黄色いヒヤシンス
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シキさんに誕生日プレゼントとして、金平糖を贈り連絡先を伝えて3日。
「今日も連絡は、無い様ですね』
シキさんの事だから、直ぐにお礼の連絡でも入れてくるものと思っていましたが……
「ワタリ、場所を変える」
イギリスへ戻りましょう。気になり出したら止まりません。逢いたいと、思っているのは、私だけなのでしょか?
今回の帰郷は突然だったので、ロジャーにも知らせず、ワイミーズハウスへも向かわなかった。
いつものようにホテルに部屋を取り、やりかけの仕事に手をつける。
「エル、オリバーに訪問の連絡を入れておこうと思うのですが、どのぐらいで片付きますか?」
三日、いや四日後でお願いします。
ワタリの問いに答えつつ、今抱えている事件の犯人を特定する。
ローレンス家に連絡を入れていたワタリが、彼らしくない大きな声を上げた。
「どうした? ワタリ」
ついつい、鋭く追及してしまう。
「それがシキさんは、今、ウィンチェスターの郊外で一人暮らしをしていると」
また、シキさんは変なところで行動力があり過ぎます。
「シキさんが叔父を探していたのは、家を任せるつもりで探したのですね」
「そうですね、私もそう思います。エル、オリバーは詳しい場所を明かさなかったので、シキさんの家の特定から始めなければなりませんが」
ワタリの言葉に持っていたティーカップを落としそうになる。動揺してどうする。探せば良いだけのことだ、幸いウィンチェスター郊外である事は分かっているのだ。それぐらい、私なら直ぐに探し出せる。
結局、何だかんだと急ぎの依頼があったりしたものだから、シキさんの家を特定するのにも時間がかかってしまった……
ワタリの運転で家の前から少し離れた場所へ車を付けてもらう。舗装されていない小道をいった先にシキさんの家がある。
新そうな家に反して、庭はまるで以前からそこにあったかのような雰囲気だ。日当たりの良い面には家庭菜園(ポタジェ)があり、秋野菜が育っている。
行政区としては別地区になるのだが、ワイミーズハウスとは丘を一つ隔てているだけで案外近い。
孤児院の近くは土地の値段が安いらしい。シキさんの資産を考えれば、土地の値段など気にしなくても問題無かったとおもうのだが……
決して小さくは無いその家は、点在する周囲の民家とよく馴染んでいる。
イギリスの田舎の家そのものだ。ただ、セキュリティだけはしっかりしているようだ。まあ、住んでいるのがシキさんならば、必要最低限と言った所だが。
家の観察を終えた私は、玄関のベルを鳴らす。そう言えば思いだけが急いて、結局何にも連絡を入れていなかった。留守だったらどうしましょうか……
思いに反して、中から解錠する音が聞こえて来る。
扉が開けられるのを待つ事なく……力任せに扉をあけた。
「こんにちはシキさん。というか、不用心ですよ。せめて誰か確認してから解除してください。危機感がなさ過ぎます」
驚きに見開かれたその瞳に写る自分は、口角を上げて笑っている。
少しだけあった、シキさんとの距離を一歩で詰める。逢いたかったです。抱きしめた瞬間、安堵と安心感と一緒に酷く凶暴な感情が渦巻いた。
「今日も連絡は、無い様ですね』
シキさんの事だから、直ぐにお礼の連絡でも入れてくるものと思っていましたが……
「ワタリ、場所を変える」
イギリスへ戻りましょう。気になり出したら止まりません。逢いたいと、思っているのは、私だけなのでしょか?
今回の帰郷は突然だったので、ロジャーにも知らせず、ワイミーズハウスへも向かわなかった。
いつものようにホテルに部屋を取り、やりかけの仕事に手をつける。
「エル、オリバーに訪問の連絡を入れておこうと思うのですが、どのぐらいで片付きますか?」
三日、いや四日後でお願いします。
ワタリの問いに答えつつ、今抱えている事件の犯人を特定する。
ローレンス家に連絡を入れていたワタリが、彼らしくない大きな声を上げた。
「どうした? ワタリ」
ついつい、鋭く追及してしまう。
「それがシキさんは、今、ウィンチェスターの郊外で一人暮らしをしていると」
また、シキさんは変なところで行動力があり過ぎます。
「シキさんが叔父を探していたのは、家を任せるつもりで探したのですね」
「そうですね、私もそう思います。エル、オリバーは詳しい場所を明かさなかったので、シキさんの家の特定から始めなければなりませんが」
ワタリの言葉に持っていたティーカップを落としそうになる。動揺してどうする。探せば良いだけのことだ、幸いウィンチェスター郊外である事は分かっているのだ。それぐらい、私なら直ぐに探し出せる。
結局、何だかんだと急ぎの依頼があったりしたものだから、シキさんの家を特定するのにも時間がかかってしまった……
ワタリの運転で家の前から少し離れた場所へ車を付けてもらう。舗装されていない小道をいった先にシキさんの家がある。
新そうな家に反して、庭はまるで以前からそこにあったかのような雰囲気だ。日当たりの良い面には家庭菜園(ポタジェ)があり、秋野菜が育っている。
行政区としては別地区になるのだが、ワイミーズハウスとは丘を一つ隔てているだけで案外近い。
孤児院の近くは土地の値段が安いらしい。シキさんの資産を考えれば、土地の値段など気にしなくても問題無かったとおもうのだが……
決して小さくは無いその家は、点在する周囲の民家とよく馴染んでいる。
イギリスの田舎の家そのものだ。ただ、セキュリティだけはしっかりしているようだ。まあ、住んでいるのがシキさんならば、必要最低限と言った所だが。
家の観察を終えた私は、玄関のベルを鳴らす。そう言えば思いだけが急いて、結局何にも連絡を入れていなかった。留守だったらどうしましょうか……
思いに反して、中から解錠する音が聞こえて来る。
扉が開けられるのを待つ事なく……力任せに扉をあけた。
「こんにちはシキさん。というか、不用心ですよ。せめて誰か確認してから解除してください。危機感がなさ過ぎます」
驚きに見開かれたその瞳に写る自分は、口角を上げて笑っている。
少しだけあった、シキさんとの距離を一歩で詰める。逢いたかったです。抱きしめた瞬間、安堵と安心感と一緒に酷く凶暴な感情が渦巻いた。