サルビア
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子供が生まれてから1年半ほど、イギリスのシキの建てた家を拠点に過ごした。
最も、拠点と言うだけで、あちこち飛び回ってはいたのだから、以前とそう変わらない。
双子は、驚くほど手のかからない子供達で、親と言うものをよく知らないまま育った私は、子育てに身構えていたのだが、拍子抜けしてしまった。
ワタリなどは、私の方が手が掛かると言っては、私を揶揄う様になった。
「何が楽しいのか、ずっと2人で本を眺めてるよ」
「この前、読んであげたので、見返しているのかも知れませんね」
「あの、エル。一歳児に、毒キノコ辞典はちょっと」
「食用キノコ事典よりカラフルで良いかと思ったのですが」
ダメでしょうか? 子供はカラフルなものを好むと聞いたのですが。それに、大事ですよ? 毒物に対する知識。
床に広げた大型図鑑を覗き込む二つの背中は、文句のつけようが無いぐらい可愛らしいです。
ふわふわとした空気感のまま、新しい依頼を見る。
アメリカですか。どうやら凄惨な事件の様です。動いているのはFBIか……
しかしながら、どうやってイニシャルを割り出したのか、謎だな。
「シキ、この依頼受けようと思うのですが」
「ロサンゼルス? ちょうど良かった、ついでにBーービヨンドを探してもらっても良い? ロサンゼルス付近で消息が途絶えちゃって。わたしは今別件で手が離せないし、終わったらすぐ合流するから」
「あの宗教団体、まだ動かないんですか?」
あまり面白味も無い事件だったので、正直私は興味無かったのですが、エマの旦那さんが入信してしまった様で、それを知ったシキは当然のように依頼を受けてしまいました。
「教祖はとっても慎重な性格みたい。こうなったら、こっちから仕掛けるしか無いかなって思ってるところ」
内部で殺人を犯しているかもしれない宗教団体に仕掛けるとなると、潜入捜査かーー
「危険な事はしないで下さいね、潜入する様なら、アイバーやウェディを使って下さい。それから、長期の単身赴任は嫌です。もちろん、それなりに早く終わらせる様努力はしますが」
シキを充電していかないといけませんね。
子供を産んでから、益々美しさに磨きが掛かっています。
夜、間接照明の暗がりの中に浮かぶシキの白い肌は、妖艶で艶かしい。それなのに、未だに少女の様に恥じらう様は、もう私を殺しにかかっているとしか思えません。
シキに殺されるなら本望です。
「愛しています。シキ」
「わたしも、愛しているよ。エル」
図鑑に突っ伏して、眠りこけてしまった子供達を子供部屋に運び、柔らかな額にキスを贈る。
「あなた達が、何の心配も無く、伸び伸びと過ごせる世界を築く一助に、なれているのならいいのですが」
彼方此方を飛び回り、常に側にいられるわけでは無いのは、シキと、あなた達と、家族になったその瞬間から覚悟していました。それが私たちの生き方なのだから、仕方がないと言えばそれまでなのですが。
「お休みなさい。良い夢を」
その分、愛情だけは注いで行くつもりです。
最も、拠点と言うだけで、あちこち飛び回ってはいたのだから、以前とそう変わらない。
双子は、驚くほど手のかからない子供達で、親と言うものをよく知らないまま育った私は、子育てに身構えていたのだが、拍子抜けしてしまった。
ワタリなどは、私の方が手が掛かると言っては、私を揶揄う様になった。
「何が楽しいのか、ずっと2人で本を眺めてるよ」
「この前、読んであげたので、見返しているのかも知れませんね」
「あの、エル。一歳児に、毒キノコ辞典はちょっと」
「食用キノコ事典よりカラフルで良いかと思ったのですが」
ダメでしょうか? 子供はカラフルなものを好むと聞いたのですが。それに、大事ですよ? 毒物に対する知識。
床に広げた大型図鑑を覗き込む二つの背中は、文句のつけようが無いぐらい可愛らしいです。
ふわふわとした空気感のまま、新しい依頼を見る。
アメリカですか。どうやら凄惨な事件の様です。動いているのはFBIか……
しかしながら、どうやってイニシャルを割り出したのか、謎だな。
「シキ、この依頼受けようと思うのですが」
「ロサンゼルス? ちょうど良かった、ついでにBーービヨンドを探してもらっても良い? ロサンゼルス付近で消息が途絶えちゃって。わたしは今別件で手が離せないし、終わったらすぐ合流するから」
「あの宗教団体、まだ動かないんですか?」
あまり面白味も無い事件だったので、正直私は興味無かったのですが、エマの旦那さんが入信してしまった様で、それを知ったシキは当然のように依頼を受けてしまいました。
「教祖はとっても慎重な性格みたい。こうなったら、こっちから仕掛けるしか無いかなって思ってるところ」
内部で殺人を犯しているかもしれない宗教団体に仕掛けるとなると、潜入捜査かーー
「危険な事はしないで下さいね、潜入する様なら、アイバーやウェディを使って下さい。それから、長期の単身赴任は嫌です。もちろん、それなりに早く終わらせる様努力はしますが」
シキを充電していかないといけませんね。
子供を産んでから、益々美しさに磨きが掛かっています。
夜、間接照明の暗がりの中に浮かぶシキの白い肌は、妖艶で艶かしい。それなのに、未だに少女の様に恥じらう様は、もう私を殺しにかかっているとしか思えません。
シキに殺されるなら本望です。
「愛しています。シキ」
「わたしも、愛しているよ。エル」
図鑑に突っ伏して、眠りこけてしまった子供達を子供部屋に運び、柔らかな額にキスを贈る。
「あなた達が、何の心配も無く、伸び伸びと過ごせる世界を築く一助に、なれているのならいいのですが」
彼方此方を飛び回り、常に側にいられるわけでは無いのは、シキと、あなた達と、家族になったその瞬間から覚悟していました。それが私たちの生き方なのだから、仕方がないと言えばそれまでなのですが。
「お休みなさい。良い夢を」
その分、愛情だけは注いで行くつもりです。