竈門家のお姉ちゃん
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身長が小さいこともあって離れたところから母親の腕の中を見た。きらきらとした目にぷにぷにの白い肌。興奮したような赤い顔。
目ほど物を言うという言葉がしっくりくるほど力強い眼がそこにあった。
新しい家族を優しく抱える母親を見て、私は隣にいた父親と顔を合わせる。父親と一緒に嬉しさで頬が緩んだ。
笑っているとお母さんが私を呼んだ。駆け足で近寄るとお母さんが微笑む。目線は腕の中の新しい家族に向けられていた。
「炭治郎、燈火お姉ちゃんだよ」
母が私の目線に合わせて抱える腕を下ろしてくれた。背伸びをして覗くと、またあの可愛らしい顔が見えてくる。
今度は遠くから見たよりもはっきりと見えた。たんじろう、炭治郎、炭治郎。頭の中でその名前を反芻して必死に覚える。
「よろしく、たんじろー」
この日、五歳の私は竈門家の長女となった。