1章
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会社から帰宅すると、夕飯作ってくれた。
いただきます。して、心がポカポカしてくる。
食べ終わって、歯を磨いたあと。
警察24時が流れていて、それを必死に目で追っているゼロをリビングで見つけてしまった。ゼロは……昨日はニュースを1ミリも逃さないように見ていた。
新聞を取っていないのが少し悔やまれた光景だった。
でもコンビニで新聞を買っているらしく、いつも出かけているのは知っている。
そんなテレビを見ている背を見て、当たり前にも帰りたいのかと感じた。そして焦りが出てくる。
平行世界の恋だなんて馬鹿にも程がある。
漫画のキャラだとは、もう思っては無かった。
やっぱり好きだなぁ。
熱い何かがドロッと胸の内から溢れた。
自分の口が滑っていることにも気付かずに。
「……。好きだよ」
気付けば告白をしていた。
聞かれてなければいいんだけど。……と、思ったが生憎と優秀警察官殿は聴き逃しを許してくれないらしい。
ゼロは目を大きく見開いて、それから目蓋をゆっくり閉じてしまった。
なんとなく言われる言葉が分かった。
これで私はやっと諦められる。
ゼロの優しい心を踏みにじって。
「ごめん。そういう気持ちは考えられない」
「……ううん。こっちこそごめん。そして返事してくれてありがとう」
それから……どうやって部屋に戻ったかは分からない。
部屋に戻って泣いた。
泣きたいのはゼロだろうに。本当にごめん。
そしてありがとう。
どうせなら「『今は』そういう気持ちは考えられない」と言われてた方が良かった。
それなのに、そうしなかったのは余計な事を考えさせない為で、つまり脈無しということ。
漫画でもあるように、あの人は言葉に出したものは本当にする。
だから私には一生『そういうこと』は無いのだ。
恋人は……日本、だっけ。
ベッドの上で力なく座り込む。
ただただ泣き声を殺して空泣きした。
勘違い野郎とは私のことだ。
うう、明日顔を合わせづらい……。
それはゼロも同じだろう。