【FF14】メイドさんの夢旅行
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「アトラ、夢幻を――」
「はい、エメトセルク様、その……夢幻をその――」
意思疎通はできているものの、解決方法を発見した興奮で言葉にならない。
創造ではなく想像が肝になる夢幻の力。
デュナミスの生み出した幻のようなもの。
――とくれば、創造では届かなかった“あり得る未来”の力。
絶望の先に、可能性という幻を現実にした。
そのこともあり、言葉にするのは難しかった。
特にアトラが。
エメトセルクはいったん首を振る。
下手に理論立てては、その想像を崩してしまいかねないので、これ以上の理屈は控えた。
「とにかくだ。目の前に見える景色全部変えてしまえ。あとは私が補強する」
「わっかりました!」
アトラは目を瞑る。
絶望を墓に送り、星海で眠らせてしまおう。
人々の愛した青い星アーテリス。
星を渡る竜が「最後の希望」と言った。
星の色そのものが、希望の鳥の色。
そして、その星を照らしてくれる希望の太陽。
夢幻の力は、世界を染めた。
もうそれを止める者はいない。
絶望で冷え切って、燃え上がった世界を包み込むように姿を変える。
草原の緑が風に揺れ、風が命を運び、透き通った群青の宙 。
いくつでも星座を思い描ける満天の星。
沈みゆくのが惜しいほど美しいオレンジの太陽が、群青とオレンジのグラデーションに空を染めていく。
『星見の頂』と呼ばれるにふさわしい世界を、幻と思えないほど本当の世界のように思い描く。
エメトセルクが目を瞑り、手を掲げる。
指で鳴らす小気味よい音が空間に響いた。
燃えた森も、冷え切った空の気配も消えて、本物の夕日に体が照らされた。
そのすべてにエメトセルクが手を加えたことによってエーテルが戻り、命は息吹を取り戻す。
みんな、その空の情景を目に焼き付けていた。
何かがあと少しで、終わってしまうのが惜しいほどに、美しかった。
「ありがとう。これで……ようやく――」
アゼムが夕日を見つめて、目を細める。
「これで“助け”になったのでしょうか?」
アトラは、自分の生み出した幻が十分だったか、つい確認してしまう。
「いや、“託せた”」
アゼムは呼び出した使い魔に乗って、振り向いた。
「ほかにも、被害にあった人たちがいる。だから、もう行く」
「……もう行くのか」
エメトセルクは、アゼムの行いに納得しているわけではなかった。
眉間のしわを濃くしながら、アゼムをにらむ。
――お前が“みんな”を守ってくれてるから、俺は“誰か”を助けに行けるんだ。
勝手ばかり言うが――ありがとう。
「勝手ばかり……だと?」
いまのいままで、自分が勝手だったと認めたことなど一度もなかった。
むしろそんなつもりもないものだと。
今更。今更そんな風に言うのかと。
「お前はいつだって……厄介な奴だ」
観念したかのように、エメトセルクはアゼムをにらむ目が緩む。
エメトセルクは腕を組んで、捨てセリフのように言う。
「どこへでも行け。私は、お前に託されたものを預かっておいてやる」
アゼムは確かに笑って、使い魔に乗って飛んでいく。
その背を見送って、四人は顔を見合わせた。
「では、カロンの荷物はキャンプにおいて……帰りましょうか。
ふふ……魔法術式のことについては、聞きそびれてしまいましたが、それ以上のものが得られました」
それぞれが、それぞれの帰路へとつく。
ヴェーネスはまだ用事があったため、アーモロートへ帰っていくメンバーとは別れた。
「じゃあ、私はヴェーネス様と今夜はキャンプで過ごします。エメトセルク様、アティウスちゃん、また会いましょう!」
カロンは今夜だけヴェーネスと行動を共にして、キャンプで一晩過ごす。
エメトセルクとアトラは、使い魔に乗って空を飛んでいた。
「このまま、まっすぐアーモロートへ帰るぞ」
「最後までお世話になります」
エメトセルクは風を切って、爽やかな空気に身を任せる。
その余韻の中で、アトラは手にしたクリスタルを見下ろし、ぼそっとつぶやいた。
「……よかったのかな。私、エメトセルク様とアゼム様、二人のあいだに、余計なことしただけなんじゃないですかね?」
アトラはエメトセルクとアゼムの仲を取り持ったことを、少し思い悩んでいた。
アトラはいまさら、アゼムとエメトセルクを無理に連れ回したことを思い返していた。
猫背が伸びたわけでも、目の疲れが消えたわけでもない。
エメトセルクは依然として、世界の命運を背負っているように見えた。
会話も十分にできたわけではなかった。
それを聞いたエメトセルクが、呆れたように肩をすくめる。
「くだらないことに時間を使っている場合か」
「え、いや、でも、ちょっと、気になるっていうか……」
古代人が時間を気にする様子にアトラは拍子抜けして、言葉が途切れ途切れになる。
「お前にはやりたいことがあるのだろう。その程度のものだったのか?」
「うう……違います。ちゃんとやります」
エメトセルクの言葉は厳しいが、その口調はどこか、頼もしさを認めているようでもあった。
「恩師への恩返しと、あとは“主人”の報告が待ってるんじゃないのか?」
「あっ、そうでした……!」
すっかり忘れていた、とアトラは額に手を当てる。
アトラは額に手を当てて、軽く笑った。
「はい、エメトセルク様、その……夢幻をその――」
意思疎通はできているものの、解決方法を発見した興奮で言葉にならない。
創造ではなく想像が肝になる夢幻の力。
デュナミスの生み出した幻のようなもの。
――とくれば、創造では届かなかった“あり得る未来”の力。
絶望の先に、可能性という幻を現実にした。
そのこともあり、言葉にするのは難しかった。
特にアトラが。
エメトセルクはいったん首を振る。
下手に理論立てては、その想像を崩してしまいかねないので、これ以上の理屈は控えた。
「とにかくだ。目の前に見える景色全部変えてしまえ。あとは私が補強する」
「わっかりました!」
アトラは目を瞑る。
絶望を墓に送り、星海で眠らせてしまおう。
人々の愛した青い星アーテリス。
星を渡る竜が「最後の希望」と言った。
星の色そのものが、希望の鳥の色。
そして、その星を照らしてくれる希望の太陽。
夢幻の力は、世界を染めた。
もうそれを止める者はいない。
絶望で冷え切って、燃え上がった世界を包み込むように姿を変える。
草原の緑が風に揺れ、風が命を運び、透き通った群青の
いくつでも星座を思い描ける満天の星。
沈みゆくのが惜しいほど美しいオレンジの太陽が、群青とオレンジのグラデーションに空を染めていく。
『星見の頂』と呼ばれるにふさわしい世界を、幻と思えないほど本当の世界のように思い描く。
エメトセルクが目を瞑り、手を掲げる。
指で鳴らす小気味よい音が空間に響いた。
燃えた森も、冷え切った空の気配も消えて、本物の夕日に体が照らされた。
そのすべてにエメトセルクが手を加えたことによってエーテルが戻り、命は息吹を取り戻す。
みんな、その空の情景を目に焼き付けていた。
何かがあと少しで、終わってしまうのが惜しいほどに、美しかった。
「ありがとう。これで……ようやく――」
アゼムが夕日を見つめて、目を細める。
「これで“助け”になったのでしょうか?」
アトラは、自分の生み出した幻が十分だったか、つい確認してしまう。
「いや、“託せた”」
アゼムは呼び出した使い魔に乗って、振り向いた。
「ほかにも、被害にあった人たちがいる。だから、もう行く」
「……もう行くのか」
エメトセルクは、アゼムの行いに納得しているわけではなかった。
眉間のしわを濃くしながら、アゼムをにらむ。
――お前が“みんな”を守ってくれてるから、俺は“誰か”を助けに行けるんだ。
勝手ばかり言うが――ありがとう。
「勝手ばかり……だと?」
いまのいままで、自分が勝手だったと認めたことなど一度もなかった。
むしろそんなつもりもないものだと。
今更。今更そんな風に言うのかと。
「お前はいつだって……厄介な奴だ」
観念したかのように、エメトセルクはアゼムをにらむ目が緩む。
エメトセルクは腕を組んで、捨てセリフのように言う。
「どこへでも行け。私は、お前に託されたものを預かっておいてやる」
アゼムは確かに笑って、使い魔に乗って飛んでいく。
その背を見送って、四人は顔を見合わせた。
「では、カロンの荷物はキャンプにおいて……帰りましょうか。
ふふ……魔法術式のことについては、聞きそびれてしまいましたが、それ以上のものが得られました」
それぞれが、それぞれの帰路へとつく。
ヴェーネスはまだ用事があったため、アーモロートへ帰っていくメンバーとは別れた。
「じゃあ、私はヴェーネス様と今夜はキャンプで過ごします。エメトセルク様、アティウスちゃん、また会いましょう!」
カロンは今夜だけヴェーネスと行動を共にして、キャンプで一晩過ごす。
エメトセルクとアトラは、使い魔に乗って空を飛んでいた。
「このまま、まっすぐアーモロートへ帰るぞ」
「最後までお世話になります」
エメトセルクは風を切って、爽やかな空気に身を任せる。
その余韻の中で、アトラは手にしたクリスタルを見下ろし、ぼそっとつぶやいた。
「……よかったのかな。私、エメトセルク様とアゼム様、二人のあいだに、余計なことしただけなんじゃないですかね?」
アトラはエメトセルクとアゼムの仲を取り持ったことを、少し思い悩んでいた。
アトラはいまさら、アゼムとエメトセルクを無理に連れ回したことを思い返していた。
猫背が伸びたわけでも、目の疲れが消えたわけでもない。
エメトセルクは依然として、世界の命運を背負っているように見えた。
会話も十分にできたわけではなかった。
それを聞いたエメトセルクが、呆れたように肩をすくめる。
「くだらないことに時間を使っている場合か」
「え、いや、でも、ちょっと、気になるっていうか……」
古代人が時間を気にする様子にアトラは拍子抜けして、言葉が途切れ途切れになる。
「お前にはやりたいことがあるのだろう。その程度のものだったのか?」
「うう……違います。ちゃんとやります」
エメトセルクの言葉は厳しいが、その口調はどこか、頼もしさを認めているようでもあった。
「恩師への恩返しと、あとは“主人”の報告が待ってるんじゃないのか?」
「あっ、そうでした……!」
すっかり忘れていた、とアトラは額に手を当てる。
アトラは額に手を当てて、軽く笑った。