【FF14】メイドさんの夢旅行
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足元はどこまでも白く霞んで、輪郭のない夢の中。
「ねえ、聞いて。私は決めたんだ」
「なに?」
背中合わせに座るように現れた影の案内人が、気のない声で返す。
「エメトセルクとアゼムを、仲直りさせる!!名づけて――仲良し大作戦!」
「……は? なにその、ダサ……」
影の案内人は顔を向けないまま固まった。沈黙が数秒続く。
「あんたさぁ、本気で言ってる? これは童話じゃない。演劇でもない。もう崩れたものは、戻らないんだよ」
「でも、見たでしょ。まだ完全に壊れてない。ギリギリいける」
「……バカじゃないの」
「うまくいかないかもしれない。でも、やるしかないんだ。誰かが“まだ間に合うかもしれない”って、信じなきゃ」
アトラは夢の空を見上げる。そこにはなにもない。それでも、自分の気持ちがどこかの誰かに届く気がした。
ガイドは長い沈黙のあと、ふぅと息を吐く。
「……で、どんな内容なわけ?」
「え?」
「“仲良し大作戦”の全貌。ひとつ残らず言いなさい。未来と過去を行き来して仕掛けるなら、なおさら精密に、ね」
「わかった」
言葉は簡単でも、実行は難しい。
使用人も続ける。二人を仲直りさせる。カロンにも協力してもらう。その後は、できれば無人島でのんびり過ごしたい。
――そんな都合のいい話、どこまで実現できるかはわからない。でも、やるしかない。
アトラは語った。息を継ぎながら、笑いながら、泣きながら。
三時間後。
ふたりはまだ夢の中にいた。
影の案内人は腕を組んだまま、黙っていた。
たぶん、呆れていた。
たぶん、考えていた。
「……よし。封印だ!」
「えっ、なにが?」
「あんたねえ、やる気だけで時空をかき乱す気? もう夢見の力は取り上げる。封印する。あんた自身の足でやれ」
「そんな……ひどいよ……」
「いや、こうしなくちゃ。これは“見守る”だけじゃ済まない話になった。あとはあんたの手で、現実を動かすしかない」
影の案内人の姿が、霞の中に溶けていく。
誰もいない夢の空間に、アトラだけが取り残された。
足元にあった白い靄は消えていく。
目が覚めて、またもや牢屋の中。
だがアトラは慌てることなく、布団を抱きしめながら天井を仰いだ。
あの日、皇帝に捕らえられた場所。
今ではふかふかの布団と簡易キッチンが揃った、ちょっとした隠れ家。
“選んだ不自由”は、意外と快適だった。
静かすぎて落ち着く――けど、今はそれどころじゃない。
アゼムにどう会いに行けと? 徒歩で?
……話が通じるやつだと思ってたのに。
確認することすらできないまま、アトラはとりあえず支度をして仕事へ向かう。
「まさか牢屋が暖炉に続いているとはね」
おそらく皇族が内密に投獄するための場所なのだろう。
まんまとそこに無断居住するアトラ。
使用人宿泊棟へ移る日が待ち遠しい。
アトラはメイド服を着直し、仕事に戻った。
紅茶の淹れ方ひとつにも、皇帝の好みはうるさい。
「……魂が足りないわね」
同僚のマルケリナが湯気越しにため息をつく。
「え、魂って紅茶に入るの……?」
「入れなきゃ通らないの。皇帝陛下のお気に召されるには」
午後からはさっそく実践。
もう少し研修期間が欲しい、とアトラは切実に思ったが、軍事国家にそんな生易しいものはなかった。
「ほう。さっそく入れてもらえるということか」
低く響く声。
アトラは息をのんだ。
視線の先には、こちらを見下ろす皇帝陛下――。
(うわぁ……本当にやるんだ……!)
心の中で震えつつも、アトラは姿勢を正し、決死の覚悟で茶器に手を伸ばした。
翌日、なぜか皇帝の紅茶が彼女の担当になっていた。
「お気に召したようですよ、あなたの魂の味が」
マルケリナが茶器を磨きながら笑った。
「最近、アトラが紅茶係になってるよね」「すっかり定着しちゃったわね」「皇帝陛下のお気に入りなんでしょ?」
そんな声が、使用人たちの間でささやかれるようになった。
本来「忠誠心を示す礼儀作法として、紅茶の淹れ方を学べ」というものだった。
なのに、なぜか アトラは 「皇帝専属・紅茶係」 みたいなポジションになっていた。
(おかしい……。絶対に何かが間違ってる……!)
「ねえ、聞いて。私は決めたんだ」
「なに?」
背中合わせに座るように現れた影の案内人が、気のない声で返す。
「エメトセルクとアゼムを、仲直りさせる!!名づけて――仲良し大作戦!」
「……は? なにその、ダサ……」
影の案内人は顔を向けないまま固まった。沈黙が数秒続く。
「あんたさぁ、本気で言ってる? これは童話じゃない。演劇でもない。もう崩れたものは、戻らないんだよ」
「でも、見たでしょ。まだ完全に壊れてない。ギリギリいける」
「……バカじゃないの」
「うまくいかないかもしれない。でも、やるしかないんだ。誰かが“まだ間に合うかもしれない”って、信じなきゃ」
アトラは夢の空を見上げる。そこにはなにもない。それでも、自分の気持ちがどこかの誰かに届く気がした。
ガイドは長い沈黙のあと、ふぅと息を吐く。
「……で、どんな内容なわけ?」
「え?」
「“仲良し大作戦”の全貌。ひとつ残らず言いなさい。未来と過去を行き来して仕掛けるなら、なおさら精密に、ね」
「わかった」
言葉は簡単でも、実行は難しい。
使用人も続ける。二人を仲直りさせる。カロンにも協力してもらう。その後は、できれば無人島でのんびり過ごしたい。
――そんな都合のいい話、どこまで実現できるかはわからない。でも、やるしかない。
アトラは語った。息を継ぎながら、笑いながら、泣きながら。
三時間後。
ふたりはまだ夢の中にいた。
影の案内人は腕を組んだまま、黙っていた。
たぶん、呆れていた。
たぶん、考えていた。
「……よし。封印だ!」
「えっ、なにが?」
「あんたねえ、やる気だけで時空をかき乱す気? もう夢見の力は取り上げる。封印する。あんた自身の足でやれ」
「そんな……ひどいよ……」
「いや、こうしなくちゃ。これは“見守る”だけじゃ済まない話になった。あとはあんたの手で、現実を動かすしかない」
影の案内人の姿が、霞の中に溶けていく。
誰もいない夢の空間に、アトラだけが取り残された。
足元にあった白い靄は消えていく。
目が覚めて、またもや牢屋の中。
だがアトラは慌てることなく、布団を抱きしめながら天井を仰いだ。
あの日、皇帝に捕らえられた場所。
今ではふかふかの布団と簡易キッチンが揃った、ちょっとした隠れ家。
“選んだ不自由”は、意外と快適だった。
静かすぎて落ち着く――けど、今はそれどころじゃない。
アゼムにどう会いに行けと? 徒歩で?
……話が通じるやつだと思ってたのに。
確認することすらできないまま、アトラはとりあえず支度をして仕事へ向かう。
「まさか牢屋が暖炉に続いているとはね」
おそらく皇族が内密に投獄するための場所なのだろう。
まんまとそこに無断居住するアトラ。
使用人宿泊棟へ移る日が待ち遠しい。
アトラはメイド服を着直し、仕事に戻った。
紅茶の淹れ方ひとつにも、皇帝の好みはうるさい。
「……魂が足りないわね」
同僚のマルケリナが湯気越しにため息をつく。
「え、魂って紅茶に入るの……?」
「入れなきゃ通らないの。皇帝陛下のお気に召されるには」
午後からはさっそく実践。
もう少し研修期間が欲しい、とアトラは切実に思ったが、軍事国家にそんな生易しいものはなかった。
「ほう。さっそく入れてもらえるということか」
低く響く声。
アトラは息をのんだ。
視線の先には、こちらを見下ろす皇帝陛下――。
(うわぁ……本当にやるんだ……!)
心の中で震えつつも、アトラは姿勢を正し、決死の覚悟で茶器に手を伸ばした。
翌日、なぜか皇帝の紅茶が彼女の担当になっていた。
「お気に召したようですよ、あなたの魂の味が」
マルケリナが茶器を磨きながら笑った。
「最近、アトラが紅茶係になってるよね」「すっかり定着しちゃったわね」「皇帝陛下のお気に入りなんでしょ?」
そんな声が、使用人たちの間でささやかれるようになった。
本来「忠誠心を示す礼儀作法として、紅茶の淹れ方を学べ」というものだった。
なのに、なぜか アトラは 「皇帝専属・紅茶係」 みたいなポジションになっていた。
(おかしい……。絶対に何かが間違ってる……!)