黄色いヒヤシンス
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side L
コイルという、探偵の事を調べ始めたのはもう十ヶ月以上前のことになる。
私はまた拠点をハウスからフランス、フランスからアメリカへと2度の移動を行っていた。
コイルの調査は、依頼でもなければ急ぎでも無い。自然と重要性は落ちて行き、中々進んでは居なかった。
そもそも、彼が営業所として構えている事務所はロンドンの一頭地にある。
調査するなら、イギリスへ渡った時が良いだろう。
また、新聞やニュースになる様な大きな事件なら兎も角、個人から受けた依頼の一つ一つを洗うのは時間もかかる。完璧主義のワタリの事だ、中途半端な資料にならない様情報収集しているのだろう、彼からの報告も一向に無かった。
忘れていたわけでは無いが、コイルの調査はどちらかと言えば後手にまわっていた。
「Lこちらを……」
何とも言えない表情で、ワタリが差し出したのは、コイルが請け負ったとされる依頼をまとめたものだった。
ようやく、と言えばようやくであるが……
「ワタリ?」
ワタリの歯切れの悪さを、訝しく思いながら問い返す。
時系列順に載せられたその依頼を、流し読みして行くと、依頼人の欄にシキ・ローレンスの名前。
「同姓同名では無いんだな」
ワタリが新たな資料を取り出した。それを奪い取る様にして読み始める。
「本人か。だが、シキさんならわざわざ探偵など雇わなくとも、このぐらい自力で探し出せるでしょうに……」
何処か腑に落ちない。まさか、健康を害していて自ら動けない状況に有るのか?
何処がどう悪いというわけでは無いが、一般的に見てシキさんは病弱な部類に入る。風邪をひいて寝込む、頭痛で辛そうにしている、旅行に行って帰ってきてダウンした事もあった。
「私のところには、そう言った話は来ておりませんが、オリバーにでも尋ねて見ましょうか?」
「いや、良い。どうも方向性が違う」
シキさんが依頼した件に、ついつい目がいってしまうが、その他の依頼や解決した事件。
そしてコイルの活動期間。
「私、非常に嫌な予感がします」
「おや、エルもですか?」
「同時期から頭角を表した探偵、ドヌーヴの事も洗ってください」
「全く、なんで私が貴女から離れたと思っているのですか」
コイルという、探偵の事を調べ始めたのはもう十ヶ月以上前のことになる。
私はまた拠点をハウスからフランス、フランスからアメリカへと2度の移動を行っていた。
コイルの調査は、依頼でもなければ急ぎでも無い。自然と重要性は落ちて行き、中々進んでは居なかった。
そもそも、彼が営業所として構えている事務所はロンドンの一頭地にある。
調査するなら、イギリスへ渡った時が良いだろう。
また、新聞やニュースになる様な大きな事件なら兎も角、個人から受けた依頼の一つ一つを洗うのは時間もかかる。完璧主義のワタリの事だ、中途半端な資料にならない様情報収集しているのだろう、彼からの報告も一向に無かった。
忘れていたわけでは無いが、コイルの調査はどちらかと言えば後手にまわっていた。
「Lこちらを……」
何とも言えない表情で、ワタリが差し出したのは、コイルが請け負ったとされる依頼をまとめたものだった。
ようやく、と言えばようやくであるが……
「ワタリ?」
ワタリの歯切れの悪さを、訝しく思いながら問い返す。
時系列順に載せられたその依頼を、流し読みして行くと、依頼人の欄にシキ・ローレンスの名前。
「同姓同名では無いんだな」
ワタリが新たな資料を取り出した。それを奪い取る様にして読み始める。
「本人か。だが、シキさんならわざわざ探偵など雇わなくとも、このぐらい自力で探し出せるでしょうに……」
何処か腑に落ちない。まさか、健康を害していて自ら動けない状況に有るのか?
何処がどう悪いというわけでは無いが、一般的に見てシキさんは病弱な部類に入る。風邪をひいて寝込む、頭痛で辛そうにしている、旅行に行って帰ってきてダウンした事もあった。
「私のところには、そう言った話は来ておりませんが、オリバーにでも尋ねて見ましょうか?」
「いや、良い。どうも方向性が違う」
シキさんが依頼した件に、ついつい目がいってしまうが、その他の依頼や解決した事件。
そしてコイルの活動期間。
「私、非常に嫌な予感がします」
「おや、エルもですか?」
「同時期から頭角を表した探偵、ドヌーヴの事も洗ってください」
「全く、なんで私が貴女から離れたと思っているのですか」