【FF14】メイドさんの夢旅行
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――……理想は、未来は、どうなるんだ。自分は一体、誰が救ってくれる?
呟きとも、嘆きとも、声とも聞き取れない、影の声が響く。
それは、アゼムだった。
……いや、“かつてのアゼム”の残滓。
アトラはアゼムの影に駆け寄り、囁くように語る。
「……あなたの希望は、私がとっくに信じてる」
影がそっと、顔をあげる。
「私は……あなたの未来に、ちゃんと会っているんです」
アトラは手を差し出す。
影はその手をおずおずと握り、ゆっくりと立ち上がる。
「そこでもあなたはね、私を救ってくれた。
世界をすでに救ったあとだった。
あなたがいてくれて、ありがとう。
私の一番の英雄。星の希望」
アトラはアゼムの影とまっすぐ向き合う。
「……未来のエメトセルク様と、約束したんです。
“アゼム様に、一緒に会いに行こう”って。
だから、今度は……あなたも、一緒に」
アトラは両手を広げて、親愛を示す。
アゼムの影が、そっとアトラに触れた。
それはまるで、希望が形になったような――小さな抱擁だった。
「もし、これからの未来に……一緒に行ってもいいなら、私もその未来に行きます。
でもきっと、アゼム様のほうが、先に飛び出していっちゃうんでしょうね。
きっと、そういう人だから!」
……カーン――!!
弾ける音と、まばゆい光がアトラとアゼムの影を包む。
やがて目が慣れてきたアトラの視界に、アゼムの紋章を模した光の魔法陣が浮かび上がる。
それは幾重にも重なった希望の螺旋――星の意思が形になったものだった。
先ほどまで小さく光っていたアトラのクリスタルは、強い光を放って輝いていた。
「クリスタルが……」
アトラが驚きに瞬いていると、魔法陣の中心から現れた一筋の閃光が、剣となって虚空を切り裂く。
それは、まるで希望そのものが形を取ったかのようだった。
空間が揺れる。絶望の霧が、風のように吹き飛ばされていく。
「みんな! 希望を持て!
この星には、まだ立ち上がる力がある!」
英雄の声が、響き渡る。
アゼムの残滓は、静かに霧のように溶けていく。
一瞬の静寂の後、空間を満たすのは、再び赤黒い雲と燃えさかる森。
エメトセルク、ヴェーネス、カロンが膝をついてうなだれていた。
黒い涙の湖は、もう、跡形もなく消えていた。
輝く魔法陣の中心に、ひとりの影が立っていた。
握られた剣には決意が宿り、盾には仲間たちの意志が刻まれている。
それは、星に選ばれし者――アゼム、その人だった。
「え、アゼム様、なんで……じゃあさっきのは……」
魔法陣に喚ばれて現れたアゼム。
あの絶望の影は、本当にアゼムの絶望が影になってそこにあるだけだった。
(てっきりエメトセルク様みたいに影が薄れて姿が戻るものかと……)
本人は剣を構え、静かに立っていた。
その身を包む光の粒子は、まるでかつての師が教えた意思そのもののように、彼を包んでいた。
アトラは少しため息が漏れる。
ヴェーネスが、ゆっくりと目を開ける。
倒れていた地面の温度、土の匂い。周囲にある命の気配。それらが現実の感触として戻ってくる。
彼女の肩が、小さく震えた。だが、それは恐怖ではなかった。
「ふふ……やはり、この気持ちだけは、どんなものでさえも変えることはできないのですね。安心しました。
ならば、私はまた歩き出せます」
例えこの身が絶望に打ちひしがれようとも。
ヴェーネスは絶望に打ちひしがれるどころか、焚きつけられて立ち上がる。
アトラは苦笑いしながらつぶやく。「精神もゴリラだ」
続いて、エメトセルクも身を起こす。額には冷たい汗が滲み、眉間には深い皺。
彼はただ黙って、立ち上がった。
振り返ると、同じように膝をつきながらも、真っすぐ前を向くカロンの姿が見える。
皆、何も言わなかった。
言葉の代わりに、深く息を吐いた。
それぞれが目を伏せ、次に顔を上げた時、
その瞳には、まだ焼きつく絶望と、乗り越えた者だけが持つ光が宿っていた。
アゼムは、静かに語り出した。
その声は、まるで遠い記憶をひとつひとつ拾い上げるようだった。
「……ここは、元々、自分の絶望が暴走しないように作った“場”だ。
自分の中に、希望がどれほど根を張っているか――確かめるためのものだった」
語られる言葉には、悔いも、誇りもなかった。ただ事実を並べているように聞こえた。
「けれど……メーティオンの意識の欠片が、この空間の隙をついて入り込んだ。
誰かが強く絶望を抱けば、共鳴して形を持つ」
アゼムはふっと視線を伏せる。
指先が、何かを思い出すように、空をなぞるように揺れていた。
「だから、内側から結界を張って、時を稼いだ。
自分ひとりでは、もう――押し留めきれなかったから」
そうして、彼はまっすぐこちらを見た。
その瞳には、どこまでも澄んだ光と、どこまでも深い孤独が宿っていた。
「君たちが来てくれた。それだけで、十分だった。
この結界の“意思”が、君たちを選んだというなら……それが、答えなんだろう。
実は、君にあげたクリスタルの首飾り――自分も魔力を込めていてね。
エメトセルクには黙っていたけど、召喚術を仕込んでいて正解だったな。
……まったく、君にはいつも助けられてばかりだ。」
アゼムは口元に人差し指を立てて、アトラにサインを送る。
「アゼム、お前……」
エメトセルクは、言いたいことが山ほどありながら、そのどれもが口から出ることはなかった。
それよりも解決しなくてはいけないことが、先にあった。
「……あの子は……」
ヴェーネスの視線の先に、それはいた。
みんなの視線が集まる先は。
メーティオンの影。
闇とも光ともつかぬ、輪郭の曖昧なその存在は、かつてのように問いかけることはしない。
ただ、そこに“在る”だけだった。
呟きとも、嘆きとも、声とも聞き取れない、影の声が響く。
それは、アゼムだった。
……いや、“かつてのアゼム”の残滓。
アトラはアゼムの影に駆け寄り、囁くように語る。
「……あなたの希望は、私がとっくに信じてる」
影がそっと、顔をあげる。
「私は……あなたの未来に、ちゃんと会っているんです」
アトラは手を差し出す。
影はその手をおずおずと握り、ゆっくりと立ち上がる。
「そこでもあなたはね、私を救ってくれた。
世界をすでに救ったあとだった。
あなたがいてくれて、ありがとう。
私の一番の英雄。星の希望」
アトラはアゼムの影とまっすぐ向き合う。
「……未来のエメトセルク様と、約束したんです。
“アゼム様に、一緒に会いに行こう”って。
だから、今度は……あなたも、一緒に」
アトラは両手を広げて、親愛を示す。
アゼムの影が、そっとアトラに触れた。
それはまるで、希望が形になったような――小さな抱擁だった。
「もし、これからの未来に……一緒に行ってもいいなら、私もその未来に行きます。
でもきっと、アゼム様のほうが、先に飛び出していっちゃうんでしょうね。
きっと、そういう人だから!」
……カーン――!!
弾ける音と、まばゆい光がアトラとアゼムの影を包む。
やがて目が慣れてきたアトラの視界に、アゼムの紋章を模した光の魔法陣が浮かび上がる。
それは幾重にも重なった希望の螺旋――星の意思が形になったものだった。
先ほどまで小さく光っていたアトラのクリスタルは、強い光を放って輝いていた。
「クリスタルが……」
アトラが驚きに瞬いていると、魔法陣の中心から現れた一筋の閃光が、剣となって虚空を切り裂く。
それは、まるで希望そのものが形を取ったかのようだった。
空間が揺れる。絶望の霧が、風のように吹き飛ばされていく。
「みんな! 希望を持て!
この星には、まだ立ち上がる力がある!」
英雄の声が、響き渡る。
アゼムの残滓は、静かに霧のように溶けていく。
一瞬の静寂の後、空間を満たすのは、再び赤黒い雲と燃えさかる森。
エメトセルク、ヴェーネス、カロンが膝をついてうなだれていた。
黒い涙の湖は、もう、跡形もなく消えていた。
輝く魔法陣の中心に、ひとりの影が立っていた。
握られた剣には決意が宿り、盾には仲間たちの意志が刻まれている。
それは、星に選ばれし者――アゼム、その人だった。
「え、アゼム様、なんで……じゃあさっきのは……」
魔法陣に喚ばれて現れたアゼム。
あの絶望の影は、本当にアゼムの絶望が影になってそこにあるだけだった。
(てっきりエメトセルク様みたいに影が薄れて姿が戻るものかと……)
本人は剣を構え、静かに立っていた。
その身を包む光の粒子は、まるでかつての師が教えた意思そのもののように、彼を包んでいた。
アトラは少しため息が漏れる。
ヴェーネスが、ゆっくりと目を開ける。
倒れていた地面の温度、土の匂い。周囲にある命の気配。それらが現実の感触として戻ってくる。
彼女の肩が、小さく震えた。だが、それは恐怖ではなかった。
「ふふ……やはり、この気持ちだけは、どんなものでさえも変えることはできないのですね。安心しました。
ならば、私はまた歩き出せます」
例えこの身が絶望に打ちひしがれようとも。
ヴェーネスは絶望に打ちひしがれるどころか、焚きつけられて立ち上がる。
アトラは苦笑いしながらつぶやく。「精神もゴリラだ」
続いて、エメトセルクも身を起こす。額には冷たい汗が滲み、眉間には深い皺。
彼はただ黙って、立ち上がった。
振り返ると、同じように膝をつきながらも、真っすぐ前を向くカロンの姿が見える。
皆、何も言わなかった。
言葉の代わりに、深く息を吐いた。
それぞれが目を伏せ、次に顔を上げた時、
その瞳には、まだ焼きつく絶望と、乗り越えた者だけが持つ光が宿っていた。
アゼムは、静かに語り出した。
その声は、まるで遠い記憶をひとつひとつ拾い上げるようだった。
「……ここは、元々、自分の絶望が暴走しないように作った“場”だ。
自分の中に、希望がどれほど根を張っているか――確かめるためのものだった」
語られる言葉には、悔いも、誇りもなかった。ただ事実を並べているように聞こえた。
「けれど……メーティオンの意識の欠片が、この空間の隙をついて入り込んだ。
誰かが強く絶望を抱けば、共鳴して形を持つ」
アゼムはふっと視線を伏せる。
指先が、何かを思い出すように、空をなぞるように揺れていた。
「だから、内側から結界を張って、時を稼いだ。
自分ひとりでは、もう――押し留めきれなかったから」
そうして、彼はまっすぐこちらを見た。
その瞳には、どこまでも澄んだ光と、どこまでも深い孤独が宿っていた。
「君たちが来てくれた。それだけで、十分だった。
この結界の“意思”が、君たちを選んだというなら……それが、答えなんだろう。
実は、君にあげたクリスタルの首飾り――自分も魔力を込めていてね。
エメトセルクには黙っていたけど、召喚術を仕込んでいて正解だったな。
……まったく、君にはいつも助けられてばかりだ。」
アゼムは口元に人差し指を立てて、アトラにサインを送る。
「アゼム、お前……」
エメトセルクは、言いたいことが山ほどありながら、そのどれもが口から出ることはなかった。
それよりも解決しなくてはいけないことが、先にあった。
「……あの子は……」
ヴェーネスの視線の先に、それはいた。
みんなの視線が集まる先は。
メーティオンの影。
闇とも光ともつかぬ、輪郭の曖昧なその存在は、かつてのように問いかけることはしない。
ただ、そこに“在る”だけだった。