1章
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今日は朝から元気がない。ふとカレンダーを見れば11月の7日だった。
家に入った瞬間、後ろから抱き締められる。
「君は俺のことが好きなんだろ」
「……」
その言葉を聞いて傷付いた、のに……。玄関に取り付けてある鏡からゼロの顔が見えた。なんでそっちが泣きそうな顔するかなぁ。
ああ、そう言えば今日は11月7日だっけ。
両端から伸びている腕をペチペチ叩いて「今日はもう寝よう」と言った。
が、抱き締められたまま。
ベッドに何故か着いてくる。
ははーん。一緒に寝ようかぁー?
と振り返ろうとしたとき、ベッドに押し倒された。
いくら恋愛初心者の私でもこれから起きることに分かってしまった。
けど私はそんな安い女にはなりたくない。
ゼロも安い男では無いはずだ。
「私を抱いて慰めになるの?」
「……」
黙ったままだった。
「早くどいてよ。私達友達だよ?」
「友達、友達って。その友達を壊そうとしてきたのはお前だよな」
「っ、」
痛いところを突かれた。
「確かに私が先。でもゼロまですることは無いでしょ?」
「お前は良くて俺はダメなのか」
「違う。そういうことを言ってるんじゃない」
「じゃあ何だよ!!」
なんでそっちがキレるんだろう。
意味わかんない。
「私みたいな馬鹿になるなって言ってんの。理解しろ馬鹿……! 自分が一番分かっているのに知らんぷりしないで。それ私より馬鹿だから」
ゼロの瞳が揺れる。
私は覆い被るゼロの胸元に拳をドンとぶつけた。
「抱けば治るって? 本当に治るならいつでも体を貸してあげる。でも今のは違うよね。
_____甘えんなよ、ゼロ」
好きな男でもそれは出来ないから。出てって。
そう言うと、やっとゼロがこっちを見た。
名前を呼んでくるけど見てあげない。
早くあっちに行ってくれ。
「頭冷やすまで私の部屋に入ってくんな」
追い出したあとで後悔した。
ちょっと……言いすぎた。