第7章 企み
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無断で入り込んだ書斎のドアを、そっと閉めた。
この時間なら、ヴィルヘルムはグレタと共に、研究所に籠っている。
小一時間程調べた後、そっと部屋を出た。
念のため、急いで部屋に戻ろうとしていると、廊下の曲がり角でギクリと足を止める。
「あら、どうしたの?マーゴットさん」
からかうように、グレタは云った。彼女の唇は、相変わらず薄く笑っている。
マーゴットは泳ぎかけた視線を、グレタの顔に戻す。
書斎に居たことに、気づかれただろうか。落ち着かなければーーー
「曲がり角でーー急に現れたから、驚いただけです」
「そう。ごめんなさいね、驚かしちゃって」
「いえ、こちらこそーー失礼します」
軽く会釈して歩き出す。
「ねえ、マーゴット。あなた、そのメガネどうしてかけているの?とても綺麗なのに」
「ーーそんなこと、ありません」
会話を拒絶するマーゴットの背中に、かまわず話しかける。
「度が入っていないメガネなんか外して、そんな地味な服なんかやめたら?そうしたら、男が放っておかないわよ」
「・・・興味ありません」
「その美しさが、永遠に続くと云っても?」
「永遠に続くーー美しさ?」
「そうーー永遠」
ゆっくり振り向いたマーゴットの眼に、勝ち誇ったように微笑むグレタが写る。
グレターーー男を惑わす、美しい魔物の名
偶然見つけた彼女の名の由来を、妙に納得した。
彼女の美しさの裏には、何かあるのか?
永遠の美などに興味はないが、グレタの美の裏には興味が湧く。
グレタが更に何かを云い掛けたその時、廊下の窓ガラスに、サッと黒い影が走った。
ギョッとして影を追うと、それはコウモリのような翼を持った飛行タイプのキメラだ。
「ーーーあれは、キメラ!?どうしてここに!?」
窓から外を見ると、いつの間にか中庭を、キメラが我が物顔で闊歩している。
鰐や豹を母体とした、獰猛そうなキメラばかりだ。
「あ、マーゴットさん」
戻って来たエリスが走り依る。
「エリスちゃん、みんなは!?」
「エドとアルは、ヴィルヘルム教授を助けに行ったわ。それより、庭中にキメラがーーこのままじゃ、街にも行ってしまう。マーゴットさん、軍にキメラ排除の要請をーー」
言い終わると、エリスはマーゴットの返事を待たずに踵を返し、玄関へと向かう。
「エリスちゃん!」
「エドとアルを助けに行くわ!」
マーゴットの声に、エリスが後ろに一瞥をくれると、グレタが微かに目を見開いて、自分を見ているのがわかった。
「マーゴット、私が軍に連絡するわ。あなたは、部屋に隠れていて」
「え、えぇーー」
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