」
私たちの感覚からしたら夜神月はもう、自分に責任の持てる大人であるのだけれど……
例えば、松田さんなんかは笑って許しそうだし、なんだかんだ言いつつ、相沢さんや、夜神さんも、叱りつつも許すだろう。
「現行犯か、決定的な証拠をあげなければなりませんね」
エルの言葉に頷いていると、急にずいっと顔を寄せてくるエル。
「ところで、Bには、何もされませんでしたか? まさかと思いますが口説かれたりはしていませんよね?」
南空さんといい、エルといい、どうして皆んなその方向に持って行くのだろう。
「鈍いです。ーーいえ、そこも可愛いのですが、流石に鈍すぎますよシキ」