おじちゃんが泣くから私もギャン泣きした。
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「お前に好きだって伝えたかった。迷惑かけてゴメンって言いたかった。なのに目の前のことばかり気にして、中々言えなかった」
目の前の男は、私にすがるように泣きついてくる。
その姿はまるで子供の時に戻ったみたいで……容姿がオジサンなのに、ちぐはぐに見えた。
何度もごめんなさいと謝る姿は痛々しい。
店の外で良かったとつくづく思う。
だから私はわざと溜め息をついてみせた。するとビクリと跳ねる、おじちゃんの肩。
「ごめんも何も……私は怒ってないし気にしてない。それに、あの状況で嫌いになったらそれこそ馬鹿がすることでしょ?……ね?
なんならこれからも愛す気でいる。
私は昔も今も好きだよ」
そう言うと、おじちゃんはピタリと固まった。
上げられた顔は、耳が真っ赤に染まっていて……。
「つまり…………俺と結婚するってことか?」
「………………ん???」
私の思考も固まった。
そばに居た煙草を吸っている副船長らしき人物が「待て馬鹿お頭。早まるな」と、おじちゃんを引き止めた。
が、あろうことか、おじちゃんは副船長を背負い投げをした。
船員らしき人達が「ベックぅぅぅ!!!」と叫ぶ。
アカン、これはアカン。
私は驚いてヒクヒクと上がってしまう口角を隠さずに、1歩おじちゃんから下がってみせる。
すると、おじちゃんも1歩歩み出してきた。
先程背負い投げされた副船長が「生きたければ逃げろォ!!!!」と叫ぶ。
カオスだ、カオス。
なんか……感動の再会が思ってたんと違うんだが。
「お前は……俺のことが好きなんだよな?」
そう言ったおじちゃんの目は笑ってなかった。
私はそっと涙を零した……。