第6章 謎
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リビングアーマーが倒れると、エドワードとアルフォンスは踵を返した。
「クソッーー!!!」
「アニキ!俺たちの錬金術はあれだけじゃねえ!!」
「・・・・・」
悔しがるロートに、ゲルプが叫ぶ。ブラオもやる気のようだ。
「よし。俺は炎で、ゲルプは地を使え。ブラオ、アイツらを凍らせろ!!」
「任せろ!!」
「・・・・」
3人は、向かってくるエドワードたちを囲むように散った。
彼らは、身体に錬成陣を彫り込んでいる。姑息だが、腕は侮れない。
ゲルプは両手を地面に着ける。
「ーー何だっ!?」
地面から柱が6本出現した。だが自分達の近くではない。アルフォンスは、柱の向こうの人影にハッとする。
「エリス!!アルモニ!!逃げて!!」
声とほぼ同時に、彼女たちの近くに出現した柱が、バラバラと倒れ始める。
「エリス!!」
アルモニがエリスの腕を掴む。しかし、エリスは柱を見つめていた。
「ーーアルモニ!こっち!!」
今度はエリスがアルモニの腕を逆方向に引く。
倒れてくる柱は、正確に彼女たちを狙うことは出来ない。
エリスは倒れる方向を見極め、冷静に避けた。
舞い上がった土煙が収まると、アルモニは大丈夫だと大きく手を振る。 エリスもつられて笑った。
「良かったーー女の子になんてことするんだ!!!」
アルフォンスはゲルプに突進していく。
ブラオも無言で両手を地面についた。
「ーー!!アイツも柱か!?」
用心して走る速度を落とした瞬間、足元から氷柱が出現する。
咄嗟にバック転でよけ、ブラオを睨む。
「氷の錬金術師か。止まったら狙い撃ちかよ」
ゲルプはアルフォンスに任せ、エドワードはブラオとロートを引き付けた。
走り回りブラオの狙いを外し、氷柱を盾にロートが飛ばしてくる炎を交わす。
そうこうしているうちに、アルフォンスがゲルプをノシた姿が眼の端に写る。
「よしーーこっちも片付けぞ」
氷柱を錬成した直後のブラオに一気に接近する。ブラオがそれに気付いた時、エドワードは合わせた両手を地面につける。
「ーー!!」
あっという間に目の前に土が盛り上がり、津波のようにブラオの身体を押し流す。
「クソッ!!これでもくらえーーッ!!!」
放った炎が前から迫る。エドワードは腕で顔を覆い、その炎に自ら飛び込む。
「こんなチンケな火で、炎の錬金術師を名乗るんじゃねえーーッ!!」
炎を裂いた鋼の腕が、ブラオの身体を宙に飛ばした。
「これで、俺たちの質問にちゃっちゃと、答えてくれるよね?」
すっかり戦意消失した三兄弟は、地面に座り込んでエドワードたちを上目使いに見た。
「ーー何を聞きたいんだよ」
「この街の噂を、どこで、誰に聞いた?錬金術師を集めて、ここで何をさせるつもりだ?」
3人は無言で顔は見合わせたが、ロートが口を開いた。
「俺たちは、イーストシティで聞いたんだ。
仲間の錬金術師が揉め事を起こして街に居ずらくなった時、そいつを捕まえに来た軍のヤツに聞いたらしい。
見逃してやるから、そこへ行けーーてな。ここで、何かをしてくれと、指図されたことはねえ」
「・・その仲間の術師は、ここにいるのか?」
「今はーーいない。俺たちがここへ来て2、3日は見かけたがんだが、突然、姿が見えなくなった。
だが、そいつが云ってたんだ。ここにいろ。この街は、錬金術師を必要としているってな」
彼らにそれ以上知っていることはなかった。
3人を解放して、エドワードたちは旧市街に向かう。
旧市街につくと、数は減ったが相変わらずキメラがうろついている。それらを倒しながら湖を目指した。
「結局、これといって新しいことはわからなかったわね」
「うん。ねえ、兄さんーー兄さん?」
エドワードは歩きながら考えを巡らせていて、アルフォンスに名を呼ばれても返事をしなかった。
彼が口を開いたのは、湖の畔に着いた時だった。
ノイエ・ヒースガルドで手間取ったため、もう昼を廻っている。アルモニはさっそくシートを広げ、作ってきたサンドイッチを並べた。
「なんで、錬金術師が必要なんだろう」
真っ先にサンドイッチを平らげたエドワードが、呟く。
「え?」
湯気の立つ紅茶の入った紙コップを口に運ぼうとしたエリスは、手を止める。
「さっきのやつが言ってたろ。錬金術師が必要だってーー」
「エド、直したら?」
「何を?ーーあぁ」
話の腰を折られて少し不機嫌な顔を向けられたエリスは、所々焼け焦げたエドワードのコートを指差した。
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