【FF14】メイドさんの夢旅行
名前変換はこちら。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここは天脈ってのが薄いらしい。その拍子か、災厄の残滓が入り込んだ」
そうアゼムがみんなに振り向いて説明する。
エメトセルク、アトラ、ヴェーネス、カロンの視線が一点に集まる。
「では、“あれ”を倒せば事は済むのか?」
エメトセルクが杖を構えて、メーティオンを見据える。
「いいや。
こちらが希望を感じれば問題なく消えていくはずだ。
“あれ”はもう、干渉するほどの力を持たない。
特殊なエネルギーを使っていて、エーテルは効かない。
物理攻撃も当たらない状態だ。
だからみんな」
「……なんだ。魔法も効かないのか」
「この空間は、自分に共鳴して起きてしまった。
だから……ごめん。自分に、もう一度……希望を感じさせてほしい。
君たちの言葉で、行動で、思い出で――どんな形でもいい」
「……はあ?」
エメトセルクは、これでもかとしかめ面をする。
「頼む、時間がない。協力してほしい」
この場面で渋っているのはエメトセルクだけ。
全員の視線が「はい、どうぞ」とでも言うように集中する。
ため息をつきながら、彼は自分が逃げられないことを悟った。
「……いいだろう」
アゼムが友のため息に小さく笑うと、天を仰いだ。
友、三人の思い出の場所は、まだ朱く染まっている。
「覚えているか。
この星見の頂の空を、3人で使い魔で飛んだんだ」
「……ああ」
「思い出して、来てみたくなったんだ。
それから、キャンプ場を整えて、船を作った。
そのまま実験場まで作ったんだ。
自分自身に、克つために」
エメトセルクは、ふつふつと苛立ちが体の底から湧くような感覚になる。
「思い出したから、座を空けたのか?
自分ひとりだけで、実験をするために?」
エメトセルクは歯を噛み締め拳を握る。
3人の友人での思い出に浸るのは良い。
その場所に来ることも。
だが、敬愛するその人物が、まさか世界の危機にそんなことをしていることが、エメトセルクはまだ理解しがたかった。
いつものように、こちらが「仕方ない」と言うまで頼ってくれば手を貸せたのに、と。
どんな時でも、どんなくだらない理由でも、アゼムは世界を見捨てなかった。
「そんな……ことで……!」
エメトセルクは拳を握り、震える唇を噛んだ。
心の奥で理解したくない感情が暴れていた。
“尊敬”と“裏切られたような痛み”が、言葉に変わって溢れてくる。
「この星の危機だというのに、お前はどこへ逃げる気だ!
いつもそうだ。全部人に任せて、自分だけが飛んで行く」
「逃げてなんかいないさ。
ただ、今、ここで俺がするべきことは……それじゃないと思った。
お前が世界を護ってくれるなら、俺は“この星の先”を見に行く。
それが、まだ誰も知らない“可能性”なら……それもまた、希望だろう?」
「……そんな言葉、ただの言い訳に聞こえるんだがな。
でも……お前はいつだって、そうだった。未来を信じて飛び込むバカだ」
それでも。
信じることを、やめる。
そんなことができないのは、エメトセルク本人が一番わかっていた。
「俺がいなくても、きっとエメトセルクなら守れるよ。
だから俺は、別の場所からこの星を守る
この未来は、“お前が信じていい未来”にする」
アゼムの蒼い目と、エメトセルクの金の目が交差する。
「ならば……私が引き継ぐ。お前が諦めた理想を、もう一度」
「――ありがとう。エメトセルクになら、この星も……俺の気持ちも、託せる」
アゼムが、ヴェーネスと目を合わせる。
「エルピスで視てきたんだ。
あなたに教えてもらった方法で。
青い鳥と、“アゼムの使い魔”を」
ヴェーネスには、その一言でよかった。
彼女は目を見開いて、喜びで胸いっぱいになって、ゆっくりとほほ笑んだ。
「ああ、本当に。私たちは、この世界が愛おしい。
そこは、これからも、ずっとずっと、一緒なのでしょうね」
アゼムは、その言葉に目をいっぱい見開き、輝かせた。
アゼムの胸は、あたたかい気持ちでいっぱいになる。
その余韻に、誰も言葉を挟まなかった。
全身にその気持ちが巡って、その心地よさにゆっくりと目を閉じる。
「――うん」
アゼムは、目をゆっくりと開き、ヴェーネスの目をまっすぐに見てうなずいた。
「カロン。
また届けてくれて、ありがとう」
アゼムはカロンの荷物を見て、申し訳なさそうに肩をすくめた。
「この様子じゃ、受け取りはできなさそうですから……
帰り際、昨日泊まったキャンプに置いておきますよ。
んふ、どうなっても知りませんからね?」
カロンは笑っていたが、ほんの少し、荷物を抱き締める手に力がこもった。
それは、確かに“届いてほしい”という思いの重みだった。
イデアの配達人。カロンはどこまでも届けに行く。
雨の日も風の日も、沼地も森も。
「私は運び人。自分の希望だけは、自分で持っておきたい。
だけど、助けが必要な時は、またいつでも呼んでくださいね。
いつだってどこだって、たどり着いてみせますから」
「うん。頼んだよ」
アゼムが、アトラと、その胸元にあるクリスタルを見る。
「喚んでもらえて、よかった」
アトラはクリスタルを強く握る。
さっきエメトセルクに言いたいことは、本人に聞こえていないとはいえ、言っておいた。
アゼムには、特に聞いておこうというものがなかった。
エメトセルクのことをどう思っているか、結局この流れだと聞けそうにはない。
そもそも、相手はエメトセルクと仲違いや確執があると、つま先ほども思っていないだろう。
それがアゼムと対峙して分かったアトラは、光り輝く希望の大輪の目を見て思ったことを言った。
「あの、あなたが、世界が危ないことになっても……その、旅を続けるのは、どうして……?」
今さっき浮かんだ問い。何と言葉にすればいいかも分からず、アトラは手探りで、声にしていった。
でも、アゼムはアトラが何と言うのかがわかっていたし、何と答えるかも決まっていた。
アゼムは、クリスタルの光のようなまなざしでアトラを見つめ、口元をゆるめた。
「――人には、前にしか目が付いていないだろう!」
迫った状況で放った一言。
だからこそ、くっきりアゼムの信念が表れていた。
アトラは一瞬あっけにとられて、ふっと口元がゆるんだ。
「そっ……か。前に。ずっとずっと、前に――」
進み続ける。
まっすぐで、とてつもなく純粋。
アトラはクリスタルを包むように握りなおした。
「まったく。ヒュトロダエウスが聞けば、うしろに目が付いた創造生物の登録を募集しだすぞ」
「え? エメトセルク様、もうそのイデアあります」
「何だと?」
エメトセルクが軽口を言ったつもりが、カロンは該当するイデアを知っていたことで冗談ではなくなった。
それにヴェーネスとアゼムが笑いを漏らす。
はた、とヴェーネスがアゼムの後ろを見れば、少女の影は跡形もなく消えていた。
みんながそれを認識したものの、空は依然と赤黒い雲に覆われたままだった。
「どうやらまだ、空は晴れないようですね……」
ヴェーネスが空を見上げても、収まることはない様子だった。
メーティオンの影が消えても、暗い絶望の空間は続く。
発生源である湖は消えても、森は燃え続けた。
「おかしいですね、もう観測はできないのに……」
カロンが測定器を確認しても、原因がわからない。
「もうこの場所は、現実じゃない。ただの記憶の残滓。幻のはずなのに……。なぜだ」
アゼムがそう呟けば、エメトセルクがピンときた顔でアトラを見る。
同じように空を見上げていたアトラはキョトンとしてエメトセルクを見れば、これまたピンときた顔で何度もうなずいた。
そうアゼムがみんなに振り向いて説明する。
エメトセルク、アトラ、ヴェーネス、カロンの視線が一点に集まる。
「では、“あれ”を倒せば事は済むのか?」
エメトセルクが杖を構えて、メーティオンを見据える。
「いいや。
こちらが希望を感じれば問題なく消えていくはずだ。
“あれ”はもう、干渉するほどの力を持たない。
特殊なエネルギーを使っていて、エーテルは効かない。
物理攻撃も当たらない状態だ。
だからみんな」
「……なんだ。魔法も効かないのか」
「この空間は、自分に共鳴して起きてしまった。
だから……ごめん。自分に、もう一度……希望を感じさせてほしい。
君たちの言葉で、行動で、思い出で――どんな形でもいい」
「……はあ?」
エメトセルクは、これでもかとしかめ面をする。
「頼む、時間がない。協力してほしい」
この場面で渋っているのはエメトセルクだけ。
全員の視線が「はい、どうぞ」とでも言うように集中する。
ため息をつきながら、彼は自分が逃げられないことを悟った。
「……いいだろう」
アゼムが友のため息に小さく笑うと、天を仰いだ。
友、三人の思い出の場所は、まだ朱く染まっている。
「覚えているか。
この星見の頂の空を、3人で使い魔で飛んだんだ」
「……ああ」
「思い出して、来てみたくなったんだ。
それから、キャンプ場を整えて、船を作った。
そのまま実験場まで作ったんだ。
自分自身に、克つために」
エメトセルクは、ふつふつと苛立ちが体の底から湧くような感覚になる。
「思い出したから、座を空けたのか?
自分ひとりだけで、実験をするために?」
エメトセルクは歯を噛み締め拳を握る。
3人の友人での思い出に浸るのは良い。
その場所に来ることも。
だが、敬愛するその人物が、まさか世界の危機にそんなことをしていることが、エメトセルクはまだ理解しがたかった。
いつものように、こちらが「仕方ない」と言うまで頼ってくれば手を貸せたのに、と。
どんな時でも、どんなくだらない理由でも、アゼムは世界を見捨てなかった。
「そんな……ことで……!」
エメトセルクは拳を握り、震える唇を噛んだ。
心の奥で理解したくない感情が暴れていた。
“尊敬”と“裏切られたような痛み”が、言葉に変わって溢れてくる。
「この星の危機だというのに、お前はどこへ逃げる気だ!
いつもそうだ。全部人に任せて、自分だけが飛んで行く」
「逃げてなんかいないさ。
ただ、今、ここで俺がするべきことは……それじゃないと思った。
お前が世界を護ってくれるなら、俺は“この星の先”を見に行く。
それが、まだ誰も知らない“可能性”なら……それもまた、希望だろう?」
「……そんな言葉、ただの言い訳に聞こえるんだがな。
でも……お前はいつだって、そうだった。未来を信じて飛び込むバカだ」
それでも。
信じることを、やめる。
そんなことができないのは、エメトセルク本人が一番わかっていた。
「俺がいなくても、きっとエメトセルクなら守れるよ。
だから俺は、別の場所からこの星を守る
この未来は、“お前が信じていい未来”にする」
アゼムの蒼い目と、エメトセルクの金の目が交差する。
「ならば……私が引き継ぐ。お前が諦めた理想を、もう一度」
「――ありがとう。エメトセルクになら、この星も……俺の気持ちも、託せる」
アゼムが、ヴェーネスと目を合わせる。
「エルピスで視てきたんだ。
あなたに教えてもらった方法で。
青い鳥と、“アゼムの使い魔”を」
ヴェーネスには、その一言でよかった。
彼女は目を見開いて、喜びで胸いっぱいになって、ゆっくりとほほ笑んだ。
「ああ、本当に。私たちは、この世界が愛おしい。
そこは、これからも、ずっとずっと、一緒なのでしょうね」
アゼムは、その言葉に目をいっぱい見開き、輝かせた。
アゼムの胸は、あたたかい気持ちでいっぱいになる。
その余韻に、誰も言葉を挟まなかった。
全身にその気持ちが巡って、その心地よさにゆっくりと目を閉じる。
「――うん」
アゼムは、目をゆっくりと開き、ヴェーネスの目をまっすぐに見てうなずいた。
「カロン。
また届けてくれて、ありがとう」
アゼムはカロンの荷物を見て、申し訳なさそうに肩をすくめた。
「この様子じゃ、受け取りはできなさそうですから……
帰り際、昨日泊まったキャンプに置いておきますよ。
んふ、どうなっても知りませんからね?」
カロンは笑っていたが、ほんの少し、荷物を抱き締める手に力がこもった。
それは、確かに“届いてほしい”という思いの重みだった。
イデアの配達人。カロンはどこまでも届けに行く。
雨の日も風の日も、沼地も森も。
「私は運び人。自分の希望だけは、自分で持っておきたい。
だけど、助けが必要な時は、またいつでも呼んでくださいね。
いつだってどこだって、たどり着いてみせますから」
「うん。頼んだよ」
アゼムが、アトラと、その胸元にあるクリスタルを見る。
「喚んでもらえて、よかった」
アトラはクリスタルを強く握る。
さっきエメトセルクに言いたいことは、本人に聞こえていないとはいえ、言っておいた。
アゼムには、特に聞いておこうというものがなかった。
エメトセルクのことをどう思っているか、結局この流れだと聞けそうにはない。
そもそも、相手はエメトセルクと仲違いや確執があると、つま先ほども思っていないだろう。
それがアゼムと対峙して分かったアトラは、光り輝く希望の大輪の目を見て思ったことを言った。
「あの、あなたが、世界が危ないことになっても……その、旅を続けるのは、どうして……?」
今さっき浮かんだ問い。何と言葉にすればいいかも分からず、アトラは手探りで、声にしていった。
でも、アゼムはアトラが何と言うのかがわかっていたし、何と答えるかも決まっていた。
アゼムは、クリスタルの光のようなまなざしでアトラを見つめ、口元をゆるめた。
「――人には、前にしか目が付いていないだろう!」
迫った状況で放った一言。
だからこそ、くっきりアゼムの信念が表れていた。
アトラは一瞬あっけにとられて、ふっと口元がゆるんだ。
「そっ……か。前に。ずっとずっと、前に――」
進み続ける。
まっすぐで、とてつもなく純粋。
アトラはクリスタルを包むように握りなおした。
「まったく。ヒュトロダエウスが聞けば、うしろに目が付いた創造生物の登録を募集しだすぞ」
「え? エメトセルク様、もうそのイデアあります」
「何だと?」
エメトセルクが軽口を言ったつもりが、カロンは該当するイデアを知っていたことで冗談ではなくなった。
それにヴェーネスとアゼムが笑いを漏らす。
はた、とヴェーネスがアゼムの後ろを見れば、少女の影は跡形もなく消えていた。
みんながそれを認識したものの、空は依然と赤黒い雲に覆われたままだった。
「どうやらまだ、空は晴れないようですね……」
ヴェーネスが空を見上げても、収まることはない様子だった。
メーティオンの影が消えても、暗い絶望の空間は続く。
発生源である湖は消えても、森は燃え続けた。
「おかしいですね、もう観測はできないのに……」
カロンが測定器を確認しても、原因がわからない。
「もうこの場所は、現実じゃない。ただの記憶の残滓。幻のはずなのに……。なぜだ」
アゼムがそう呟けば、エメトセルクがピンときた顔でアトラを見る。
同じように空を見上げていたアトラはキョトンとしてエメトセルクを見れば、これまたピンときた顔で何度もうなずいた。