七つの大罪と呼ばれる男がいることを知っているだろうか…彼の名はルシフェル、又の名をルシファーと呼ばれている。世界政府もっとも消したい男であり一般人からは化け物と呼ばれている男である。どんなに刺しても斬ってもどんな方法で殺しても死なない男。嫌われ者とは彼のことを言う。そんな彼を愛した女性たちがいた。彼は女性たちを愛した結果生まれたのが子供たちである。彼は名乗るつもりはない。時には政略結婚をして子供を作ったり、時には義理の息子として育てたことがあった(本人は本当の息子の様に可愛がっていた。)。そんな彼は…言葉足らずだった。

「汝。」

言葉足らず過ぎて伝わらない時があった。通訳が必要なくらいに。伝わるとすれば子供たちか慕っている者か…或いは友人という友好関係が狭い…言語能力が狭いせいで誤解されやすいがいい人なのだ。本人は無自覚である。

「ルシフェルお前…何度目だ。」
「……リンリン、政略結婚。」
「秘密を喋らない代わりにか？お前なぁホイホイと結婚するなよ死んだ奥さんたち泣いてるぜ？」
「…ロジャー…」

ロジャー、ゴール・D・ロジャーはルシフェルの友人であった。数少ない友人と言ってもいい。

「お前なぁ…いくら惚れやすいからって。」
「否。」
「違うって？息子たちからしたら惚れやすいって思われるぞ。」
「……」
「言葉足らずだから仕方ないだろ。」
「レイリー、そりゃそうだけどよぉ…ルシフェルは言葉足らず過ぎる。勿体ねぇ。」
「……否定。」
「出来ないって？そりゃそうだろうな。」
「会い…行きたい。」
「……やめておけお前は大犯罪者。あった所で…何がしたい。」
「……」
「愛してるって伝えたいって？……不器用だなぁお前は。抱きしめる事くらい出来ねぇのか。」
「うぅ…」
「ロジャー。」
「……お前は不器用だ。お前なりに愛を伝えろ。」
「ロジャー。」
「俺なら愛してるって言うさ。」
「……愛。」
「父親って難しいな。」
「だろうな。」
「まっ応援してやるよ！頑張れよ！」

それがロジャーとの最後の会話であった。ロジャー海賊団は解散、ロジャーは出頭、処刑され新たな時代の幕開けとなった。

「……」

愛すべき子を遠くから見守ることしか出来ない彼はこの先どうするのか

「……愛。」


愛している子供たちよ。そう伝えたいルシフェルであった。