第6章 謎
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「エドーー!!アルーー!!アルモニーー!!」
手分けしてゲルプたちを捜しているアルフォンスに、エリスの声が聞こえた。
「兄さん、エリスの声だ」
「おう、見つけたのか?」
「行ってみようよ」
3人が声を頼りに進むと、地べたに座り込んでいるゲルプと、彼の横に立っているエリスを見つけた。
その様子に、アルフォンスは目を丸くする。
「エリスがやっつけたの?」
「まさか。説得に応じてくれたのよ。ね?」
微笑んでゲルプを見下ろすと、ゲルプは慌てて両手を振る。
「も、もう、俺たちゃあんたたちにちょっかいは出さねえ。本当だって!」
「違うよ、おじさん。ボクたちは、おじさんに訊きたいことがあるんだよ」
「き、訊きたいこと?」
「なあ、ヒースガルドに錬金術師が集まってるのは、あんたも知ってるよな。あんたもその噂を聞いて、ここへ来たくちだろ?」
「あ、あぁ」
「その噂、どこで聞いたんだ?」
そんなことかと、ゲルプは立ち上がる。
「はっ・・ははっ!そんなこと知らねえな!知ってたって、お前らなんかに教えるかってんだ!!」
予想通りの返事に、エドワードは肩を竦める。
「しょうがないなあ・・アル、この人を素直にしてやってくれ」
「うん」
アルフォンスは指を鳴らす仕草をしながら、ゲルプに近付く。
いっぽ歩く度に、鎧がガチャリガチャリと音を立てる。
「なっ!?おっ、おい!!」
「ボクも、暴力は嫌いなんだ。だから、素直に知ってることを話してくれたら、助かるんだけど」
覆い被さるようにゲルプを見下ろした。
2メートルはあろう鎧のアルフォンスに迫られ、ゲルプは慌てて両手を振る。
「だああっ!!バ、バカ、やめろっ!!知らねえ、俺はほんとに知らねえんだ!!そ、そうだ、弟がいい。弟のブラオに聞いてくれよ、な?な?」
怯えるゲルプに、勝ち誇った笑みを浮かべてエドワードは尋ねる。
「しょうがねえな。で、あんたの弟はどこにいるんだ?」
「確か、はね橋の方へ行ったはずだぜ」
はね橋は車両置き場より奥にある住宅街の入り口にある橋で、その先には、主に旧ヒースガルドの住人がいる。
夜になるとはね橋を上げ、街に入れないようになる。
駅周辺や鉱山に近い場所には、噂を聞いて集まって来た錬金術師や、ゲルプたちのようなゴロツキが住み着いていた。
「はね橋か・・行くぞ」
「レッツゴー!!」
事情はよく理解していないが、アルモニは楽しんでいるようだ。
はね橋を渡ると、広場が出迎える。ネコ脚の洒落たベンチに、木陰を作る広葉樹。地面は煉瓦が敷き詰められ、住人の憩いの場になっている。
「はね橋を渡ったけど・・どこに隠れてるんだろうね」
「う~ん、あたしはこっちに隠れてる気がする」
額に手を当て見渡すアルフォンスに、アルモニは込み入った住宅街を指差す。
なるほど。死角も多く、隠れるにはもってこいだ。
「よし、ここはアルモニの女の勘を信じてみよう。周囲を徹底捜査だ」
さして変わらない身長のエドワードとアルモニは、並んで歩き出す。それを、エリスは見詰める。
「・・・・」
「どうしたの?黙り込んで」
「エドがーー」
エリスは笑い出した。
「女の勘を信じるって言ったのが、以外だったの」
「あぁ・・自分じゃ見当がつかないからじゃない?でも兄さん、あれでも女の人には優しいんだよ、意外と」
「そうね、口は悪いけどーーね、エドって、年上の女性に弱くない?」
屋敷の中で見ていて思った。
グレタにはそうでもないが、マーゴットにはちょっとデレデレしてる。
「あはっ、当たってるかも」
アルフォンスは笑いながら歩き出した。
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