第4章 錬金術師が自治する街
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「アニキ、このガキどもに、俺たちの無敵の錬金術を見せてやろうぜ」
「無敵の錬金術?」
それを聞いた周りの人々が、顔色を替えて逃げ出し始める。
「なんなんだ?」
人垣がなくなると、地面に剣を携えた鎧が横たわっているのが見えた。3人は、その鎧に両手をつける。
「鎧?」
同じく鎧の身体のアルフォンスが声を上げた。だが、魂を定着させたアルフォンスと違い、この鎧は生きる者の意志のない、魂無き不死の鎧。リビングアーマーだ。
「何だか、あの怪物みたいだね」
「なら、術者を倒せばいい。楽勝だろ。いくぞっ、アル!」
「うん!」
「エリスは下がってろーーあれ?」
エドワードが振り返ると、エリスはすでに、遥か後方にいた。
隣には、あの少女も居る。
「何だか、息があってきたねぇ」
アルフォンスが嬉し気に呟いた時、ドカッーーーッと、リビングアーマーの振り下ろした剣が地面にめり込んだ。
「おっと!よそ見してる場合じゃなかったぜ!!」
「兄さん、コイツはボクが」
「頼んだぜ!!」
アルフォンスは、リビングアーマーの前に、立ち塞がる。
その隙に、エドワードはブラオの下へ走った。
3人の白い手袋に描かれた錬成陣は、少しずつ違っている。
おそらく、錬金術で扱う属性が違うのだろう。
ならば、属性のわかっているブラオから倒すのが懸命だ。
地中からの氷柱を警戒して、ジグザグに走る。
「おっと!」
すぐ横からせり出した氷柱を避けると、右手の鋼剣で斬りつける。
「ーーー!!」
無言で仰け反るブラオを追い、踏み出した右足を軸に、回し蹴りを喰らわせた。
「ガッーー!!」
オートメールの脚で蹴られたのだから堪らない。
地面に叩き付けられたブラオは、呆気なく気絶した。
「一丁上がり!!」
「このガキっ!よくもブラオを!!!」
ゲルプが地面に手をつくと、見る見るうちに柱が6本錬成された。
それが、バラバラとエドワードに向かって倒れてくる。
しかし、狙って倒しているわけではないのか、半分は見当違いの方角へ倒れた。
「うおっ!あっぶねーな!」
側転で回避すると、エドワードも地面に両手をつく。
「お返しだっ!」
突起錬成に跳ね飛ばされ、ゲルプは電柱に激突する。
「ぐはっ!」
脳震盪を起こしたゲルプは、そのまま地面に突っ伏した。
「兄さん!!後ろ!!」
アルフォンスの叫び声が聞こえるやいなや、背後から、熱風と共に炎が襲いかかってきた。
「ハッハッハッ!!燃えろ!クソガキ!!」
ロートの声に、エドワードは壁を錬成して炎を防ぐ。
「こんなちんけな炎にやられたなんて言ったら、大佐に笑われらあ!」
炎が消えると、壁から躍り出る。次の炎を錬成しようとしたロートに、鉄拳をお見舞した。
「ぐはっ!!」
3人が気絶すると、リビングアーマーも動きを止めた。
「ふぅ・・・」
エドワードが汗を拭うと同時に、リビングアーマーに手こずっていたアルフォンスも、安堵の息を吐いた。
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