1章
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何故か、ゼロへの謎の自慢メールと発信履歴が気になる所だけど……。
あと昨日喧嘩した訳だけども、私は気にせずゼロに電話を掛けた。
3コール目でガチャリと相手の出る音がする。
ゼロだ。
遅くなる旨を電話で伝えると、意外にもゼロは「迎えに行く」と言ってきた。なので慌てて断る。
私はともかく、元の世界でたくさん働いてるゼロを夜に呼び出すのは申し訳ない。
だけどゼロは譲らなかった。
「いや。一緒に帰ろう」と。
後ろから聞こえてきた急な古谷ボイスに肩が飛び跳ねる。バッと振り向いたら、ゼロがそこに仁王立ちしていた。
「と、とりあえず……」
りっちゃんを何とかしなければ。
♦
りっちゃんには彼氏さんに電話して来て回収して貰った。
そうして訪れたのは、私とゼロだけの帰り道。
手がくっつきそうで、くっつかない。
そんなプラプラと前後に揺れている、ゴツゴツとした男らしい手を羨ましそうに見つめながら私は身を引き締めた。
会話の火蓋を切ったのはゼロだった。
「昨日はすまなかった」
「……べっつにー」
「……本当にすまない」
ごめんねばっかり言ってくるので、妥協案を出す。
「あ、じゃあさ。代わりに飲み会付き合ってよ」
「は?」
「ゼロと私だけの飲み会。参加費はななな、なんと無料!?」
「カードのCMみたいに言うなよな」
「ふふっ……。やっと笑ってくれた」
「……」
ゼロが笑ったことを指摘すると、ゼロの顔は途端に真顔へと戻っちゃった。
♦
明日は休みだから、帰宅したあとも酒を飲むことにした。これでも私、酒豪だからね。まだまだ酔ってないんですよ。
なので前回買ったバーボンを出した。
「今夜は飲もう!!」
「また泥酔するぞ」
そうして何杯も呑んでいたのだが、流石の私もちょっと酔いが回ってきたらしい。
酔っていると、ゼロの手が私の顔まで伸びてきて頬を撫でられた。
くすぐったくてふにゃりと笑う。
相手もクスッと笑った。
「はぁ……もう。また勘違いするからやめて」
そう言うと、ゼロはきょとんとした顔を見せる。
「勘違いって?」
「分かってて言わないでよ」
本当に、ゼロはタチが悪い。
でもそこも愛おしいんだよね。