『いくら妹が可愛いからって…俺を差し出す馬鹿が何処にいる。』
「これは命令ですので。」
『……どいつもこいつも。』

妹妹ばかり、流石に呆れる。女性らしくもないどちらかと言うと男性らしいギンは可愛がられていなかった。妹のことばかり…本当に呆れる。

『失敗したらどうする気だあのバカ親。』

やっと辿り着いたのは万国（トットランド）、噂で聞いた限りだとビック・マムはとんでもない程強いとか。

『俺の角を見て勘違いしなければいいんだがな。』

生まれつき角だの肌が白いだの煩く言われてきた彼女ギン…相手がそれらを指摘しなければいいんだが…

『……政略結婚は破綻だな。』

ドレス姿で歩くのはきついギンは早く脱ぎたいそう思っていると相手が入ってきた。

『……ん？』
「……ん？」
『お前…カタクリか？』
「……ギンか？」
『久しぶりだな。』
「え、あ…ああ…」
『……待て政略結婚の相手…お前か？』
「……そのまさかだ。」
『嫌なら嫌と言え。』
「……なんでだ。」
『俺は女らしくない。』
「………ギン。」
『カタクリ。』
「……決めた。」
『な、なにがだ。』
「俺はお前と…結婚する。」
『……は？』

唖然とするギンを抱えるカタクリ。慌て暴れるギン。

『おいカタクリ！』
「嫌か？」
『……どちらかと言うと…』
「俺はずっと前からギンのことが…」
「カタクリ様！式場の準備が整いました！」
「そういう事だギン。逃げ場はないぞ。」
『おい待て俺はまだ！ちょっとまて何をする気だぁぁぁぁぁ！！』
「……ウェディングドレス…か。まさか見られる日が来るとはな。」
「良かったねぇカタクリ初恋の相手が手に入って…ペロリン。」
「ああ。」

ずっと前からギンのことが好きだったカタクリはこれを気にギンをドロッドロになるまで甘やかし傍から離れさせないようにしようとそう決心するカタクリであった。

「所でギンの妹の件どうする気だい？」
「ママがいうには不要だそうだ。」
「では滅ぼすかい？」
「どうせ出席するその時に殺せばいい。」
「くくくっ。そうだね。」
「……俺だけの花嫁…か…楽しみだ。」

なんて言いながら式の準備を進めていたのであった。