第1章 トレインジャック
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「おわぁっっ!!」
激しく横揺れする車両に、エドワードは座席から投げ出される。
「兄さん、大丈・・ぶ・・」
揺れが治まると、アルフォンスはエドワードに声を掛けた。
だが、最後まで言えずに、固まってしまう。
座席から投げ出されたエドワードは、幸いに堅い床に叩きつかれることなく無事だった。
「あぁ、なんか柔らかいもんがーーどえっ!!」
それもその筈。エドワードは エリス に抱き付く格好で、ふくよかな胸に顔を埋めていた。
それに気付いたエドワードは慌てて離れようとしたが。
「何すんのよっ!!」
バシィィィーー!!!!
それより早く、 エリスの平手打ちが飛んで来た。
「やっぱり、イヤらしい事してんじゃないの!!」
「してねーよ!!不可抗力だっ!!」
赤く腫れたほっぺたを押さえ、エドワードは立ち上がる。
「まあまあ・・でも、何だろう、爆発?」
ふたりを宥めるように、アルフォンスが声を掛けた時
『我々は、東部人民革命戦線。この列車は、我々が占拠した。繰り返す。この列車はーー』
列車のスピーカーから、声が流れて来る。その声明文に、アルフォンスは首を捻った。
「東部人民革命戦線?なんか、色々切って貼ったような名前だね」
「確かに、聞かん名だな」
アームストロングが、スピーカーを見上げて呟いた。
「ハア~。また、過激派かなんかだろ。世も末だよ、全く」
大きなため息を付き、エドワードは席に座った。そして、何事もなかったように、窓枠に肘をつき景色を眺める。
エリスは、まだ機嫌が悪いようだ。
「何とかせんのか」
その声に、エドワードは振り向いた。顔には、力いっぱい面倒くさいと書いてある。
「あぁん?なんで俺が?」
アームストロングは、じっとりとエドワードを見つめた。
無言で威圧する青い瞳と、エリスの冷たい視線に、エドワードの顔には、ダラダラと滝のように大量の汗が流れる。
「だって、あんな連中、少佐ひとりで十分でしょう!」
視線に耐えかね、愛想笑いを浮かべて言うと、アームストロングのつぶらな瞳がキラリと光る。
「フ・・如何にも!!」
バサッと軍服を脱ぐと、丸太のような腕を曲げ、上腕二頭筋を見せつける。
「この豪椀の錬金術師、アレックス・ルイ・アームストロングが乗する列車を乗っとろうなどとはな。
フッフッフ・・賊どもめ、己が不運を、この身を持って知らせてくれるわ!!」
「てめえら!大人しくーーうわぁ!何だ、お前ら!!」
ドアが乱暴に開けられ、銃を持った人相の悪い男が2人現れた。
が、入るやいなや、半裸のアームストロングと、鎧姿のアルフォンスに驚きの声を上げる。
「放送は聴いたな?この列車は、東部解放連盟が占拠した!」
2人の首には、ジャラジャラとネックレスが掛かっている。銃を持つ手には、似つかわしくない豪華な指輪がはまっていた。
「さっきの放送と、名前が違ってるね」
「全く、付き合いきれねえな。そーいや、前にも似たような事なかったっけ?」
ヤレヤレとうなだれたエドワードは、以前巻き込まれた事件を思い出した。
「あったね」
アルフォンスは、苦笑いしたような声で答えた。
「もしかして、呪われてる?俺たち」
「おい、そこの鎧とチビ!勝手に喋ってんじゃねえ!!大人しく金目のもん出せ!」
「ちょうどいい。お前がそこの、デカいのと鎧と小娘の金目の物を持って、こっちへ来い、チビ!」
「チ・ビ・って・いうのは・・・」
青筋を立て、ギチギチと油の切れた機械のような動きで、エドワードは男たちを見る。
「お前のことに決まってんだろ。他に誰がいるっていうんだ、チビ!!」
リフレインするチビの言の葉に、エドワードの繊細な神経が、暗闇の中で音を立てて切れた。
「誰がギネス級チビかーー!!」
座席から飛び出したエドワードは、両手を合わせながら通路を走った。
「!!」
殴られた男は、壁に叩き付けられて気を失った。
「おぉ、見事だ、エドワード・エルリック!」
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