まさか本物になるとは思わないじゃない
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日、海軍の戦力は海軍本部へと集中していた。
「お前の父親の名前を言え。エース」
「……」
苦々しく吐き捨てるセンゴクに、顔を下に向けて押し黙る火拳のエース。海楼石という鎖に繋がれ、みすぼらしい姿が全島放送に映り込んでいた。エースは分かっていた。いつかこうなることは。だがここまで海賊王の血に固執する海軍に驚かされたのもまた1つ知った事実。
エースは何のことだとばかりに鼻で笑い返した。「俺のオヤジは白ひげだ」と言ってみせた。
だが、「ちがぁう!!」とセンゴクは腹の底から唸る。
「お前の母親の名前は、ポートガス・D・ルージュ。父親の死から1年と3ヶ月経った頃、父親の悪魔の血を引いて生まれてきたその子供。それがお前だ。そして父親の名は_____
海賊王、ゴールド・ロジャーだ」
恐らく全世界のほぼ全ての人間が驚いて息を吸ったことだろう。
記者も「まさか本当だったとは……」と、放送から目が離せなかった。そしてエースも否定することなく、ただただ己の未熟さと白ひげ達に迷惑をかけてしまっていることに下唇を噛んでいた。
ある者は言った。
「悪魔の子なんて捕まって良かったわ」
「ははは。最高のショーじゃないか」
「生きて売り飛ばしてたら、いくらしたかなぁ」
「だが、どちらにしろ、火拳のエースは終わりだな。だってこれから殺されるんだから」
そうやって、民衆の意識が憎悪に満ちている時。
1人が火拳のエースが映っているテレビを指さした。
「なあ、あそこ……。火拳のエースの後ろの空に何か見えないか?」