第1章 トレインジャック
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「なっ!?だ、誰だっ。貴様たちは!!」
突然の侵入者に、車両の中央にあるバーカウンターに集まっていたトレインジャック犯たちは、一斉に振り返った。
「おっ!いいねえ、そのセリフ。悪役にはお約束だよな」
「それより兄さん、あの制服・・」
楽し気に言うエドワードに、アルフォンスは耳打ちする。
肩や腕にタトゥーを施した男たちの中に、黒い軍服姿。
エドワードは、軍服の階級章を見た。
「あぁ、 エリスの言った通りだったな。やっぱ、リーダーも軍の人間だったか。しかも国家憲兵ときたもんだ」
「国家憲兵っていえば、軍の中でも特別な訓練を受けてるエリートの筈なのに。どうしてこんな ・・ 」
「金に困ってる訳じゃあるまいし」
一般の憲兵は紫色の軍服を着用しているのに対し、上級憲兵は黒の軍服を着用していた。
一般の憲兵から選りすぐられた、精鋭の筈だ。
テロリストを制圧する立場の軍人が、何故手を組んでいるのか。
困惑するアルフォンスと、呆れた様子のエリスは顔を見合わせる。
「おい!さっきから何をゴチャゴチャ勝手に喋ってるんだ!!ガキが、生きて帰れると思うなよ」
憲兵の廻りにいたテロリストたちが、腰からシースナイフを抜いた。
「あ~あ、何でこんな面倒なことになっちゃったんだろうな・・っと。だが、あちらさんもやる気満々だ。今までのザコとは、ひと味違うみてーだから。油断するなよ、アル」
ニヤリと笑うエドワードに、アルフォンスも構える。
「兄さんこそ、手加減忘れずにね」
「それは出来ない相談だな。エリス、下がってろ」
「は~い」
エリスが数歩下がると、エドワードは両手を合わせた。
合わせた両手を、すぐ傍にあった装飾品につける。それは光を放ち、床に固定された機関銃へと錬成された。
銃口をテロリストに向けると、彼らの足が止まる。
「うっ!」
「くそっ!!」
勝ち誇った笑みを、エドワードは彼らに向けた。
「撃たれたくなかったら、大人しくしろよ」
「見せかけに決まってる!怯むな!!」
ダダダダダッーー!!
「うわっっ!!」
甲高い音を上げ、突然機関銃が火を噴いた。エドワードは、思わず飛び退く。
「おわっ!何すんだよ、 エリス!!あぶっねーな!」
「ほんとに撃てるとこを見せなきゃ、脅しにならないでしょ?」
慌てふためくエドワードに、 エリスはしれっと言い放った。
「ぐっ・・く、くそっ。こ、こんなガキに!!」
アルフォンスがテロリストたちの手足を縛り上げた。悪態をつく彼らを無視し、エドワードはリーダーの憲兵に近づく。
「さてっと。それじゃさっそく、国家憲兵がトレインジャックなんかしちゃったワケを、訊かせてもらおうかな」
「まさか、単純な強盗目的なんかじゃないよね?」
「貴様ら、一体何者だ?」
子供に尋問される屈辱に拳を握り締め、憲兵は2人を睨み付ける。
「質問してるのは、俺たちの方」
気の短いエドワードは、今一度、彼の前で両手を合わせる。
「ひっ!?やっ、やめろっ!分かった。言う、言うからっ。お、俺は、ただ逃げてただけだ!!」
一歩二歩と後退り、慌てて返答した。
「逃げる?誰から?」
「軍だ。他の国家憲兵からだよ。俺は、誰かに無実の罪を着せられたんだ。それで、仕方なく逃げてたんだ」
「それで、コソコソしてたのね」
オドオドと忙しなく動く眼。歪んだ厚い唇。汽車に乗車する時に、この男が居た事をエリスはハッキリと思いだした。
「だったら、逃げないで無実を主張すれば良かったのに」
アルフォンスがそう云うと、男は目を見開いた。
「そんな正攻法が通用するなら、俺だって苦労しない!これは、誰かの陰謀なんだ!そうでなきゃ、俺たち7人全員に、突然逮捕状が出る筈がない!!」
「一個分隊全員に?」
「あぁ。途中で拾った何人かを除けば、俺たちは全員軍属の錬金術師だ。国家資格は持っていないがな」
興奮してまくし立てる彼の説明に、エドワードは腕を組む。
「一個分隊全員が、無実の罪ねえ…」
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