第6章 謎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エドワードはコートを脱ぐと、バサリと草の上に広げる。
改めて見ると、思っていたより焼け焦げは多かった。
それを口にしようとしたが、ロートの実力を認めるような気がして、やめた。
剥き出しになったオートメールを、アルモニはじっと見つめる。
「エド・・・その腕ーー」
「あぁ、これか?ーーーこれは、禁忌を犯した罰だ。術師として、俺たちは、やってはいけないことをした」
事も無げに云うと、両手を合わせコートに押し付ける。青白い光が消えると、コートは新品のように綺麗になった。
「アルモニ、これを見てーー」
アルフォンスは胸のバンドを外し、鎧の中を見せる。
「アルーーー」
空っぽの中身に、アルモニは言葉を失う。
「アルモニも錬金術師になるなら、覚えておいて」
・・・・・・・ ・・・・・・・
禁止されるには、理由があるんだ
「それを破れば、バツが下るんだよ。ボクたちみたいにーー」
「・・うん」
「さてと、腹ごなしでもするか」
立ち上がったエドワードは、大きく伸びをする。アルフォンスは鎧を閉じると、兄の後に続いた。
離れた場所で組み手をする2人を眺めながら、アルモニはエリスに問い掛ける。
「エリスは、エドとアルの身体の事、知ってたの?」
「えぇ、気付いてたわ」
「そう・・」
戻ってきたエドワードが、勢いよく腰を下ろす。
入れ違いにアルモニが立ち上がると、アルフォンスに錬金術を見せてくれと云った。
錬成陣なしで発動するエドワードより、陣が描くアルフォンスの方が、参考になると考えたようだ。
エドワードがはしゃぐアルモニとアルフォンスを眺めていると、ふいに甘い香りが鼻を擽った。
「ーーーおわっ!!」
ふと横を見ると、 エリスの顔が間近にあった。ヘーゼルグリーンとゴールドのオッドアイが射竦めるように見詰めている。
顔だけではない。肩も手も膝も、エドワードの身体に触れんばかりに近づいていた。
「なな何だよ!エリス!」
急上昇する体温につられ、顔が赤くなる。そんなエドワードの様子を楽しむかのごとく、エリスは更に距離を縮める。
「ねぇ・・エドワードは、恋人いるの?」
「ここ恋人!?い、いねえよ、そんなもん!!」
「じゃあ・・私はどう?」
「どうってーー」
「あなたの恋人にしてよ」
恋人ーーと云われて、エドワードの頭の中にロイ・マスタングとリザ・ホークアイの姿が浮かんだ。
あの2人が恋人同士ーー噂はあるがーーではないが、ナゼか自分とエリスの姿が被る。
「んーー?」
エドワードとエリスの様子に気づいたアルモニが楽しそうにアルフォンスの腕を引く。
「アル!アル!見て見て!!」
「何?アルモニ。あーー」
エリスに迫られているエドワードを見て、列車強盗に遭遇したときに、彼女が云っていたことを思い出す。
ーーー私、あなたに興味があるの
それを云うと、アルモニの瞳が輝きを増した。
「そうなの!?エリスって、エドが好みなんだ!!」
はしゃぐアルモニに、女の子だねぇとアルフォンスは苦笑する。
「アル!アルモニ!花を摘んで帰るぞーー!!」
赤い顔のまま、エドワードは叫び立ち上がった。
「なんだぁ、もう終わり~?」
不満げなアルモニの前を、エドワードは大股で横切った。エリスは笑いを堪えながら後に続く。
からかわれたのかな?
そうも思ったが、本気にも見えた。
女の子の気持ちはよくわからないやーー
今度、大佐に聞いてみようとアルフォンスは思った。
エーテルフラウを摘み、4人は来た道を戻る。
市街に入ると、エリスはアルフォンスと並んで歩くアルモニを振り返る。
「ねえ、ノイエ・ヒースガルドに移ってから、前の家には帰ってないの?」
「うん、一度も」
「行ってみない?キメラたちに壊されないうちに」
.
