夜の呼吸の少女
___夜の呼吸、壱の型 月喰
自分を軸に円を書くように刀を振る。椛を囲んでいた鬼達の頭が地面に転がる。
「君達が輪廻を周り、この地に帰ってくる時にはきっと、鬼舞辻無惨のいない世界になってるから。ごめんね…」
さらさらと消えていく鬼達を横目にその場を離れる。顔にはねた鬼の血を拭い、月を見上げる。
「……今日も月が綺麗だよ、兄さん」
兄の形見である白銀色の懐刀を胸に山をおりる。途中、微かに漂う鬼の匂い。やけに多い蜘蛛。ここはなんだっけ、なたなんちゃら山みたいな…なんて考えていると白い着物に白い髪の毛。真っ白な少年が現れた。鬼の匂いがするし、まず肌が白すぎる。まぁ、いいか。と素通りする。
「ねぇ、なんで無視するの」
通り過ぎる時か背中を見えたらすぐに襲うのかと思ったがそうではないらしい。
「君達を殺す事は私の任務じゃないからね、それだけ」
そう言って去っていた。変なの…なんて聞こえるが無視。変で結構、それが自分の個性だと思えばいい、と昔から自分に言い聞かせてきた。椛からすれば他の人が変なのだ。肉親や友を喰われ、恨み憎むのはよくわかる。殺す、そう思うのも。だが、彼らはもともとは人なのだ。鬼舞辻無惨とか言う男に望んだかどうかは知らないが、鬼にされ、人を食べたいという思いが生まれ、それを抑えつけたものは飢餓状態になり、凶暴化。結果人を襲うのだ。このことに気づいたときの椛は酷くショックを受けた。兄に守れと言われた人間。鬼達の正体は人間で、自分はそれを殺していると。だが、よく考えてみると戻し方もわからない。彼らも鬼になった本能か何かで人を食べているが本当は食べたいと思っていなかったかもしれない。そんな彼らを救う方法は?そう考えた時、彼女の頭に浮かんだのは鬼殺。ぐるり、と一周したかの様にみえたが、椛はそれにある事を付け加えた。鬼達の死ぬ間際、彼らに来世では鬼舞辻のいない、平和な世界を約束することだ。だから彼女は鬼を殺すと必ずや誓い、謝るのだ。だが、周りから見るとこれは変なようで。入隊してすぐ始めたこの行動は周りから少し、冷めた目で見られていた。
自分を軸に円を書くように刀を振る。椛を囲んでいた鬼達の頭が地面に転がる。
「君達が輪廻を周り、この地に帰ってくる時にはきっと、鬼舞辻無惨のいない世界になってるから。ごめんね…」
さらさらと消えていく鬼達を横目にその場を離れる。顔にはねた鬼の血を拭い、月を見上げる。
「……今日も月が綺麗だよ、兄さん」
兄の形見である白銀色の懐刀を胸に山をおりる。途中、微かに漂う鬼の匂い。やけに多い蜘蛛。ここはなんだっけ、なたなんちゃら山みたいな…なんて考えていると白い着物に白い髪の毛。真っ白な少年が現れた。鬼の匂いがするし、まず肌が白すぎる。まぁ、いいか。と素通りする。
「ねぇ、なんで無視するの」
通り過ぎる時か背中を見えたらすぐに襲うのかと思ったがそうではないらしい。
「君達を殺す事は私の任務じゃないからね、それだけ」
そう言って去っていた。変なの…なんて聞こえるが無視。変で結構、それが自分の個性だと思えばいい、と昔から自分に言い聞かせてきた。椛からすれば他の人が変なのだ。肉親や友を喰われ、恨み憎むのはよくわかる。殺す、そう思うのも。だが、彼らはもともとは人なのだ。鬼舞辻無惨とか言う男に望んだかどうかは知らないが、鬼にされ、人を食べたいという思いが生まれ、それを抑えつけたものは飢餓状態になり、凶暴化。結果人を襲うのだ。このことに気づいたときの椛は酷くショックを受けた。兄に守れと言われた人間。鬼達の正体は人間で、自分はそれを殺していると。だが、よく考えてみると戻し方もわからない。彼らも鬼になった本能か何かで人を食べているが本当は食べたいと思っていなかったかもしれない。そんな彼らを救う方法は?そう考えた時、彼女の頭に浮かんだのは鬼殺。ぐるり、と一周したかの様にみえたが、椛はそれにある事を付け加えた。鬼達の死ぬ間際、彼らに来世では鬼舞辻のいない、平和な世界を約束することだ。だから彼女は鬼を殺すと必ずや誓い、謝るのだ。だが、周りから見るとこれは変なようで。入隊してすぐ始めたこの行動は周りから少し、冷めた目で見られていた。
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