おじちゃんが泣くから私もギャン泣きした。
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ある日、私は気づいてしまった。
こいつら……ダダン達が野菜を与えてないことに。
いや、前から気づいてはいたが『いつの日か出してくれるだろう』と、高を括っていたのである。だがしかし、いつまで経っても野菜が登場することは無かった。私は思わず真顔になった。
こうなったら野菜を買うか……育てるか。
なにか野菜を買える場所は無いかとダダンに聞けば「あぁん!?村に行ったらあるんじゃねぇのか!!」と言われたので、村に行くことにした。
ダダンには、いかに成長期の子供にとって栄養が大切であるかを力説し、脅迫し、金をもぎ取った。
エースたちに村はどこにあるかと聞けば、ルフィはこの山に来る前はとある村に居たらしい。つまるところ、ルフィにフーシャ村を案内して貰うことになった。
そこならば野菜の種が売ってるはず。
ダダンから押収した金を握りしめながら、私はルフィと共に村に向かうことにした。
その途中で、ルフィが「会わせたい奴が居るんだ!」とワクワクして言うので、私はニコニコになってしまう。うん、可愛い。ルフィ可愛い。
そうして連れてこられたのは、とあるお店。
中に入るとガラの悪そうな男ばかりが屯っていた。
そして私は、その奥のカウンター席で見つけてしまった。
唐突だが、ガープには私が蘇ったことは話していない。
アイツはすぐにバラしそうだからな。あと話したら話したで捕まりそうな予感がするからやめた。
だから私が蘇ったことは誰にも話さない。
……そう…………思ってたんだけどなあ。
店の奥のカウンター席に座っているのは、見覚えのある赤髪。
後ろ姿しか見えないが、背格好はあの時よりも成長していて、並じゃない風格が出ていた。
なあ、ルフィ。
お前が紹介したいって人は、この人か?
そう聞くと、コクコクと元気に頷くルフィ。
「紹介するよ!アン!!!こいつはシャンクスってんだ!!!」
ニシシ!と楽しそうに言ってくるルフィに思わず顔が俯いてしまう。
知ってる……。知ってるよ、ルフィ。
シャンクスはルフィの声に釣られて、こちらへとゆっくりと振り返る。そして私の姿を見つけて____目を見開いた。
気づいたかなぁ。
私の今の子供の姿が、前世も同じだってこと。
そうして私は……ゆっくりと唇を動かした。
「_____君に、幸あれ」
死に間際に言った言葉を言うと、シャンクスはガタン!と椅子をひっくり返してその場に立ち上がった。驚愕の表情に染まっており、「そんな……だって……」とブツブツ言っている。
「成長したね、シャンクス」
って言うと、目を見開いてくるシャンクス。「なんで……アイツとそっくりなんだ」と言ってくるから「本人だからじゃない?」ってケラケラと笑うと、あろうことかポロポロと涙を零してきた。
その様子に、周りに居た海賊も、ルフィも、店員も、あまつさえ私もギョッとする。
この状況はシャンクスにとって悪い……!!
そう思った私は慌ててシャンクスに駆け寄り、店の外へと腕を引っ張った。
店の外に出れば、暑さがまたやってきた。
ジワジワと暑いのにシャンクスの黒いマントがちらつく。
晴れてる天気を見上げながら、私はボーーっとした頭でボヤく。
反対にシャンクスは俯いてるだけだ。
「シャンクス……今日は雨が降ってるなあ」
「ああ……」
シャンクスは俯いたままだ。
ぽたりぽたりとシャンクスの足元だけに零れる、しょっぱい雨。
「お前、オジサンになったなあ」
「あぁ……」
なあ、シャンクス。
私また生きてるんだよ?
お前よりも小さい年頃の女の子にさ。
「泣くなよ、おじちゃん」
私が泣きながら言うと、さらに泣き虫になったシャンクスが居たので、私はさらに慌てるのであった。
ただいま、シャンクス。
そう言うと、シャンクスは大粒の涙を子供みたいに零して「今まで……ぇっ、ごめん”ん”!!!」と、泣いてきたのであった。