第8章 白い羽根の加護
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3人が連行され、ネムダやマスタングたちも引き上げ、屋敷は静けさを取り戻した。
取り残され、なすすべもなく立ち尽くすアルモニの前に、ヴィルヘルムが現れる。
「アルモニーー!!」
「パパ・・パパァ!!」
「アルモニーー良かった、無事だったんだな」
抱きついてきた娘を、しっかりと抱き締める。
「エドたちに助けてもらったの。パパの方こそ、あたし、すっごく心配したんだからぁ」
「あぁ、パパは大丈夫だ。エドワード君たちは?一緒じゃなかったのか?」
「それがーー」
「とりあえず、屋敷に入ろう」
ヴィルヘルムは、食堂の椅子に座らせると、アルモニの顔を覗き込む。
「どうしたんだ?何があったんだ、アルモニ」
「エドたちは、あたしを助けたばっかりに、軍に・・」
「軍ーー?ネムダ准将かーー」
「うっ・・!?あーーあああぁぁ・・!!」
急に苦しみだし、椅子から崩れ落ちそうになるアルモニの身体を抱き止める。
「アルモニ!?どうしたアルモニ!!しっかりしろ!!」
「うぅーー」
胸を押さえて、大きく肩で息をする。その呼吸でさえ、苦しそうだ。
「この発作はもしや・・・アルモニ、お前、錬金術を使ったな!?」
「パパ・・すごく、苦しいよ・・」
「あれほど云ったのに、どうして術に手を出したんだ!!そうか、あの子たちか。あの子たちがお前に術をーーー」
アルモニの小さな背中には、エドワードたちが見たものが、辛うじて残っている。
「あの子たちに、“これ“を見られていなければいいがーー」
上着でアルモニの身体を覆い、抱き上げようとした時、扉が開き、グレタが顔を覗かせる。
「教授、ご無事でーーえっ!?何事です?」
「来るな、君には関係無い!!早く向こうへ行け!!」
部屋に入ろうとするグレタを、怒鳴りつけた。
「教授?」
「こっちへ来るなと云ってるんだ。いいいから早く向こうへ行け!!」
「わ、わかりました、それではーー」
ヴィルヘルムの剣幕に押され、グレタは立ち去る。
「パパ・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「アルモニ、わかった、もういい。大丈夫だ。大丈夫だからーー」
「・・苦しい・・・苦しいの・・・助けて、パパ・・」
「アルモニーー」
アルモニを抱き上げて、足早に寝室へ向かうヴィルヘルムを、いぶかし気にグレタは見送った。
「なんだったの、今のは・・」
ヴィルヘルムの姿が見えなくなると、今一度、食堂に入る。
軽く腕を組んで、2人が居た辺りを見つめた。
「やっぱり、教授は何かを隠している。あの娘に何か秘密がーーあら?」
アルモニが座っていた椅子の下に、何やら白いものが落ちていた。
「これは、何ーー羽?」
屈んで摘まみ上げると、繁々と見いる。
それは、エドワードたちが教会でみたものと酷似していた。
その羽も程なくして消える。
「まさかーーオリジナルの?どうしてこんなところに・・・」
暫く考え込んでいたグレタの赤い唇が、大きく弧を描く。
「あぁ・・そうか、そういうことだったのね。まさかと思ったけど、やってくれるじゃないの。
そういうことなら、もうまわりくどいマネをしなくていい、好きにやらせてもらうわね」
2階の、アルモニの部屋の方角を見上げる。
「これでもう、私の夢は叶ったも同然ーーうふふふふ・・あはははははははっーー!!!」
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