黄色いヒヤシンス
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今日はオリバーと、ケリーを連れて建築途中の家のチェックに来ている。
ケリーはこの所げっそりやつれているので、気分転換に誘ったのだ。
「とりあえず、外回りは合格ですね。窓やドアの建て付けもしっかりしている様です」
テキパキと外回りをチェックし終えたオリバーは本当に有能な執事だ。彼にできない事はないに違いない。
「中はね、床を全て無垢の木を使ってもらったの。おばあさまの住んでいた、日本の家の様に。靴を脱いで上がるのよ」
まだ壁の一部や収納の扉、階段の手摺りなど出来上がっていない部分も多々あるけれど、すでに完成している所は注文通りで文句無し。
「ん? 何だこれ、何処かの企業並みの配電図だ」
ケリーが、眉を顰めて言う。
「結構見えない所で金が掛かってるな。お嬢さん、お嬢様」
オリバーに睨まれたケリーが言い直す。二人とも良い歳の大人なのだけど、こう言うやり取りを見ると、親子だなぁって思う。
「まあ、仕事の為には仕方がないよ。機材が揃っていた方が、良いのは分かるでしょう?」
「ほんとうに、昔とは変わってしまいましたからね。今では十年一昔では無く、二、三年一昔とでも言った所でしょうか」
完成予定図に有る機器を見て、寂しそうな顔をするオリバー。
「そうかもね、でもね。この仕事してて思うのは、直感や感情の方が案外当てになるのよ。そう言う所はずーっと昔からきっと変わっていかない所なのよね」
全ての部屋を周り終え、完成前の家を出る。
「お嬢様が家を出られると、寂しくなります」
どこか、しんみりとしたオリバーには申し訳ないけれど、必要な事なのだから仕方がない。
「休みの日に遊びにきてくれたら嬉しい。今度は執事としてでは無くて、友人として」
「こんな年寄りを友人と呼びますか?」
驚いた様なオリバーに笑い返す。
「流石にこの広い家に、ずーっと一人では寂しいもの。たまには話し相手が欲しいな」
では、是非にと頷くオリバー。
家の完成まで、あと少し。
あれから数ヶ月後、無事に完成した新築の家で、私は今日も変わらずコイルとドヌーヴとして、捜査依頼を受けては解決するを繰り返していた。
エルがハウスを出てから既に一年半の月日が経っている。今日は10月30日。明日はエルの誕生日だ。
そろそろコレを誕生日プレゼントとして、エルに接触しても良い頃合いだろう。
そもそも、2週間ほど前に過ぎた私の誕生日プレゼントの中に、彼からのプレゼントが紛れ込んでいた事だし。
誕生日の翌日、抱えきれないほどの花束を持ってオリバーが訪ねてきた。
ローレンスの家の方に届いた私へのプレゼントを運んできてくれたらしい。
その中に紛れて一つ。
懐かしい金平糖と懐かしい文字で書かれた連絡先が紛れ込んでいた。
ケリーはこの所げっそりやつれているので、気分転換に誘ったのだ。
「とりあえず、外回りは合格ですね。窓やドアの建て付けもしっかりしている様です」
テキパキと外回りをチェックし終えたオリバーは本当に有能な執事だ。彼にできない事はないに違いない。
「中はね、床を全て無垢の木を使ってもらったの。おばあさまの住んでいた、日本の家の様に。靴を脱いで上がるのよ」
まだ壁の一部や収納の扉、階段の手摺りなど出来上がっていない部分も多々あるけれど、すでに完成している所は注文通りで文句無し。
「ん? 何だこれ、何処かの企業並みの配電図だ」
ケリーが、眉を顰めて言う。
「結構見えない所で金が掛かってるな。お嬢さん、お嬢様」
オリバーに睨まれたケリーが言い直す。二人とも良い歳の大人なのだけど、こう言うやり取りを見ると、親子だなぁって思う。
「まあ、仕事の為には仕方がないよ。機材が揃っていた方が、良いのは分かるでしょう?」
「ほんとうに、昔とは変わってしまいましたからね。今では十年一昔では無く、二、三年一昔とでも言った所でしょうか」
完成予定図に有る機器を見て、寂しそうな顔をするオリバー。
「そうかもね、でもね。この仕事してて思うのは、直感や感情の方が案外当てになるのよ。そう言う所はずーっと昔からきっと変わっていかない所なのよね」
全ての部屋を周り終え、完成前の家を出る。
「お嬢様が家を出られると、寂しくなります」
どこか、しんみりとしたオリバーには申し訳ないけれど、必要な事なのだから仕方がない。
「休みの日に遊びにきてくれたら嬉しい。今度は執事としてでは無くて、友人として」
「こんな年寄りを友人と呼びますか?」
驚いた様なオリバーに笑い返す。
「流石にこの広い家に、ずーっと一人では寂しいもの。たまには話し相手が欲しいな」
では、是非にと頷くオリバー。
家の完成まで、あと少し。
あれから数ヶ月後、無事に完成した新築の家で、私は今日も変わらずコイルとドヌーヴとして、捜査依頼を受けては解決するを繰り返していた。
エルがハウスを出てから既に一年半の月日が経っている。今日は10月30日。明日はエルの誕生日だ。
そろそろコレを誕生日プレゼントとして、エルに接触しても良い頃合いだろう。
そもそも、2週間ほど前に過ぎた私の誕生日プレゼントの中に、彼からのプレゼントが紛れ込んでいた事だし。
誕生日の翌日、抱えきれないほどの花束を持ってオリバーが訪ねてきた。
ローレンスの家の方に届いた私へのプレゼントを運んできてくれたらしい。
その中に紛れて一つ。
懐かしい金平糖と懐かしい文字で書かれた連絡先が紛れ込んでいた。