第6章 謎
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列車事故で足止めされて、4日めの朝を迎えた。
今日もサンドイッチをいれたバスケットを大きく振り、アルモニは朝からご機嫌だ。
昨日、エドワードに錬金術を指南する約束を取り付けたからだろう。
アルモニを先頭に街を歩き、もう少しで街を囲う塀が途切れるという時、エドワードがふいに立ち止まった。
「・・・・・」
顔だけ向けて塀を凝視するエドワードに、エリスが振り返る。
「エド、どうしたの?」
「この壁、何かついてる・・血痕?・・」
壁をなぞりながら、エドワードは言った。
「エド~早く行こ~!」
「あ、あぁーー」
気にはなったが、アルモニに急かされてまた歩き出した。
太陽が真上に昇るまで、教会で錬金術の基礎知識を2人から学ぶ。
教材は、ヴィルヘルム教授の書斎からこっそり持ち出したものだ。
研究室には立ち入ることは出来ないが、屋敷の書斎の出入りは許されていた。
無論、賢者の触媒の研究書はないが、過去の研究書や他の術師の著書、参考文献はちょっとした図書館並みにある。
2、3冊持ち出してもバレる心配はない。
講義が終わると、湖の畔に移動して昼食にした。
サンドイッチを頬張りながら、近況を話す。
「グレタさんは1年くらい前からかな。パパの研究を手伝いたいって来たの。マーゴットさんは最近だよ。2週間くらいかな」
「アルモニは、錬金術で何をやりたいの?」
アルフォンスが訊ねると、アルモニははにかみながら答える。
「あのね・・花を咲かせるようになりたいの」
「もしかして・・エーテルフラウ?」
「ーーうん」
「そっかぁ・・教授の手伝いがしたいんだね」
「さてと、午後の講義を始めるか」
エドワードがパンくずを払いながら立ち上がる。
「午後はお待ちかね、錬金術の実技だ。なんか種を拾ってこいよ。術で咲かせて見せてやる」
「ほんと!」
「アルモニ、片付けはやっておくわ」
「ありがとう、エリス!」
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