【FF14】メイドさんの夢旅行
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「イデアを借りるのですか?」
エメトセルクはわずかに眉をひそめ、創造物管理局へ向かって歩き出した。
ここは、アトラがこの世界で初めて目を覚ました日に、カロンと共に訪れた場所だ。
あのときヒュトロダエウスから質問攻めにあった記憶がよみがえる。
「貸し出し……と言えるかどうかは微妙だな
一度、来るようには言われていたが……どうも嫌な予感がする」
扉が開き、荘厳な建物の中へ足を踏み入れる。
天井の高い空間に、浮遊するエーテルの結晶や形を持たぬ光の紋章が漂い、アトラは思わず息を呑んだ。
以前にも訪れたはずなのに、毎度のことながら圧倒される。
「やっと来たね。久しぶりだ、エメトセルク。顔色が少し戻ったかな?
それにアトラアティウス。ふたりで来るなんて珍しい組み合わせだ」
呼び出すまでもなく、ヒュトロダエウスが楽しげに現れる。
長い紫銀の髪を揺らし、両手を広げて花のような笑みを浮かべていた。
「こんにちは、ヒュトロダエウスさん」
「おまえは相変わらず、自分にとって面白そうな気配を嗅ぎつけるのが早いな」
エメトセルクが低く応じ、アトラは小さく会釈した。
「お邪魔してます。あの……お忙しいところ、すみません」
「ううん。ここ数日は創造生物の挙動記録ばかりだったから、ちょうどいい気晴らしになるよ」
アトラはわずかに体を強張らせた。
(挙動記録……。もしかして、獣化の前兆が出てきているのかもしれない)
ヒュトロダエウスはアトラに目を細めてから、視線をエメトセルクへと戻した。
「それで、何の用事かな? また論文の反証でも探しに来た? ……それとも」
そのとき、ヒュトロダエウスの表情に、ほんのわずかな変化が現れた。
冗談めいた口調のまま、だが声の調子が少し下がる。
「……まさか、アゼムのこと?」
エメトセルクは、躊躇なくうなずいた。
「あいつの行方を追っている。ここへ来ていないかと思ってな」
「……」
一拍、ヒュトロダエウスはまばたきを止めた。
目の奥に「本気?」という疑念と、「あれ、地雷じゃなかったっけ?」という動揺が走ったのが、アトラにもわかった。
だが彼はすぐに表情を緩めると、どこかあきらめたように微笑んだ。
「了解。アゼムのこと、調べるだけなら手伝うよ。でも……そんなにすぐには出てこないと思うな。
最近は記録すら少ないし、あの人、気まぐれだし。『蒼天に呼ばれた』とか言って、ふらっと空に行っちゃうじゃないか」
「……やっぱり、そんな様子か」
エメトセルクが小さく頷く。アトラは息をつき、天井に目をやった。
「何か、ヒントだけでも……あれば」
その言葉に、ヒュトロダエウスは顎に指を当てて少し考え込む。
そしてぽんと手を打つように声を上げた。
「あ……アゼムといえば、しばらく行ってなかったから失念してたけど──
『星見の頂』なら、何か手がかりがあるかもしれないよ」
「それがどうし──」
そう言いかけたエメトセルクの言葉が途中で止まった。
瞬間、彼の眉がぴくりと動く。視線がヒュトロダエウスとぴたりと重なった。
「ああ……」
エメトセルクは思い当たって吐息が漏れる。
ヒュトロダエウスも、思い出したように目を伏せ、やがて静かに微笑んだ。
「懐かしいね。……三人で、よく行ってたっけ。使い魔に乗って、雲を蹴って、風を追い越して……」
「記録がなくとも、あそこなら何か痕跡が残っている可能性はある」
エメトセルクはそれ以上は語らなかった。だがその声音には、過去の記憶が滲んでいた。
アトラは二人の間に流れる沈黙を感じ取り、胸の奥でそっとその名を呼ぶ。
──アゼム様。
そして、彼を探す旅の行き先が、いま定まったのだと感じた。
エメトセルクはわずかに眉をひそめ、創造物管理局へ向かって歩き出した。
ここは、アトラがこの世界で初めて目を覚ました日に、カロンと共に訪れた場所だ。
あのときヒュトロダエウスから質問攻めにあった記憶がよみがえる。
「貸し出し……と言えるかどうかは微妙だな
一度、来るようには言われていたが……どうも嫌な予感がする」
扉が開き、荘厳な建物の中へ足を踏み入れる。
天井の高い空間に、浮遊するエーテルの結晶や形を持たぬ光の紋章が漂い、アトラは思わず息を呑んだ。
以前にも訪れたはずなのに、毎度のことながら圧倒される。
「やっと来たね。久しぶりだ、エメトセルク。顔色が少し戻ったかな?
それにアトラアティウス。ふたりで来るなんて珍しい組み合わせだ」
呼び出すまでもなく、ヒュトロダエウスが楽しげに現れる。
長い紫銀の髪を揺らし、両手を広げて花のような笑みを浮かべていた。
「こんにちは、ヒュトロダエウスさん」
「おまえは相変わらず、自分にとって面白そうな気配を嗅ぎつけるのが早いな」
エメトセルクが低く応じ、アトラは小さく会釈した。
「お邪魔してます。あの……お忙しいところ、すみません」
「ううん。ここ数日は創造生物の挙動記録ばかりだったから、ちょうどいい気晴らしになるよ」
アトラはわずかに体を強張らせた。
(挙動記録……。もしかして、獣化の前兆が出てきているのかもしれない)
ヒュトロダエウスはアトラに目を細めてから、視線をエメトセルクへと戻した。
「それで、何の用事かな? また論文の反証でも探しに来た? ……それとも」
そのとき、ヒュトロダエウスの表情に、ほんのわずかな変化が現れた。
冗談めいた口調のまま、だが声の調子が少し下がる。
「……まさか、アゼムのこと?」
エメトセルクは、躊躇なくうなずいた。
「あいつの行方を追っている。ここへ来ていないかと思ってな」
「……」
一拍、ヒュトロダエウスはまばたきを止めた。
目の奥に「本気?」という疑念と、「あれ、地雷じゃなかったっけ?」という動揺が走ったのが、アトラにもわかった。
だが彼はすぐに表情を緩めると、どこかあきらめたように微笑んだ。
「了解。アゼムのこと、調べるだけなら手伝うよ。でも……そんなにすぐには出てこないと思うな。
最近は記録すら少ないし、あの人、気まぐれだし。『蒼天に呼ばれた』とか言って、ふらっと空に行っちゃうじゃないか」
「……やっぱり、そんな様子か」
エメトセルクが小さく頷く。アトラは息をつき、天井に目をやった。
「何か、ヒントだけでも……あれば」
その言葉に、ヒュトロダエウスは顎に指を当てて少し考え込む。
そしてぽんと手を打つように声を上げた。
「あ……アゼムといえば、しばらく行ってなかったから失念してたけど──
『星見の頂』なら、何か手がかりがあるかもしれないよ」
「それがどうし──」
そう言いかけたエメトセルクの言葉が途中で止まった。
瞬間、彼の眉がぴくりと動く。視線がヒュトロダエウスとぴたりと重なった。
「ああ……」
エメトセルクは思い当たって吐息が漏れる。
ヒュトロダエウスも、思い出したように目を伏せ、やがて静かに微笑んだ。
「懐かしいね。……三人で、よく行ってたっけ。使い魔に乗って、雲を蹴って、風を追い越して……」
「記録がなくとも、あそこなら何か痕跡が残っている可能性はある」
エメトセルクはそれ以上は語らなかった。だがその声音には、過去の記憶が滲んでいた。
アトラは二人の間に流れる沈黙を感じ取り、胸の奥でそっとその名を呼ぶ。
──アゼム様。
そして、彼を探す旅の行き先が、いま定まったのだと感じた。