【FF14】メイドさんの夢旅行
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アトラはヒロシとアイスココアを楽しみ、涼しい夜に別れを告げて寝床に沈んだ。
開拓が進み、中心施設「アイランドホール」は布飾りや木の屋根で立派になり、アトラの寝床も簡素ながらしっかりした造りへと変わっていた。
眠りに落ちると、夢見の力で牢屋の自分に戻る。
寒さが目覚めの白い靄を押しのける。
現在の牢屋は、なんということでしょう。
牢屋は、すでに牢屋ではなかった。
天井には壁から壁へ張り巡らされた連なる電球たちのストリングライト。南国の藁を染めてできたカラフルな絨毯。雪国で活躍間違いなしの古いが現役の暖房器具。板を持ち込みDIYした簡易的な机と椅子。椅子にはクッションもある。机の上にはライトと日記帳。小腹にちょうどいいおやつたち。
分厚いカーテンで閉め切って暖房効率を少しだけ上げている。
アトラは暖房器具のスイッチを入れた。
徐々に部屋は暖かくなる。
「秘密基地、最高」
もはや牢屋ですらなくなっていた。
劇的ビフォーアフターはさておき、アトラは椅子に腰を下ろし、自室から夢見の力で持ってきた手帳を開いた。
やりたいことは山ほどある。
──夢見の力を、目覚めていても使えるようにできないか。
瞑想でトランス状態に入り、起きながら眠るような感覚を作り出せば、力を制御できるかもしれない。無人島の滝や森で、自然の力を借りて試してみるつもりだ。成功すれば、夢見の力を現実に具現化──いわば「夢幻の力」として使えるかもしれない。
──古代世界でエメトセルクに関する手がかりを探すこと。
これは優先度は低いが、いずれ必要になる。
──オールド・シャーレアンの書庫か禁書庫に潜り込み、自分のような力を持つ人物について調べること。
──そして、これらの検証を記録し続けること。
古代での体験はすでに書き終えている。あとは無人島での日々をまとめるだけだ。
アトラは静かにペンを走らせ、未来の自分のために記録を積み重ねていった。
夢見の力で行き来して、アトラはひとつの事実を確かめた。
──自分の体はこの牢屋に固定されていない。
過去でも未来でも、記憶にある時間軸に戻れば、そこに変わらず存在できる。
ただし、自分はあくまでガレマールで育った人間だ。最終的に帰るべき場所は変わらない──そうアトラは理解している。
当初の目的は「ガレマール帝国、そして皇帝ソルの勢いを削ぐこと」。
そのためには、この力を使いこなさねばならない。
……だが、世界が広がりすぎて、アトラの心は少しのんびりしすぎていた。
「でも、皇帝に忠誠を誓っちゃったしなあ。陛下のためにもなることしなきゃなあ」
そうぼやきながら、アトラはまた眠り、無人島へ向かうのだった。
ヒロシの無人島開拓は一段落していた。
ヒロシがラザハンの太守と会うため留守にすることになり、大規模な建設は一時ストップである。
素材集めや細かな仕事は続けられるが、アトラの手持ち無沙汰は否めなかった。
ヒロシが第十三世界へ渡ったのではと推測したアトラは、余った時間で瞑想を始めた。
滝行は一度で断念──師匠なしでは到底無理だった。
「なんか面白そうなこと始めたね。手を貸そうか」
影の案内人が付き合ってくれるようになった。
滝のそば、崖の先端、静かな海岸──アトラは深呼吸し、意識を研ぎ澄ませていく。
季節がひとつ巡るころには、静かな場所に限れば目覚めたまま影の案内人と話せるようになっていた。
「瞑想って効果あるんだねえ」
あぐらを組むアトラの横で、影の案内人は寝そべっている。
「続けなよ。今は静かな場所だからできるだけ。いつでも平常心でいられるようにならないと、『夢幻』の力は本当に使いこなせない」
「どこでも渡れる夢見の力が覚醒したら……何ができるんだろう。知ってる?」
「使う本人次第さ。決まった形なんてない」
「自由すぎて、逆に悩むなあ……」
崖の先端での瞑想は、最初は足がすくんだが、今では平然と座れる。
「一番大事なのは、自分の心をちゃんと知ることだよ。そうじゃないと、誰の心もわかろうとできない。──皇帝サマの心とかね」
その言葉にアトラが反応した瞬間、影の案内人は消えていた。心が揺れたせいだろう。アトラは深呼吸して言い聞かせる。
「『わからない』で済ませてたら、永遠にわかんないよね……わかろうとするしかない。まずは自分のこと、か」
立ち上がって伸びをする。夕日に染まる無人島の極彩色の景色が、濃く輝いていた。
開拓が進み、中心施設「アイランドホール」は布飾りや木の屋根で立派になり、アトラの寝床も簡素ながらしっかりした造りへと変わっていた。
眠りに落ちると、夢見の力で牢屋の自分に戻る。
寒さが目覚めの白い靄を押しのける。
現在の牢屋は、なんということでしょう。
牢屋は、すでに牢屋ではなかった。
天井には壁から壁へ張り巡らされた連なる電球たちのストリングライト。南国の藁を染めてできたカラフルな絨毯。雪国で活躍間違いなしの古いが現役の暖房器具。板を持ち込みDIYした簡易的な机と椅子。椅子にはクッションもある。机の上にはライトと日記帳。小腹にちょうどいいおやつたち。
分厚いカーテンで閉め切って暖房効率を少しだけ上げている。
アトラは暖房器具のスイッチを入れた。
徐々に部屋は暖かくなる。
「秘密基地、最高」
もはや牢屋ですらなくなっていた。
劇的ビフォーアフターはさておき、アトラは椅子に腰を下ろし、自室から夢見の力で持ってきた手帳を開いた。
やりたいことは山ほどある。
──夢見の力を、目覚めていても使えるようにできないか。
瞑想でトランス状態に入り、起きながら眠るような感覚を作り出せば、力を制御できるかもしれない。無人島の滝や森で、自然の力を借りて試してみるつもりだ。成功すれば、夢見の力を現実に具現化──いわば「夢幻の力」として使えるかもしれない。
──古代世界でエメトセルクに関する手がかりを探すこと。
これは優先度は低いが、いずれ必要になる。
──オールド・シャーレアンの書庫か禁書庫に潜り込み、自分のような力を持つ人物について調べること。
──そして、これらの検証を記録し続けること。
古代での体験はすでに書き終えている。あとは無人島での日々をまとめるだけだ。
アトラは静かにペンを走らせ、未来の自分のために記録を積み重ねていった。
夢見の力で行き来して、アトラはひとつの事実を確かめた。
──自分の体はこの牢屋に固定されていない。
過去でも未来でも、記憶にある時間軸に戻れば、そこに変わらず存在できる。
ただし、自分はあくまでガレマールで育った人間だ。最終的に帰るべき場所は変わらない──そうアトラは理解している。
当初の目的は「ガレマール帝国、そして皇帝ソルの勢いを削ぐこと」。
そのためには、この力を使いこなさねばならない。
……だが、世界が広がりすぎて、アトラの心は少しのんびりしすぎていた。
「でも、皇帝に忠誠を誓っちゃったしなあ。陛下のためにもなることしなきゃなあ」
そうぼやきながら、アトラはまた眠り、無人島へ向かうのだった。
ヒロシの無人島開拓は一段落していた。
ヒロシがラザハンの太守と会うため留守にすることになり、大規模な建設は一時ストップである。
素材集めや細かな仕事は続けられるが、アトラの手持ち無沙汰は否めなかった。
ヒロシが第十三世界へ渡ったのではと推測したアトラは、余った時間で瞑想を始めた。
滝行は一度で断念──師匠なしでは到底無理だった。
「なんか面白そうなこと始めたね。手を貸そうか」
影の案内人が付き合ってくれるようになった。
滝のそば、崖の先端、静かな海岸──アトラは深呼吸し、意識を研ぎ澄ませていく。
季節がひとつ巡るころには、静かな場所に限れば目覚めたまま影の案内人と話せるようになっていた。
「瞑想って効果あるんだねえ」
あぐらを組むアトラの横で、影の案内人は寝そべっている。
「続けなよ。今は静かな場所だからできるだけ。いつでも平常心でいられるようにならないと、『夢幻』の力は本当に使いこなせない」
「どこでも渡れる夢見の力が覚醒したら……何ができるんだろう。知ってる?」
「使う本人次第さ。決まった形なんてない」
「自由すぎて、逆に悩むなあ……」
崖の先端での瞑想は、最初は足がすくんだが、今では平然と座れる。
「一番大事なのは、自分の心をちゃんと知ることだよ。そうじゃないと、誰の心もわかろうとできない。──皇帝サマの心とかね」
その言葉にアトラが反応した瞬間、影の案内人は消えていた。心が揺れたせいだろう。アトラは深呼吸して言い聞かせる。
「『わからない』で済ませてたら、永遠にわかんないよね……わかろうとするしかない。まずは自分のこと、か」
立ち上がって伸びをする。夕日に染まる無人島の極彩色の景色が、濃く輝いていた。