エピローグ エンディミオンの魔女
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列車が停止すると、エドワードは真っ先に飛び出した。
「早くしろよ、アル!!」
「兄さん、そんなに急がなくても!」
「うむ、図書館は逃げることはないぞ」
「いいから早く!!」
コートの裾を翻してホームを走っていくエドワードに、アームストロングは呆れ顔で
「まるで子供だな」
そう呟いた後、隣に並ぶアルフォンスを一瞥した。
鎧の体躯や、軍人顔負けの体術を身に付けていても、彼らはまだーー
「いや、失敬。ほんとの子供だったな」
「いいえーーあ、危ない!!」
走っていたエドワードが、前から来た花売りの娘とぶつかった。
「うわっ!」
「きゃーーっ!」
小さく悲鳴を上げ、娘は倒れた。
「まったく、前見ないで走ったりするからーー」
ガチャガチャと音を立て近づくと、娘の顔を覗き込む。
「大丈夫?」
鎧から聞こえた幼い声に驚きつつ、娘は顔を上げる。
「はい。あーー」
バスケットに入れていた花々が、倒れた拍子にホームに散らばっていた。
「あ、いけね」
エドワードは慌てて拾い始める。
アルフォンスも拾った花を渡しながら謝罪する。
「ごめんね」
「いいえ、大丈夫です」
拾い終わると、両手で花を束にしてに差し出す。
「はい、これほんとにごめんーーー」
顔を見たエドワードは、目を見開く。
何故なら、娘はアルモニにとてもよく似ていた。
瞬時に、アルモニへの感情がエドワードの心に満ちる。
救えなかった悔しさと悲しみがーーー
溢れようとする涙に、俯き、唇を噛みしめる。
「あの・・大丈夫ですか?」
気遣う娘に、エドワードは白い歯を見せ、ニカッと笑う。
「俺?全然OK!!さあ、行くぞアル!!」
顔を上げて、前に進もうーーーアルモニが見ている
「待ってよ、兄さん」
アルフォンスも会釈して、兄の後を追う。はしゃいでいたかと思うと、急に黙り込んだエドワードに声を掛ける。
「どうかしたの?兄さん」
「いや、何もーー」
改札に近づくと、外の光が眩しいほど差し込んでいる。
この地で、探しているモノが見つかるかもしれない。
エドワードは勢い良く、拳を振り上げた。
「来たぜーー!!セントラル!!」
終
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