最終章 翔べない天使
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屋敷へ入ると、エドワードが早速訊ねる。
「グレタがアルモニを拐ったって、どういうことだ?」
「アルモニの中の、オリジナルの羽ーー賢者の触媒を手に入れるためでしょ」
「教授は?」
「まだ城の中にいるはずだって、追って行ったわ。神父さんは、安全な場所に隠れるように言ってある」
「じゃあ、ボクたちも追おうよ」
「ああ。エリス、教授はどっちへ行った?」
エリスは天井を指差す。
「上ーーよ」
術師たち相手に随分手間取っていたようだ。急いでいるが、先に行ったヴィルヘルムに追い付かない。
途中、通路に落ちているエーテルフラウの花びらを見つけた。
アルフォンスはそれを拾い、エドワードに話しかける。
「ねえ、兄さん」
前を歩くエドワードは、振り向かない。
「なんだ、アル」
「アルモニはーーその、セレネの記憶を・・持っていなかったのかな」
答えないエドワードに代わり、エリスが口を開く。
「身体を再構築した時に、教授の、セレネの内向的な性格を直したいと思っていたのが、無意識に働いたんじゃない?」
「記憶の再構築・・」
エリスの言葉を繰り返す。
「・・・マリィも、そうだったよね」
「・・・・・」
「マリィ?」
「何でもない。急ぐぞ。アルモニはーーあいつは、俺の大事な弟子なんだ。絶対に、絶対に助ける」
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