1章
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家に帰ったあと、香水の匂いが酷かったので風呂に入れた。
正直くちゃいよ。
服を貸すと「誰のだ」としつこく聞かれたので兄と答える。
するとゼロはムッと眉を寄せた。
「嘘だ。お前に兄は居なかった」
「へいへいお父さんですよ~」
「ふっ。彼氏の、とは言わないんだな」
「ああん?」
遠回しに喧嘩を売ってるのか公安。
勘違いしそうになる行動ほんと止めて欲しい。
遠い目になりながら思った。
風呂に入らせている合間に、料理どうする?一緒に作る? と聞く。
そしたら作らせてくれ、と言われた。
まあ、そりゃそうだよね。公安って人の作った料理信用しないってよく二次創作で見たし。
「疲れているのにすみません」と謝ると「それ、ブーメラン」と言われた。ぐっ。
私の冷蔵庫の中身は普通だったのか、特に何も言われず。
ゼロが見えない速さで料理を作ってた。
出てきた食事は意外にも一般的だった。
ボケーーっとして見てると「食べないのか」と不満顔のゼロに言われる。
「いや、見惚れてて」
そう返すと無言が帰ってきた。
なんだ?変なこと言ったか?
♦
グッズが置かれてた部屋は綺麗さっぱり消えてたので、そこに眠って貰った。
グッズ置いてただけあって、いつも掃除してて良かったとこの時ばかり思う。
部屋に布団敷いて押し込むと、「……警察官、目指しているのか?」と聞かれた。そういえばオタクの一環で(主に名探偵コナンのことで)警察官のこと調べてて本とか買ったんだった。
本棚を見れば、『警察官のなり方』や『警察専門用語』、『警察官になる為の専門知識』などと本がある。
「いや? 好きなものの一部だから」と答えた。
実際に名探偵コナンが好きだし。
そう言うとゼロは目をぱちくりとさせた。、
「警察官が好きなのか?」
そんな質問をされてうーん?と悩む。
「どうだろ? 不祥事とか沢山あるし、隠してることもあるだろうし」
そう言うと、ちらりとこちらを見て「……そうか」と言われた。
自分で思うところが色々とあるのだろう。
「でも、そんな警察の中に1人でも友達が居ると素敵に見えるよね」
「え?」
なんだか言って恥ずかしくなったので、ドアを慌てて閉めて「おやすみ!」と言おうとする。
けど、またゼロの手が震えているのに気付く。
そこで抱き枕を急いで持ってきて渡した。
「これ、安眠できるの」
「は?」
「それじゃあおやすみ! 抱き枕は腰痛に良いんだよ」
それだけ言って慌ててドアを閉めた。
♦
そのあと、ゼロが抱き枕に顔をうずめて匂い嗅がれてたとは知らない。神のみぞ知る。