【FF14】メイドさんの夢旅行
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エレベーターが静かに動き出し、アトラは浮遊感に包まれながら息を整える。
カロンが「星見の頂は山も川も海もあり、実験や採取に好都合な場所だ」と教える。
そこには自由を貫き、終末に備えるアゼムの姿がある。
エメトセルクとの仲違いも、覚悟の道のりの一部だ。
複雑な二人の関係に思いを馳せつつも、未来を変えることはできないとヒュトロダエウスの言葉を思い返すアトラ。
だがだからこそ、最善を尽くす決意を固める。
三人はエレベーターを降り、広がる丘陵と草原、爽やかな風と柑橘の香りに包まれた大地に足を踏み出す。
エメトセルクは旅の要所である湿地の危険を説明する。
足場が悪く、湿気に混じるエーテルのせいで幻覚を見せられる可能性があるという。
それを聞き、アトラは背筋を伸ばして敬礼した。
「了解です」
エメトセルクはその様子に厳格な表情でうなずいた。
そんなふたりのやり取りを、カロンは肩越しにのぞき込む。
「エメトセルク様はワープがありますから、一緒に沼地を抜けられるのでは?」
カロンは、まるで散歩の延長のように気楽に言う。
頭の後ろで手を組み、のんびりとした様子だ。
エメトセルクは、無言のまま彼女を一瞥し、すぐに言い放つ。
「幻覚は何も、視界を惑わせるだけではない。すべての感覚に影響する。カロン、お前が今言ったワープにも影響する」
「そっかあ。私、そもそもエーテルの扱いが得意じゃないから知りませんでした。
幻覚の沼地はだいたい――走って抜けたし」
カロンは、当たり前のことでも話すみたいに、あっけらかんと笑う。
その瞬間、エメトセルクの眉がピクリと動いた。
――走って抜けた?
本来なら、旅は慣れた同行者と組んで進むのが常識だ。
それが基本のはずだった。
「……足で、抜けたのか」
エメトセルクは、思わず問い直す。
「あの苔むした、すべりやすい地形を?」
「はい……じゃあ走ればいいかって思って」
カロンは肩をすくめ、何でもない風に答える。
「……半日くらいだったかなあ」
「――」
エメトセルクの目が見開かれた。
「三日の道程を、走り通しで半日だと?」
もはや驚きを隠せない。
常識外れにもほどがある。
その目には、呆れと――ほんの僅かに、感心も混じっていた。
「……お前の、その単純さは、時として脅威だな」
「誉め言葉ってことで、いいんですよね?」
カロンは満面の笑みで、親指を立てる。
エメトセルクは、ため息をひとつ落とし、無言で前を向いた。
歩みは変わらない。
だが、その背中には、ごくわずかに緩んだ気配があった。
エメトセルクはアトラに視線を向け、
湿地の湿気に半端に混じるエーテルが幻覚を引き起こすこと、
そしてそれに影響されるとアトラの夢幻の力が暴走する恐れがあると警告した。
アトラは静かに応じる。
「幻覚を、私が生み出してしまうかもしれませんね」
エメトセルクは厳しく言い渡す。
「自覚があるなら、なおさら気をつけろ」
カロンが驚いて尋ねる。
「えっ、幻覚? エメトセルク様の話じゃ花火が出せるんじゃなかった?」
エメトセルクはアトラの夢幻の力の特徴を知り合いに伝えており、アトラは少し照れくさそうに答えた。
「うーん、想像できるものなら、なんでもですね」
一瞬の沈黙。
カロンはさまざまな可能性を考え、真剣な空気のあとに何かに気づいたように目を見開いた。
そして勢いよく飛び上がり、声を沼地に響かせるように叫んだ。
「すっごーい!」
そのままアトラに詰め寄り、興奮気味に言う。
「ねえ、ぜひ見せてよ! 噂で聞いたんだ、君の催しは見事だったって!
ヒュトロダエウス局長も『イデアに登録したい』って言ってたくらいだよ。
火性の花が夜空に咲くイデアは昔からあったけど、君のは違うんだって!
未知の生き物を模したり、小さな火が連続で弾けたり――もう、気になって仕方ないんだ!」
アトラはくすぐったそうに笑い、「修行した甲斐があったなあ」と胸をなでおろす。
そこへエメトセルクのため息が重なった。
「……その力の使い道はよく考えておけ」
肩をすくめつつも、鋭い目で警告する。
「乱用すれば、世界の秩序が崩れかねん」
静かな声だが重みがあった。
アトラは背筋を伸ばす。
夢幻の力はまだ現実に干渉しないものの、幻覚の質によっては人の判断を狂わせ混乱を招く恐れがある。
ポレス市場での一件を思い出し、彼女は小さく震えた。
「ここは静かで平和だな」
ぽつりとカロンがつぶやく。
風が穏やかに流れ、遠くで水のせせらぎが聞こえる。
道の両脇には小さな花が咲き、淡い光を帯びた羽虫がその間を舞っていた。
「こんな場所でアトラの花火が見られたら、きっと素晴らしいだろうな」
カロンは空を見上げて目を細める。夢見る子供のような横顔だ。
エメトセルクは道端の花を見やりながら、浮かれるカロンに釘を刺す。
「静かな場所こそ力の乱用を避け、自然の秩序を守るものだ。またの機会にしておけ」
アトラは二人の会話に耳を傾けつつ、自然の美しさに心を奪われていた。
カロンが「星見の頂は山も川も海もあり、実験や採取に好都合な場所だ」と教える。
そこには自由を貫き、終末に備えるアゼムの姿がある。
エメトセルクとの仲違いも、覚悟の道のりの一部だ。
複雑な二人の関係に思いを馳せつつも、未来を変えることはできないとヒュトロダエウスの言葉を思い返すアトラ。
だがだからこそ、最善を尽くす決意を固める。
三人はエレベーターを降り、広がる丘陵と草原、爽やかな風と柑橘の香りに包まれた大地に足を踏み出す。
エメトセルクは旅の要所である湿地の危険を説明する。
足場が悪く、湿気に混じるエーテルのせいで幻覚を見せられる可能性があるという。
それを聞き、アトラは背筋を伸ばして敬礼した。
「了解です」
エメトセルクはその様子に厳格な表情でうなずいた。
そんなふたりのやり取りを、カロンは肩越しにのぞき込む。
「エメトセルク様はワープがありますから、一緒に沼地を抜けられるのでは?」
カロンは、まるで散歩の延長のように気楽に言う。
頭の後ろで手を組み、のんびりとした様子だ。
エメトセルクは、無言のまま彼女を一瞥し、すぐに言い放つ。
「幻覚は何も、視界を惑わせるだけではない。すべての感覚に影響する。カロン、お前が今言ったワープにも影響する」
「そっかあ。私、そもそもエーテルの扱いが得意じゃないから知りませんでした。
幻覚の沼地はだいたい――走って抜けたし」
カロンは、当たり前のことでも話すみたいに、あっけらかんと笑う。
その瞬間、エメトセルクの眉がピクリと動いた。
――走って抜けた?
本来なら、旅は慣れた同行者と組んで進むのが常識だ。
それが基本のはずだった。
「……足で、抜けたのか」
エメトセルクは、思わず問い直す。
「あの苔むした、すべりやすい地形を?」
「はい……じゃあ走ればいいかって思って」
カロンは肩をすくめ、何でもない風に答える。
「……半日くらいだったかなあ」
「――」
エメトセルクの目が見開かれた。
「三日の道程を、走り通しで半日だと?」
もはや驚きを隠せない。
常識外れにもほどがある。
その目には、呆れと――ほんの僅かに、感心も混じっていた。
「……お前の、その単純さは、時として脅威だな」
「誉め言葉ってことで、いいんですよね?」
カロンは満面の笑みで、親指を立てる。
エメトセルクは、ため息をひとつ落とし、無言で前を向いた。
歩みは変わらない。
だが、その背中には、ごくわずかに緩んだ気配があった。
エメトセルクはアトラに視線を向け、
湿地の湿気に半端に混じるエーテルが幻覚を引き起こすこと、
そしてそれに影響されるとアトラの夢幻の力が暴走する恐れがあると警告した。
アトラは静かに応じる。
「幻覚を、私が生み出してしまうかもしれませんね」
エメトセルクは厳しく言い渡す。
「自覚があるなら、なおさら気をつけろ」
カロンが驚いて尋ねる。
「えっ、幻覚? エメトセルク様の話じゃ花火が出せるんじゃなかった?」
エメトセルクはアトラの夢幻の力の特徴を知り合いに伝えており、アトラは少し照れくさそうに答えた。
「うーん、想像できるものなら、なんでもですね」
一瞬の沈黙。
カロンはさまざまな可能性を考え、真剣な空気のあとに何かに気づいたように目を見開いた。
そして勢いよく飛び上がり、声を沼地に響かせるように叫んだ。
「すっごーい!」
そのままアトラに詰め寄り、興奮気味に言う。
「ねえ、ぜひ見せてよ! 噂で聞いたんだ、君の催しは見事だったって!
ヒュトロダエウス局長も『イデアに登録したい』って言ってたくらいだよ。
火性の花が夜空に咲くイデアは昔からあったけど、君のは違うんだって!
未知の生き物を模したり、小さな火が連続で弾けたり――もう、気になって仕方ないんだ!」
アトラはくすぐったそうに笑い、「修行した甲斐があったなあ」と胸をなでおろす。
そこへエメトセルクのため息が重なった。
「……その力の使い道はよく考えておけ」
肩をすくめつつも、鋭い目で警告する。
「乱用すれば、世界の秩序が崩れかねん」
静かな声だが重みがあった。
アトラは背筋を伸ばす。
夢幻の力はまだ現実に干渉しないものの、幻覚の質によっては人の判断を狂わせ混乱を招く恐れがある。
ポレス市場での一件を思い出し、彼女は小さく震えた。
「ここは静かで平和だな」
ぽつりとカロンがつぶやく。
風が穏やかに流れ、遠くで水のせせらぎが聞こえる。
道の両脇には小さな花が咲き、淡い光を帯びた羽虫がその間を舞っていた。
「こんな場所でアトラの花火が見られたら、きっと素晴らしいだろうな」
カロンは空を見上げて目を細める。夢見る子供のような横顔だ。
エメトセルクは道端の花を見やりながら、浮かれるカロンに釘を刺す。
「静かな場所こそ力の乱用を避け、自然の秩序を守るものだ。またの機会にしておけ」
アトラは二人の会話に耳を傾けつつ、自然の美しさに心を奪われていた。