第6章 謎
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「また、お前らか・・」
エドワードと眼があったゲルプは忌々しげに呟いた。
隣にいるブラオが、何事か囁く。
「・・・・」
「お前に言われなくても分かってんだよ。ブラオ!逃げろ!!」
スキンヘッドに黒い眼帯のロードが、走り出した。
「あら」
「ちょ、ちょっと待ってよ、おじさんたち!!」
引き留めるアルフォンスを当然の如く無視して、3人は散り散りに逃げて行く。
呆気にとられていると、アルモニが呟いた。
「逃げちゃったね」
「あぁ・・なんだかキズつくなぁ。俺たちの顔見ただけで、あそこまで怯え逃げなくても・・・ただ訊きたいことがあるだけなのに」
エドワードは大袈裟にため息をついた。それを聞いたエリスは笑う。
「エドの顔見て、逃げたんでしょ」
その通りだと、アルフォンスとアルモニは大きく頷いた。
エリスたちの言動にムッとしたエドワードは、肩を怒らせ大股で歩き出す。
「こうなったら、意地でも聞いてやる。ぜってー逃がすもんかよっ、行くぞ!!」
「ちょっと!!」
「エド、待って!!」
ゲルプたちの逃げた方向へ走って行くエドワードを、アルフォンスたちは慌てて追った。
駅前の広場を走り抜け、細い道の角をいくつか曲がると3人の姿を見失った。
「野郎ッどこ行きたがった!」
キョロキョロと辺りを見るエドワードのコートを、アルモニが引っ張る。
「エド、あっちよ。列車置き場の方に行くのを見たわ」
アルモニが指差す方角には、運行していない列車や、メンテナンス中の車両専用の車庫がある。
その方角に、黄色い服がチラリとみえた。半分ほど開いた門を抜け、列車置き場へ向かった。
「しっかし、ほんと門やら塀やら多い街だな」
ノイエ・ヒースガルドの外観を見下ろした時もそうだった。
外からの侵入を防ぐような外壁と重い扉。
そして、道の要所要所につけられた門。まるで、中の様子を見せたくないようだ。
「キメラ対策じゃないの?街の中に入ってこられたら、防ぎようがないでしょ。みんな、あなたみたいに強いわけじゃないんだし」
エリスが言うと、アルフォンスも頷いた。
「ほんとに軍は何もしないんだね、兄さん」
「あぁ。とんでもねえ職務怠慢だな。大佐ならあり得ないなーー手柄をほっとくなんて」
「大佐って?」
「東方指令部のロイ・マスタング大佐。国家錬金術師で、ボクと兄さんの後見人なんだ。二つ名は、焔の錬金術師」
「ふ〜ん・・エドよりすごいの?」
「俺のほうがスゴい!くっそー!あいつどこにいるんだ!?」
列車置き場を見渡したエドワードは、頭を掻きむしった。思っていたより車両が多かったからだ。
「この辺りにいるよ。列車が邪魔で辺りが見渡せないから、隠れるには絶好の場所だしね」
「手分けして捜さない?私、自信あるから」
「つかまったら何されるかわかんねーだろーーって、何の自信だ?」
「逃げ足に決まってるじゃない」
エリスはエドワードの返事を待たずにさっさと行ってしまう。
「あたしたちも捜そうよ」
「ん?あ、あぁーー」
アルモニに促され、エドワードたちも探し始めた。しばらくして、エリスは、屋内作業場近くに隠れているゲルプを見つける。
「あら」
声を上げたエリスに、ゲルプは振り向いた。
「てめえひとりか?」
「えぇ、そうよ」
にっこり笑って答えるエリスに、一瞬目を見張る。だが
「そいつは、いいや」
すぐにニヤリと口元を歪めた。
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