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海賊の世界で彷徨う彼の名は鬼丸国綱

何でこうなったと頭を抱える鬼丸国綱。大きくなった子供たちが顔を覗いてくる。

「大丈夫?!」
「ロー!クニツナが!」
「またか。親父大丈夫か。」
『いや俺は平気だが…』
「怪我してるじゃないか。座れ。」
『……』

医者の言うことは聞いた方がいいと鶴丸から聞いた事あったので聞いている。

「お父さん無茶して!」
「ウタが怒るのも無理ない。」
「父さん目を離したら無茶するからな。」
『(なんでこうなった。)』

鬼丸国綱はタダの旅人であると言い張りたいが数多くの子供を育てた彼はもうタダの旅人ではない。

「お父さんは海賊になるの?」
「海軍か?」
「旅人のままじゃないか?」
「世界に影響与えてる時点で旅人って言えるのか?」
『この間センゴクとニューゲートからどっちになるのか睨まれた事がある。』
「だろうね。」
「手当てはした。無茶するなよ親父。」
『分かってる。』
「お父さんー!シャンクス来た!」
「勧誘か!しつこいな!」
「おーい!クニツナー!海賊やろうぜ!」
『俺は旅人のままでいい。』
「海賊だって自由だぞ?」
『酒は?』
「持ってきた。」
『飲む。』
「お父さん!」
「立派になったな。ウタ。」
『……拾ったのはお前だろ。』
「お前が先に見つけた、それに俺たちは海賊だ。」
『全く…』
「愚痴をこぼさず育ててくれてありがとう。」

頭を下げるシャンクス。慌てて頭を上げろと言う鬼丸国綱。

「お前は本当に優しいな。」

頭を上げ鬼丸国綱にそう微笑みかける。ホントイケメンだなと呑気にそう思っていた鬼丸国綱はお酒を飲みながら答える。

『何処がだ。』
「俺に色々と教えてくれたじゃないか。」
『……あれは…教えろと言ったお前たちが…』
「言い訳下手くそか。」
『煩い。』
「所で仲間は見つかったか?」
『…まだ。』
「見つかるといいな。」
『本心で言ってるのかそれ。』
「……まさか。」
『(今の間はなんだ。)』

本心は帰って欲しくないと思っていることに気が付かない鬼丸国綱は今日も仲間を探すのだった。

『何処にいるんだか。』

空を見上げそう呟く彼の背中はとても…とても寂しそうだった。
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