【FF14】メイドさんの夢旅行
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「ちょっと、エメトセルク様? ハーデスさん!」
呼びかけても、返事はない。
先ほどの“願い”に反応して姿を取り戻したというのに、彼の目は、今のアトラを見ていない。
真名も効果はなかった。
夢幻の力を試しても、何かが邪魔して届かない。
「なんで……あともうちょっとでしょ?」
エメトセルクの目に、光は戻らない。
金の瞳――本来ならば世界のエーテルを見通すはずのそれは、今、何一つ映してはいなかった。
絶望と災厄。アトラはそれを知っている。
そして、それを振らせている“誰か”のことも。
クリスタルの光は、小さく、弱くなっていく。
焦りがそのまま重くのしかかり、アトラは膝をつく。視界が、じわりと暗くなる。
黒い靄が、彼女の身体を包み込んでいった。
アトラはどこか他人事のように、マトシャというゾウの獣人が叫んでいたことを思い出す。
「怖くない……怖くない……」
反響する声は、心の奥まで届かない。
それでもアトラは、その言葉にすがろうとしていた。
「……これ以上私なんかに、なにができるっていうの」
影が、もうひとつ、のびあがる。
「信じるに値する“誰か”なんて、本当にいたの?」
一瞬、胸がずしりと重くなる。
問いの正しさを、どこかで認めかけた――
だが。
「……やめて。やめてよ……」
そんなことはない。
ディアナさんは、あのとき――ちゃんと話してくれた。
あとで、真実を共有してくれた。
「未来が決まってると知ってるお前に、今を変える責任はあるのか?」
影がアトラをたたみかける。
「……私はただ、ディアナさんに恩返しにお手伝いしたくて……
エメトセルク様は私に、夢のような魔法を持たせてくれたの……」
ハッとして、アトラは胸元のクリスタルを見下ろす。
その光は弱弱しい。だが、完全に消えてはいない。
彼女を信じ、託された想いが、そこに宿っている。
すがるように、アトラはクリスタルを両手で包み込む。
首飾り――それは古代人の姿を補強し、夢を紡ぐ魔法。
“……もう一度託す”
あのとき、皇帝がもう一度、渡してくれた。
(……また、“託す”、って……
あの人は――私の選んだことを、確かに信じてくれた。
なら、私も……私自身を、信じよう)
クリスタルの光が、ほんのわずかに――けれど確かに、輝きを取り戻していく。
アトラを包んでいた黒い靄は、まるでその光に押し返されるように、ゆっくりと後退していった。
深呼吸をして、自分の息を取り戻す。
(私は知っている。
あの人が――やがて、絶望に勝ち、命を救う存在になることを。
でも、それが起きるには……
アゼム様をなんとか見つけて、確認しなくちゃ。
この一歩を踏み出せなければ――
未来は、来ない)
まだ、できることがあるなら、
逃げずに、向き合わなくてはいけない。
“自分の希望だけは、自分の手で持っておきたいからね”
「私も……そうでありたい」
誰かに世界を、希望を託せるような、英雄じゃないから。
アトラは意を決して、問いかける。
「……メーティオン?」
伸びあがっていた影は、ふっと形を変え、少女の姿へと収束する。
アトラと同じくらいの背丈。
けれどその姿に、かつて“幸せの象徴”だった色は、残っていなかった。
影の少女は、絶望の淵からこちらを――アトラを見ていた。
「アトラアティウス……」
その名前を、影の少女は懐かしむように口にする。
「私たちと同じ鳥。……久しぶりね」
呼びかけても、返事はない。
先ほどの“願い”に反応して姿を取り戻したというのに、彼の目は、今のアトラを見ていない。
真名も効果はなかった。
夢幻の力を試しても、何かが邪魔して届かない。
「なんで……あともうちょっとでしょ?」
エメトセルクの目に、光は戻らない。
金の瞳――本来ならば世界のエーテルを見通すはずのそれは、今、何一つ映してはいなかった。
絶望と災厄。アトラはそれを知っている。
そして、それを振らせている“誰か”のことも。
クリスタルの光は、小さく、弱くなっていく。
焦りがそのまま重くのしかかり、アトラは膝をつく。視界が、じわりと暗くなる。
黒い靄が、彼女の身体を包み込んでいった。
アトラはどこか他人事のように、マトシャというゾウの獣人が叫んでいたことを思い出す。
「怖くない……怖くない……」
反響する声は、心の奥まで届かない。
それでもアトラは、その言葉にすがろうとしていた。
「……これ以上私なんかに、なにができるっていうの」
影が、もうひとつ、のびあがる。
「信じるに値する“誰か”なんて、本当にいたの?」
一瞬、胸がずしりと重くなる。
問いの正しさを、どこかで認めかけた――
だが。
「……やめて。やめてよ……」
そんなことはない。
ディアナさんは、あのとき――ちゃんと話してくれた。
あとで、真実を共有してくれた。
「未来が決まってると知ってるお前に、今を変える責任はあるのか?」
影がアトラをたたみかける。
「……私はただ、ディアナさんに恩返しにお手伝いしたくて……
エメトセルク様は私に、夢のような魔法を持たせてくれたの……」
ハッとして、アトラは胸元のクリスタルを見下ろす。
その光は弱弱しい。だが、完全に消えてはいない。
彼女を信じ、託された想いが、そこに宿っている。
すがるように、アトラはクリスタルを両手で包み込む。
首飾り――それは古代人の姿を補強し、夢を紡ぐ魔法。
“……もう一度託す”
あのとき、皇帝がもう一度、渡してくれた。
(……また、“託す”、って……
あの人は――私の選んだことを、確かに信じてくれた。
なら、私も……私自身を、信じよう)
クリスタルの光が、ほんのわずかに――けれど確かに、輝きを取り戻していく。
アトラを包んでいた黒い靄は、まるでその光に押し返されるように、ゆっくりと後退していった。
深呼吸をして、自分の息を取り戻す。
(私は知っている。
あの人が――やがて、絶望に勝ち、命を救う存在になることを。
でも、それが起きるには……
アゼム様をなんとか見つけて、確認しなくちゃ。
この一歩を踏み出せなければ――
未来は、来ない)
まだ、できることがあるなら、
逃げずに、向き合わなくてはいけない。
“自分の希望だけは、自分の手で持っておきたいからね”
「私も……そうでありたい」
誰かに世界を、希望を託せるような、英雄じゃないから。
アトラは意を決して、問いかける。
「……メーティオン?」
伸びあがっていた影は、ふっと形を変え、少女の姿へと収束する。
アトラと同じくらいの背丈。
けれどその姿に、かつて“幸せの象徴”だった色は、残っていなかった。
影の少女は、絶望の淵からこちらを――アトラを見ていた。
「アトラアティウス……」
その名前を、影の少女は懐かしむように口にする。
「私たちと同じ鳥。……久しぶりね」