【FF14】メイドさんの夢旅行
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それからの魔導城は、目まぐるしい忙しさとともに、目に見えて変わっていった。
皇帝は元々支援していた劇団をはじめ、文化育成に力を入れ始めた。
神話や民間伝承の整理、神々や始まりの物語の体系化などが進められ、蛮神召喚の抑制ではなく、「神とは何か」「どう理解すべきか」という教育的観点からの再構築が図られた。
零災を含む過去の災厄の資料もアーカイブ化され、誰でも確認できるように整備されていく。
多種族向けの共通教育制度も導入され、「魂と記憶の哲学」が必修化される。
芸術の庇護も厚く、多種族による文化祭や交流祭では、花弁が舞うような繊細な花火が夜空を彩った。
さらには「守護者養成機関」も創設され、未来に起こるかもしれない災厄や選択の時に備えた人材の育成も始まる。
――アトラの知る限り、ソル帝はもともとこれらに似た取り組みを行っていた。
ボズヤ事件でも、帝国は教育制度を維持していたし、劇団への支援も以前からあった。
だが今の皇帝は、アシエンや自分に「対抗してみろ」と言わんばかりに、知識と教育を武器に変えようとしている。
そう思えるほど、彼の歩みは明確な意志と変化を帯びていた。
アトラは、教育制度や文化の拡充に次々と手を打っていく皇帝を見つめていた。
まるで未来に殴り書きするような勢いで、次の手を打っていく彼の姿に、思わず目を細める。
――やはり、この人は止まらない。
守るために戦い、背負うために進み、託すために残す。
たとえそれが、もう自分には届かない世界であっても。
知識が開かれたことにより、アトラも学ぶ機会を得た。
これからますます発展していくだろう。
アトラは手帳に“帝国の今”を淡々と記した。
数日後。
アトラは、密かに使いの者から伝えられた場所へ、一人向かうことになった。
皇帝が褒美を用意して待っている、と。
静かな廊下には誰もいない。
指定された部屋をノックする。
入るように言われ、扉を開ける。
薄暗い書斎の奥、重厚な木製の机の前に皇帝であるエメトセルクが立っていた。
窓から差し込む夕暮れの光が彼の影を長く伸ばし、室内を淡く照らしていた。
「お待たせしてしまいました。申し訳ありません」
アトラが礼を取ると、エメトセルクが手を上げてやめるように指示する。
「私が呼びつけたのだ。そう畏まらなくていい。
誰もが忙しい時期に、わざわざ時間を割かせたのは私の方だ。
……見てみるといい。これが、お前への褒美だ」
エメトセルクはゆっくりと部屋を見渡す。
そこには、壁一面を埋め尽くす書棚が並び、無数の古文書や巻物、魔導書が整然と並べられている。机の上には、まだ整理されていない資料の山がいくつも積まれていた。
「“新生”した文化記録局の書斎だ。ここで、お前の力を存分に振るってもらおう」
「書類整理……」
アトラは一瞬うんざりしかけたが、すぐに思い直す。
皇帝や高位者の顔色を窺う仕事より、机にかじりついて紙をいじっている方が、よほど性に合っている。
むしろ願ってもない任務だ。
ぱっと輝いたその目を、エメトセルクは冷ややかに追った。
「だが忘れるな。裏方の仕事は地味で重労働だ。華やかな旅人の姿は簡単には続けられぬ」
その言葉に、アトラは少し顔を曇らせた。
「……だが、お前には特別だ」
エメトセルクは薄く笑い、懐から小さな紋章のついた巻物を取り出す。
「これがあれば、文化記録局の調査名目で遠征に参加できる。つまり、“旅人”としての顔も残せるというわけだ」
アトラは巻物を受け取り、その重みを手のひらで感じた。
「自由と称されるものは、所詮は責任という檻だ」
彼はそっと机に手を置き、静かに続けた。
「だが、お前にはその檻の鍵も渡そう。裏方が世界を動かす。お前にしかできぬ役目だ」
アトラは深く頷き、書斎の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「ありがとうございます、エメトセルク様。必ず、この星の記憶を見届け、守り、未来へ繋げます」
エメトセルクは振り返りながら呟いた。
「あとは任せた」
その声に、アトラは静かに微笑み返した。
「あともう一つ、約束を果たしておくか」
「約束……ですか?」
皇帝が窓辺に立って、窓の外に目をやる。
アトラは不思議がって窓辺に駆け寄る。
「のわっ!」
アトラは驚いて目を見張る。
窓の外には、エメトセルクがかつて空を駆けるために乗っていた、今は“グラニ”と呼ばれる馬が、兵たちに引かれていた。
気性が荒いのか、3~4人がかりで手綱を引かれている。
「……あ、ああ~。乗せてもらうというお話……覚えていてくださったんですね」
思わず口元がほころび、素の声が漏れてしまう。
「旅の共に使ってやるといい」
「乗せてもらえる……でしょうか?」
誇り高い馬だとは聞いている。
アトラが不安げにつぶやくと、エメトセルクはポンとグラニの魔笛をアトラに渡す。
「乗せてもらえるまで励めばいいではないか」
そう言ってエメトセルクは手をひらひらと掲げて去っていく。
「そんな無茶な……」
その後、ダメ元でアトラは厩舎にへ確認しに行った。
グラニはまだ兵士たちに抵抗していたようで、自分の居場所に収められていなかった。
アトラが近づいて「よろしくお願いします」と礼をすると、あっさりとグラニはおとなしくなった。
鞍に乗るのも難なくできて、厩舎にも大人しく収まった。
(そういえば、過去の世界でも抵抗せず乗せてくれてたなあ。
もしかして、それが今でも有効なのかな?)
無事に乗せてもらえるか、などエメトセルクが過去に解決済みだった。
――今さら不安がるアトラに、あえて何も言わなかっただけだった。
本当は最初から、乗れるとわかっていたくせに。
皇帝は元々支援していた劇団をはじめ、文化育成に力を入れ始めた。
神話や民間伝承の整理、神々や始まりの物語の体系化などが進められ、蛮神召喚の抑制ではなく、「神とは何か」「どう理解すべきか」という教育的観点からの再構築が図られた。
零災を含む過去の災厄の資料もアーカイブ化され、誰でも確認できるように整備されていく。
多種族向けの共通教育制度も導入され、「魂と記憶の哲学」が必修化される。
芸術の庇護も厚く、多種族による文化祭や交流祭では、花弁が舞うような繊細な花火が夜空を彩った。
さらには「守護者養成機関」も創設され、未来に起こるかもしれない災厄や選択の時に備えた人材の育成も始まる。
――アトラの知る限り、ソル帝はもともとこれらに似た取り組みを行っていた。
ボズヤ事件でも、帝国は教育制度を維持していたし、劇団への支援も以前からあった。
だが今の皇帝は、アシエンや自分に「対抗してみろ」と言わんばかりに、知識と教育を武器に変えようとしている。
そう思えるほど、彼の歩みは明確な意志と変化を帯びていた。
アトラは、教育制度や文化の拡充に次々と手を打っていく皇帝を見つめていた。
まるで未来に殴り書きするような勢いで、次の手を打っていく彼の姿に、思わず目を細める。
――やはり、この人は止まらない。
守るために戦い、背負うために進み、託すために残す。
たとえそれが、もう自分には届かない世界であっても。
知識が開かれたことにより、アトラも学ぶ機会を得た。
これからますます発展していくだろう。
アトラは手帳に“帝国の今”を淡々と記した。
数日後。
アトラは、密かに使いの者から伝えられた場所へ、一人向かうことになった。
皇帝が褒美を用意して待っている、と。
静かな廊下には誰もいない。
指定された部屋をノックする。
入るように言われ、扉を開ける。
薄暗い書斎の奥、重厚な木製の机の前に皇帝であるエメトセルクが立っていた。
窓から差し込む夕暮れの光が彼の影を長く伸ばし、室内を淡く照らしていた。
「お待たせしてしまいました。申し訳ありません」
アトラが礼を取ると、エメトセルクが手を上げてやめるように指示する。
「私が呼びつけたのだ。そう畏まらなくていい。
誰もが忙しい時期に、わざわざ時間を割かせたのは私の方だ。
……見てみるといい。これが、お前への褒美だ」
エメトセルクはゆっくりと部屋を見渡す。
そこには、壁一面を埋め尽くす書棚が並び、無数の古文書や巻物、魔導書が整然と並べられている。机の上には、まだ整理されていない資料の山がいくつも積まれていた。
「“新生”した文化記録局の書斎だ。ここで、お前の力を存分に振るってもらおう」
「書類整理……」
アトラは一瞬うんざりしかけたが、すぐに思い直す。
皇帝や高位者の顔色を窺う仕事より、机にかじりついて紙をいじっている方が、よほど性に合っている。
むしろ願ってもない任務だ。
ぱっと輝いたその目を、エメトセルクは冷ややかに追った。
「だが忘れるな。裏方の仕事は地味で重労働だ。華やかな旅人の姿は簡単には続けられぬ」
その言葉に、アトラは少し顔を曇らせた。
「……だが、お前には特別だ」
エメトセルクは薄く笑い、懐から小さな紋章のついた巻物を取り出す。
「これがあれば、文化記録局の調査名目で遠征に参加できる。つまり、“旅人”としての顔も残せるというわけだ」
アトラは巻物を受け取り、その重みを手のひらで感じた。
「自由と称されるものは、所詮は責任という檻だ」
彼はそっと机に手を置き、静かに続けた。
「だが、お前にはその檻の鍵も渡そう。裏方が世界を動かす。お前にしかできぬ役目だ」
アトラは深く頷き、書斎の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「ありがとうございます、エメトセルク様。必ず、この星の記憶を見届け、守り、未来へ繋げます」
エメトセルクは振り返りながら呟いた。
「あとは任せた」
その声に、アトラは静かに微笑み返した。
「あともう一つ、約束を果たしておくか」
「約束……ですか?」
皇帝が窓辺に立って、窓の外に目をやる。
アトラは不思議がって窓辺に駆け寄る。
「のわっ!」
アトラは驚いて目を見張る。
窓の外には、エメトセルクがかつて空を駆けるために乗っていた、今は“グラニ”と呼ばれる馬が、兵たちに引かれていた。
気性が荒いのか、3~4人がかりで手綱を引かれている。
「……あ、ああ~。乗せてもらうというお話……覚えていてくださったんですね」
思わず口元がほころび、素の声が漏れてしまう。
「旅の共に使ってやるといい」
「乗せてもらえる……でしょうか?」
誇り高い馬だとは聞いている。
アトラが不安げにつぶやくと、エメトセルクはポンとグラニの魔笛をアトラに渡す。
「乗せてもらえるまで励めばいいではないか」
そう言ってエメトセルクは手をひらひらと掲げて去っていく。
「そんな無茶な……」
その後、ダメ元でアトラは厩舎にへ確認しに行った。
グラニはまだ兵士たちに抵抗していたようで、自分の居場所に収められていなかった。
アトラが近づいて「よろしくお願いします」と礼をすると、あっさりとグラニはおとなしくなった。
鞍に乗るのも難なくできて、厩舎にも大人しく収まった。
(そういえば、過去の世界でも抵抗せず乗せてくれてたなあ。
もしかして、それが今でも有効なのかな?)
無事に乗せてもらえるか、などエメトセルクが過去に解決済みだった。
――今さら不安がるアトラに、あえて何も言わなかっただけだった。
本当は最初から、乗れるとわかっていたくせに。