夢見の旅人
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絵理沙は実家を出て、一人暮らしをしている。
広い公園と駅から近いアパートでの生活に、彼女は満足していた。
絵理沙の家庭は裕福ではなかったが、ひどい家庭でもなかった。そして、平凡とも言えなかった。家族全員がエンタメやコンテンツ好きで、絵理沙もその一人だった。
絵理沙が遊んでいるのはオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』。
充実したコンテンツ、クエストに参加してのんびりとした冒険を楽しんでいた。
『よろしくおねがいします』
『よろしくです~』
あいさつを交わして、プレイヤーたちとダンジョン攻略する。
最新ストーリー「暁月の終焉」も終えて、新大陸のストーリーを楽しみにしている絵理沙。
――アゼムって人は、結局世界が分かたれたとき、どこで何をしていたんだろう。
アゼムとはプレイヤーのことを指しているので、そこはプレイヤーごとに違う。
ただのんびり釣りをしていたかもしれないし、最強の敵と接戦の中だったかもしれない。
それでも十四人委員会やヴェーネス派に合流せず、プレイヤーと同じく自由に世界を旅していた。
絵理沙はゲームクリア後も考えていた。
……というより、ずっと引っかかっている、と言うほうが正しい。
もし自分が本人に会えたのなら、なんと聞いたのだろう。
「ハプニングでもあったんでしょ。そこはさ。絵理沙は変なところが気になるよね~」
数少ない友人に言われた言葉だった。
友人が普段から何事も気にしない性格だから、ということもあるだろう。
少しだけムッとした。
確かに、友人の言う通り、深く気にするところではないのかもしれない。
それでも。
――エメトセルクは、アゼムと別れたままでよかったのかな。
ビルやアパートの隙間隙間から覗く摩天楼を見ていると、あの水底の摩天楼を思い出す。
次の日もいつものように仕事が終わり、わが家へ帰る。
突然、急激な眠気が、絵理沙を襲った。
「う、眠い。ちょっと寝よう……」
絵理沙はあまりの眠気にベッドに倒れ込む。服も着替えていない。しかしもう、何もできないくらいに眠かった。
――目が覚めたら、お風呂入って、着替えて、それから――
ゲームしよう。
心を決めると、絵理沙の意識は落ちた。
広い公園と駅から近いアパートでの生活に、彼女は満足していた。
絵理沙の家庭は裕福ではなかったが、ひどい家庭でもなかった。そして、平凡とも言えなかった。家族全員がエンタメやコンテンツ好きで、絵理沙もその一人だった。
絵理沙が遊んでいるのはオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』。
充実したコンテンツ、クエストに参加してのんびりとした冒険を楽しんでいた。
『よろしくおねがいします』
『よろしくです~』
あいさつを交わして、プレイヤーたちとダンジョン攻略する。
最新ストーリー「暁月の終焉」も終えて、新大陸のストーリーを楽しみにしている絵理沙。
――アゼムって人は、結局世界が分かたれたとき、どこで何をしていたんだろう。
アゼムとはプレイヤーのことを指しているので、そこはプレイヤーごとに違う。
ただのんびり釣りをしていたかもしれないし、最強の敵と接戦の中だったかもしれない。
それでも十四人委員会やヴェーネス派に合流せず、プレイヤーと同じく自由に世界を旅していた。
絵理沙はゲームクリア後も考えていた。
……というより、ずっと引っかかっている、と言うほうが正しい。
もし自分が本人に会えたのなら、なんと聞いたのだろう。
「ハプニングでもあったんでしょ。そこはさ。絵理沙は変なところが気になるよね~」
数少ない友人に言われた言葉だった。
友人が普段から何事も気にしない性格だから、ということもあるだろう。
少しだけムッとした。
確かに、友人の言う通り、深く気にするところではないのかもしれない。
それでも。
――エメトセルクは、アゼムと別れたままでよかったのかな。
ビルやアパートの隙間隙間から覗く摩天楼を見ていると、あの水底の摩天楼を思い出す。
次の日もいつものように仕事が終わり、わが家へ帰る。
突然、急激な眠気が、絵理沙を襲った。
「う、眠い。ちょっと寝よう……」
絵理沙はあまりの眠気にベッドに倒れ込む。服も着替えていない。しかしもう、何もできないくらいに眠かった。
――目が覚めたら、お風呂入って、着替えて、それから――
ゲームしよう。
心を決めると、絵理沙の意識は落ちた。
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